- CRM/SFA/MA
Sales Cloud(セールスクラウド)の魅力とは?導入効果や活用すべき企業の特徴を紹介
更新日: 2024年4月25日
営業DX推進の鍵を握ると言われるSFA。理解しているようで、いざ「SFAって何?」と聞かれるとうまく説明できない、という方もいるのではないでしょうか?
この記事では、SFAの基本的な機能や導入の目的、運用の定着や成果につなげるポイントなどを解説します。
目次
こちらの記事もおすすめ!
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動を支援する目的で使用されるITツールです。
営業活動に関わる業務は多岐に渡ります。
現場の担当者は、顧客との商談以外に、見積書をはじめとした書類作成、日報の記入、経費精算などのデスクワークを行っています。管理職であれば、チーム全体の進捗管理や予算管理、実績レポートの作成、案件や商談の分析、営業戦略の立案などが発生します。
これらの業務をデジタルの力で効率化し、集めたデータを基に分析を加えることで営業活動のレベルを上げていくのがSFAです。
主に以下のような企業で導入されています。
・BtoB(法人営業)がメイン ・営業効率を改善したい ・営業の属人化をやめて標準化したい ・営業部門全体の底上げをしたい
SFAはうまく活用できれば、売上増加に直結する様々な効果を生み出します。まずはメリットを具体的に紹介していきます。
営業マネージャーにとって、SFAの導入は営業活動の透明性向上と業務効率化に大きな助けとなります。これにより、顧客の予算、競合情報、案件の進捗状況など、重要なデータが一元的に管理でき、的確な意思決定が可能になります。また、異常な状態を素早く発見し、修正できるため、潜在的な損失を最小限に抑えることもできます。数字の迅速な把握により、業績報告や会議での数値レポート作成が大幅に効率化され、貴重な時間と労力を節約します。
SFAの導入は現場の営業メンバーにも多くの利点があります。SFAを通じて成功した行動パターンを学び、自身の成功率を向上させることができます。新人や中途入社者も自己判断でき、迅速に成果を上げられるでしょう。また、SFAで入力された情報を上司からの適切な指導とアドバイスとして受け取ることができ、共に学び、成長することが可能です。同時に、SFAのアラート機能と情報の可視化はミスと漏れを防ぎ、長期間訪問していない顧客や未処理のタスクに対処しやすくします。報告の手間も大幅に軽減され、時間を有効に使えるようになります。
経営者にとってSFAの導入は戦略的な利益をもたらします。市場や顧客、組織全体の情報が一元管理され、リアルタイムで把握できるため、スピード感のある経営判断が可能になります。業界ごとの成長や受失注理由など、重要なデータが簡単に収集でき、経営戦略の立案に役立ちます。また、SFAの導入により、教育コストが削減されます。新人は先輩からの学びを待たずに、提案資料や成功パターンを自力で学び、独立した成果を上げることができます。SFAにより営業プロセスが透明になるため、マネージャーの評価が適正に行え、モチベーションの向上に寄与します。
SFA導入により得られる代表的なメリットを上記で説明しました。次のセクションでは以上のようなメリットを生み出す機能を説明します。
煩雑な営業業務を支援し効率化するため、SFAにはたくさんの機能が盛り込まれています。ここでは主要な5つの機能をご紹介します。
営業の対象となる顧客(見込み顧客)の情報を管理します。
営業活動において、顧客の管理は非常に重要です。顧客管理は、営業対象となる顧客(見込み顧客)の情報を効果的に整理し、管理するプロセスを指します。このプロセスでは、担当者の基本情報、接触履歴、商談や案件の進捗状況など、営業に関連する情報を顧客単位で確認できます。顧客管理のおかげで、営業活動が効果的に展開でき、重要な情報が手に入ります。
案件の状況を把握して管理します。
営業において、案件の効果的な管理は成功の鍵です。案件管理は、顧客との関係で発生する案件に関する情報を整理し、効果的に管理するためのプロセスです。このプロセスによって、顧客との関係で進行中の案件の状況を正確に把握し、可視化できます。案件の進捗、受注確度、見込み額、受注予定日などの情報が一目でわかり、営業活動の効率性が向上します。
商談の状況を把握して管理します。
商談の管理は、営業プロセスの重要な一部です。商談管理は、商談相手の情報、営業担当者、商談内容、使用した資料、商談結果などを記録し、効果的に管理するプロセスです。このプロセスによって、商談の進捗状況を把握し、商談内容を共有し、商談結果を分析することができます。情報の整理と可視化により、営業戦略の立案や改善に貢献します。
営業部門の予算や実績を管理します。
営業部門の運営において、予算と実績の管理は不可欠です。予実管理は、入力されたデータをもとに売上予測、売上実績、目標達成度などを数字で把握するプロセスです。また、出力されたレポートを分析して、営業部門全体の改善に役立てます。このプロセスによって、戦略的な意思決定が可能になり、組織全体の目標達成に向けた指針が提供されます。
顧客データや商談記録など営業データの入力・スケジュール管理・日報の投稿など、営業マンの日常業務を支援します。また、営業担当者のアポイント数・訪問数・商談数やその成約率などの行動を管理することもできます。
営業担当者の日常業務を支援することは、効果的な営業活動の鍵です。行動支援は、顧客データや商談記録の入力、スケジュール管理、日報の投稿など、営業マンの日常業務を効率化するプロセスを指します。また、営業担当者のアポイント数、訪問数、商談数、成約率などの行動を管理し、業績の向上に貢献します。行動支援は、営業活動の効果を最大化し、組織全体の成功に寄与します。
こちらの記事もおすすめ:
現代のビジネス環境では、SFA、MA、そしてCRMといった略語が頻繁に登場し、企業の業績向上や効率化において重要な役割を果たしています。これらのツールやプラットフォームは、それぞれ異なる目的や機能を持ち、企業のさまざまな部門で活用されています。この章では、SFA(営業支援システム)、MA(マーケティングオートメーション)、そしてCRM(顧客管理システム)に焦点を当て、それぞれの違いや利用シーンについて詳しく探求していきます。これらのツールがどのように組織内で違った役割を果たし、どのように連携することで企業の成功に寄与するのか、ご説明します。
SFA(営業支援システム)とCRM(顧客管理システム)は、企業にとって重要なツールで、それぞれ異なる役割を果たします。CRMは顧客情報を一元管理し、マーケティングやカスタマーサポートなどの活動の基盤となるツールであり、顧客関係を維持・強化するのが目的です。一方、SFAは営業業務の組織化と効率化を支援するツールであり、営業支援に特化しています。最近では多くのツールがSFAとCRMの両方の機能を組み合わせて提供されており、両者の違いが曖昧になっています。
SFAは営業活動の管理に強みを持ち、案件管理や取引先管理などの営業支援に焦点を当てています。一方、CRMは顧客情報の管理に特化し、顧客に対する個別化された対応を可能にすることで顧客関係を強化します。
マーケティング活動の自動化をサポートする「MA(マーケティングオートメーション)」は、見込み客を育て、商談に至るプロセスを支援するツールです。MAを使用することで、見込み客の関心や行動を可視化し、最適なタイミングで顧客に対応できます。SFA(営業支援システム)とCRM(顧客管理システム)と同様に、MAとの違いについて説明します。
MAは、マーケティング活動の自動化を支援し、マーケティングの施策やデータ管理を効率化します。一方、SFAはセールスをサポートし、MAはマーケティングを支援するため、それぞれ異なる目的に焦点を当てています。MAはマーケティングの自動化を意味し、マーケティング活動を効率化して売上を拡大することを目指しています。
SFAとMAを連携することで、リードから受注・失注までの情報を一元管理し、Web上での行動から営業へのスムーズなアプローチ、営業フェーズに合わせたナーチャリングの向上など、3つの主要な効果を得ることができます。 MAとSFAは連携することで、マーケティング活動の情報を営業と共有でき、効果的な判断が可能になります。
最後に、MAとSFAの違いについて、MAはマーケティング活動の自動化を意味し、SFAは営業効率化を目指すものであると簡単に説明することができます。 SFAとMAは連携して使用することで、より多くの成果を上げることができます。
SFAとCRM、MAとの違いを表にまとめたのが以下です。
○...十分な機能がある
△...十分な機能がない場合があり、運用面で補う必要がある。
×...該当ツールでの実現が難しい機能
機能 | SFA | CRM | MA |
---|---|---|---|
顧客管理 | △ | ○ | × |
案件管理 | ○ | △ | × |
商談管理 | ○ | △ | × |
予実管理 | ○ | ○ | × |
行動支援 | ○ | △ | △ |
メールマーケティング機能 | × | △ | ○ |
フォーム作成機能 | × | △ | ○ |
BI機能 | △ | △ | × |
「データ」面の支援なら、日本最大のデータベースを持つユーソナーにご相談ください。
ユーソナーの詳細を見る
SFAを導入しただけでは効果を上げることはできません。「SFAを使うことでどのような課題を解決したいか」という目的を明確にして取り組むことが重要です。
解決したい課題が複数ある場合、SFA導入初期では優先順位をつけて取り組むことをおすすめします。
SFAにはたくさんの機能があります。導入当初からすべての機能を使おうとすると、マネージャーや現場の負担も大きく、目的もぼやけてしまいます。ひとつめの目的が軌道に乗り始めたところで次の課題に取り組むなど、SFAの活用度を段階的に上げていきましょう。
SFA導入によって解決できる課題には、例えば以下のようなものがあります。
顧客情報が正しく管理できていないことで、商談の機会が失われる・顧客のニーズが把握できずに失注する・同じ顧客に重複してアプローチしてしまうなど、営業効率を下げる要因になるケース。
SFAを導入すると、顧客情報はすべてSFAに登録することで一元化され、必要なときに必要な情報を取り出しやすくなります。また、登録した情報を役立てることにより、営業効率の改善・データをもとにした分析ができる・予測精度の向上といった効果を発揮します。
マネージャーがチーム内の案件や商談の進捗を把握できていないため、全体の成果が上がらない・各案件の状況がわからず適切な予算が立てられないケース。
SFAでは、現場の担当者に案件や商談の進捗を都度入力してもらい、マネージャーはその情報を把握して分析します。
それにより、案件の見込み度や優先順位が分析できるようになります。また、成約の確度が上がる・予測や予算が立てやすくなる・埋もれている案件の掘り起こしができるなどのメリットがあります。
営業プロセスや活動内容が営業マンによってバラバラで、属人化しており、営業担当者間のノウハウが共有されない・優秀な営業マンが抜けると業績に直結してしまうなどの問題があるケース。
SFA導入の際に、各人の営業プロセスの洗い出しと標準化を行います。また、個人からチーム全体への情報共有を徹底することで、営業プロセスの可視化・退職や異動によるリスク減少・チーム全体の底上げを目指すことができます。
こちらの記事もおすすめ:
SFAには、顧客の基本情報や営業プロセス上の進捗、接触履歴、商談の内容、案件の見込み度など、多くの情報が入力されます。
それをもとに、案件の分析や予算決め、顧客情報の共有などを行うため、データの精度は大きなポイントとなります。
SFAに入っているデータを利用して分析や改善を行うのはマネージャーですが、日々の営業活動を入力するのは現場の営業担当者です。
営業担当者が決められた通りに正確にデータを入力してくれないと、SFAの活用は中途半端になってしまいます。
ところが、「入力作業が面倒」「操作が難しい」「上から新しい作業を押し付けられた」など、さまざまな理由でデータの入力がうまくいかないことがあります。
そういった事態を避けるために、SFAに付属している入力支援機能を活用します。モバイル入力、自動投稿機能などツールによってさまざまな機能があります。どのような入力支援機能があれば楽になるか、担当者に確認しながら設定しましょう。
担当者がいつでも正確なデータを入力できるような状況を作るには、常に現場の声を聴くマネジメント層の姿勢が重要です。導入の初期段階から計画的に、定着を目指した仕掛けや体制を作っていきましょう。
SFAと連携可能な、入力業務を補完するための名刺管理ツールなどを利用することも一つの方法です。
SFAの導入目的を現場の担当者含めて営業部門全員に共有しておくことも、運用を定着させるポイントです。
新しいツールを導入する際は、大なり小なり作業の負担が増えます。何のためにSFAを導入するのか・導入すると各自にどのようなメリットがあるのかを明確にすることで、一時的な負荷も納得してもらい、SFAの積極的な活用を促します。
こちらの記事もおすすめ:
ここまで解説してきたように、SFAは営業活動の課題を解決し、営業効率と業績を上げるためのツールです。ところが、SFAの導入だけでは解決が難しいのが、新規客の開拓に関わる課題です。
新規客の開拓は、継続的な売上を維持するために欠かせないものですが、営業だけではなくマーケティング的な観点も必要です。
そのため見込み客の獲得/育成や抽出が行えるMA(マーケティングオートメーション)と連携して使用することで、新規客の開拓につなげることができます。
SFAの導入や運用が軌道に乗ったら、
・見込み客の獲得/育成を管理するMA ・獲得/育成した見込み客に商談を行い、契約までもっていく営業活動を管理するSFA
というように、適切なフェーズで各ツールを使用し、営業効率を上げていくことをおすすめします。
見込み客は、手持ちのデータだけではいずれ枯渇してしまいます。継続して見込み客を獲得するには、市場全体を分母として、まだアプローチできていない業種やエリアなどのホワイトスペースを見つけだすことが重要です。
そこで役に立つのが、企業の会社名や代表者名、財務状況などの情報を詳細に掲載している企業データベースです。
SFAやMAと連携可能な企業データベースサービスを利用すると、自社が持っている顧客データや見込み客データに、企業データベースのデータを加えて分析することができます。
それにより、未開拓かつ確度の高い見込み客にアプローチできるようになり、マーケティング部門および営業部門双方の効率や成果を大きく後押しすることが可能です。
SFAの代表的なツールとして、SalesCloudとKintoneを紹介します。
SFAの代表的な企業として真っ先に挙げられるのが米Salesforce社が提供するSFAツールの"SalesCloudです。SalesCloudの特徴はその機能の豊富さやカスタマイズ性です。Salesforce社はSalesCloud以外にも多数の営業支援ツールを提供していおり、それらのツールと連携することで多様なシーンでの活用が可能となります。AppExhangeに代表される外部ツールとの連携も豊富です。
>>Salesforce Japan Partner Award 2023 を受賞!SFAの成果を最大化するユーソナーについてはこちら
SalesCloudと同じく世界的に有名な営業支援ツールが、Kintoneです。Kintoneの特徴は導入の手軽さとExcelのように使えるユーザビリティの高さです。その適応範囲は営業支援に限られず、ビジネスシーンの多くの場面で使用できる業務アプリ作成ツールです。
SFAとSFA連携ツール「ユーソナー」を連携させることで、導入効果を最大化することが可能です。
弊社のお客様事例として、2社のSFA活用事例をお伝えします。
①株式会社ビジネスブレイクスルーの事例
②株式会社出前館の事例
株式会社ビジネスブレイクスルーは、部門横断システムで業務を標準化することで、SFAを活用し新規商談数20%UP、DM反応率2倍を実現しました。
・ばらばらだった業務を標準化
・顧客情報の一元化へ統合システム構築
・Salesforceとの連携実績が豊富
・支社・事業所まで網羅 データの質と量ケタ違い
・新規の商談数、120%にUP
・DM発送の反応率2倍に
・経理・総務ふくめ部門横断の活用が定着
事例の詳細はこちら
株式会社出前館は、戦略的な加盟店の拡大を、国内最大の企業データで実現しました。企業データベースを連携することで、SFAの活用を促進し、1,700万円規模の工数を削減し「現場から喜ばれる」データ活用を可能としました。
・営業戦略をたてるうえで必要な店舗情報の網羅性や信憑性に課題があった
・Salesforceと連携ができ、DXの推進に活用できる
・飲食店情報が80万件以上登録されており、情報の信頼性が高い
・的確な営業戦略をたてられるようになり、効率的な営業活動ができている
・店舗情報のメンテナンスや修正の工数60%、年間約1,700万円削減
・簡易な反社チェックなどバックオフィス業務を効率化
事例の詳細はこちら
SFAは営業活動に関わるさまざまな業務を支援し、効率をアップするためのITツールです。
たくさんの機能があるSFAですが、導入にあたっては「解決したい課題」を明確にして、その課題を解決するための機能を優先して使っていくことがポイントです。
また、登録されるデータの精度が、SFAの成功を左右します。そのため、データを入力する現場の営業マンが使いやすい、使いたくなるような仕組みづくりが重要です。
SFAの導入や運用が軌道に乗ったら、MAや企業データベースなど、新規客の開拓を強化できるツールと連携して、営業効率や業績のさらなるアップを目指しましょう。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
ユーソナーは業種・業界問わず
様々な企業において活用いただいております。
ITreview Grid Award 2024 fall
リーダー認定4部門