• 与信・反社チェック

与信管理とは?重要性や方法・コスト削減までわかりやすく解説

更新日: 2024年7月18日

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与信調査の対象を
"1/10に削減"するには?

会社の業績が伸び始めた時期にしなければならないことの一つに「与信管理」があります。与信管理とは、取引先が代金を支払える能力があるかを確認し、売掛金や販売代金を確実に回収できるように管理することを指します。

企業成長が見込まれる場合、利益も増えるはずですから与信管理の重要性が高まります。そこで本記事では、与信管理の重要性や必要なコスト、与信管理を行うメリットについて解説します。

本記事をお読みいただくことで与信管理の基礎理解に加え、与信管理を正確に行うポイントについても理解できます。

目次

与信とは

そもそも与信とは、企業が取引相手に対して「信用を与えること」を指します。企業間取引では、商品やサービス利用後にまとめて代金が支払われることが一般的ですが、仮に取引先が倒産してしまった場合、代金が回収できないリスクがあります。

よって、取引を実施する際は「相手に支払い能力があるとして信用すること(与信)」を前提として、取引が行われるのです。
特にBtoBビジネスにおいて、欠かせないプロセスの1つといえます。

与信管理とは

与信管理とは、売掛金の回収不能リスクを最小限に抑えるために、企業間での取引を管理することです。具体的には、取引先への販売額や数量に制限をかけたり、支払い能力や取引先の運営状況を確認する「与信調査」や「与信審査」を実施することです。

与信管理は取引量や取引をする顧客の増加により、必要性が増してきます。

与信管理の重要性

与信管理が重要な理由は以下の3つです。

重要な理由 内容
連鎖倒産の防止 連鎖倒産とは、取引先の倒産が自社の経営に被害を与え、連鎖的に倒産すること。取引先が倒産して売掛金が回収できない場合、自社も経営難に陥る可能性がある。
黒字倒産の防止 黒字倒産とは、一定の売り上げがあるものの手元にある資金が枯渇して結果的に倒産してしまうこと。売掛金が回収できないと、決算上は黒字でも倒産の危険性がある。
貸倒れの損失回避 貸倒れの損失とは、売掛金が回収できなかった際の損失のこと。貸倒れの損失が増えると赤字になる可能性があり、会社経営を圧迫する可能性がある。

与信管理を徹底していなければ上記3つの会社経営における損失が発生する可能性があります。新規取引の開始時や取引先が増えてきたタイミングで与信管理を行わなければ、正常な企業運営が難しくなる可能性があります。

与信管理は自社の利益や信用の低下を防ぐことにつながるため、どの企業も対応すべき課題です。

与信管理に必要なコスト

与信調査は膨大なリサーチが必要なことから、基本的には信用調査会社(帝国データバンクなど)に調査を依頼する方法が一般的です。信用調査にかかる費用は依頼する会社や調査内容によって異なりますが、大手の信用調査会社の場合、1社あたりの信用調査に15,000円〜24,000円ほどかかります。

信用調査には企業の財務状況だけでなく、上場時や企業のブランドイメージに関わる反社チェック等も行う必要があり、1社あたりの調査費用は高くなります。

与信管理には膨大な情報収集の時間と与信限度額を設定する作業が生じるだけでなく、企業の信用状況を随時チェックし、定期的な取引の見直しが必要になります。そのため、基本的には専門部署を設置することが望ましいものの、経理や総務以外に商談をおこなう営業担当者自身に与信管理を任せるケースも少なくありません。

与信調査のコストを抑えたい場合は前述した「専門部署の設置」や担当者を決めるなど自社で一次チェックを行う体制を構築した上で、より詳細に調査したい場合は調査会社に依頼しましょう。そうすることで、信用調査にかかるコストを抑えられます。

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与信管理の方法・流れ

与信管理の方法や業務の流れは以下の通りです。

・取引先の評価基準の選定
・取引先の分析・評価
・与信限度額の設定
・契約・継続の交渉
・定期的な信用力見直しの実施

取引先の評価基準の選定

まずは取引先の評価基準を設定しましょう。評価基準はS〜Fの7段階で設定し、取引の判断基準を設定します。

評価 取引
S 支払い能力が非常に高いため継続
A 支払い能力が高いため継続
B 支払い能力が平均的なため注意しながら取引を行う
C 不安要素が多いため、取引の検討を行う
D 支払い能力に問題があるため、継続的な取引を取りやめる
E 取引に影響する重大な問題があるため、取引停止を検討する
F 負債や未払いの債権が多いため、取引を即停止する

取引先の分析・評価

前述した取引先の基準が確定したら、取引先の分析や評価を行います。分析要素は定量・定性の2つがあります。

定量評価 定性評価

・資本金

・売上高

・従業員数

・自己資本比率

・利益率

・増収率

・流動比率

・貸借対照表

・損益計算書

・取引金融機関

・経営者の認知度

・同業他社からの評判

・担保設定

・業界での競合優位性

定量分析は数値的な分析を行うことができます。一方で定性分析は数値にできない部分を分析します。どちらか一方の分析のみの場合は分析結果の精度が低くなるため、定量・定性の両方で分析を行う必要があります。

与信限度額の設定

取引先の分析に加え、取引評価が確定した後は与信限度額の設定を行いましょう。与信限度額を設定しておけば、万が一取引先が倒産したとしても自社への影響を最小限に抑えることができます。

与信限度額の基本は格付け(信用力)の低い企業には与信限度額を低く設定することです。与信限度額の設定例は以下の通りです。

設定方法 対象企業
自社の売掛債権 取引先が多く複数社の売掛債権を保有している場合は、売掛債権を基準に与信限度額を決める
取引先の純資産 純資産の多さは「企業の安定」を測る一つの指標であるため、純資産の多さを基準に与信限度額を決める
取引先の仕入債務 取引先の仕入債務が多すぎると負債の支払いに困っていて資金繰りが悪い可能性がある。一方で少なすぎるとリスクの少ない企業運営を行っていると判断できる。多い少ないで一概には言えないが、返済義務のある債務が多い場合は注意する必要がある

契約・継続の交渉

与信限度額が決まったら契約や継続的に取引するかを交渉し、契約を行います。契約時のサービスや商品に対する支払い前に新たな取引が発生した場合は、与信限度額を超過していないか確認しておきましょう。

定期的な信用力見直しの実施

与信管理は取引前の調査だけでなく、契約後の定期的な信用力の見直しも大切です。取引先の支払い状況を確認し、少しでも遅延が発生した場合は契約の見直しを考えるなど、定期的な与信管理を行わなければなりません。

契約後に取引先の資金繰り悪化が見られた場合は、すぐに債権回収の催促や担保取得といった対策を取りましょう。

与信管理の注意点

与信管理の注意点は以下の通りです。

現場の社員と連携を行う

与信管理は取引先の担当者や会社の雰囲気を肌で感じられる現場の営業担当者と連携することが重要です。
取引先の最新の運用体制を聞けるのは現場の営業担当者だからです。

営業担当者と連携力を強化しておけば、リアルタイム性の高い与信管理を実現できます。

与信調査の精度に気をつける

与信調査の精度にも気をつけましょう。与信調査は外部に依頼することが一般的ですが、自社内だけで調査を行う場合は調査の精度が低くなる可能性があります。
コストを抑えるという点では、自社だけで調査することも大切ですが、情報の精度が高くなければ与信調査の意味がありません。

定量調査は自社で行い、より詳しく調査する場合は外部に委託するなど、情報の精度を高められる調査方法を検討しましょう。

与信管理の一次チェックに「ユーソナー」

与信管理には取引先の情報を徹底的に調査する必要があるため、管理コストや調査費用がかかります。これまで企業調査に力を入れていなかった企業は取引先の調査方法や管理方法に膨大な工数がかかることも予想されます。

顧客データ統合ソリューション「ユーソナー」は、国内ほとんど、820万件の事業拠点を網羅した法人企業データベースを搭載。要注意データベースをもとに取引先のリスク度合がフラグで表示されるので、社内の誰でもいつでも簡単に取引先のリスクチェックを行えます。

また、日々情報が更新される「LBC」では企業の最新情報を確認できます。そのため、企業の動きもリアルタイムで検知することが可能です。

以上より、専門調査会社へ依頼する企業数も削減できるので、コストと工数の削減にも繋がります。

社内の基幹システムやSFA・MAと連携して使用することが可能です。詳しい情報は以下よりご確認ください。

【5分でわかる】ユーソナーによる営業DX

まとめ

本記事では、与信管理の基本から方法、与信管理を実施する際の注意点について解説しました。与信管理は企業が安定した運営を行うために欠かせない管理手法です。安定経営を目指すためには、売上を上げることも重要ですが、支払い能力があり財務状況が安定している企業との取引も重要になります。

財務状況が不安定な企業と取引を行うと、自社の経営状況が悪化したり、最悪の場合は黒字倒産の危険性もあります。安定した企業運営を目指したい方は、与信管理を徹底した上で、取引先の選定や取引継続の検討を行いましょう。

この記事を書いた人

uSonar

ユーソナー編集部

MXグループ・編集長

ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。

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