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ABM成功のために解決すべき3つの課題とは?解決のカギとなるデータ活用も紹介
更新日: 2024年9月19日
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近年、BtoB企業を中心に注目を集める「ABM(アカウントベースドマーケティング)」。
しかし、その正確な定義や活用方法について、明確なイメージを持っている方はまだ少ないかもしれません。
本記事では、ABMの基本的な概念からリードベースドマーケティングとの違い、メリットや導入手順、成果を出すためのポイントまでを詳細に解説します。
ABMを導入して自社の営業・マーケティング活動の成果を高めたい方は、ぜひこの記事を最後までお読みください。
目次
ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、優良顧客となり得る売り先を予め選定し、効果的にアプローチするマーケティング手法の一つです。
よりわかりやすく説明すると、「自社に多大なる利益をもたらしてくれる企業を明確にし、ターゲットを絞り込んで集中的に営業活動を行う」手法のことを指します。ABMでは「中小企業」や「個人事業主」といったジャンルごとのターゲティングをするのではなく、「シャープ」「パナソニック」というように、企業レベルのターゲティングや顧客の選定を行います。
企業レベルで選定した後は、ターゲット企業の意思決定を担うステークホルダー・キーパーソンとの接点創出を目指し、様々な角度から関係構築を行います。
ABMとよく比較されるマーケティング手法として、「リードベースドマーケティング」があります。
リードベースドマーケティングは広範な見込み顧客に対して一貫したマーケティング活動を行い、そこから徐々に受注確度の高い見込み客に絞り込んでいくアプローチです。
一方でABMはあらかじめターゲット企業を絞り込んだうえで、その企業全体に対してカスタマイズされたマーケティング戦略を行い、徐々に接点を広げていくアプローチ手法のことを指します。
ABMが特定の企業(アカウント)からスタートするのに対し、リードベースドマーケティングは幅広い見込み顧客(リード)からスタートするという点で異なっています。
どちらの戦略を採用するかは製品やマーケットの特徴によります。
ABMは、高額な契約や大手企業との長期的な関係が重要でリソースを少数のアカウントに集中させたい場合に適しているのに対し、リードベースドマーケティングは、多くの見込み客の中から質の高い顧客を見つけ出すことが求められる場合に適しています。
もう1つ、ABMとよく比較されるデマンドジェネレーションという手法があります。
デマンドジェネレーションはマーケティング部門が見込み顧客に対して製品の認知や興味を喚起し、購買意欲を高めていく一連のマーケティング活動全般を指します。
ABMとの違いは、より広範な見込み顧客やマーケットに対してアプローチすることができる点です。
両方の施策を行うことで効率的かつROIの高い営業活動を実現できるため、ABMとデマンドジェネレーションを組み合わせたハイブリッドなアプローチを取る企業も増えてきています。
ABMを提唱した米Momentum ITSMA社とABM Leadership Allianceが2022年末に合同で調査した『2022 ABM Benchmark Study』によると、B2Bマーケターは引き続きABMをマーケティング戦略の前面に押し出しており、ABMは4年連続で施策の優先順位トップに立っています。2022年のマーケティング予算のうち平均的に28%の予算がABMに充てられており、この傾向は2024年も継続する可能性が高いです。
この調査は米国企業を対象とした調査結果ですが、トレンドの流れが大きく欧州から日本へと移り変わることを考えると日本でも近いうちに同様の傾向が表れることは十分に考えられます。事実、当社へのABM関連のお問い合わせも近年増加傾向にあります。
ABMが注目される背景には、広告予算の増加があります。株式会社電通の調査によると、2022年の日本における総広告費は、過去最高の7兆1,021億円(前年比104.4%)となりました。
これには様々な要因がありますが、デジタルマーケティングの興隆に伴うインターネット広告費の増加と、顧客獲得単価の増加という流れは加速しています。広告予算の増加に伴い、重要ターゲットにフォーカスを絞り効率的に顧客創出をはかるABMが注目されています。
また、SFAやMAといった営業支援ツールの普及もABMが注目される要因の1つです。これまで実現の難しかった部署間の連携が、データを一元管理できるシステムの導入によって以前に比べ実現しやすくなったことも、ABMが注目されるきっかけとして考えられます。
ABMの導入は、どのようなメリットをもたらすのでしょうか。ここでは大きく3点ご紹介します。
1つ目は、リードタイムの短縮です。
ABMは見込み客を選定してからアプローチする手法であり、さらにステークホルダー・キーパーソンにしぼって接点を構築していく手法であるため、短いリードタイムで成果を出すことが期待できます。
特に、商品単価が高く受注までに時間がかかるような商材を扱っている場合であれば、ABMを実践することで大きなリードタイムの短縮につなげられるでしょう。
2つ目は、ROIの向上です。
ABMを適切に実践することで、リード獲得にかかる広告費や営業活動費を削減することができます。
また、失注する可能性が高い顧客へのアプローチ数を減らし、空いたリソースをより確度の高い顧客に集中させることが可能です。
商談や受注につながりやすい顧客に絞りこんだ営業活動ができるので、ROIの向上が期待できます。
3つ目は、顧客ロイヤルティの向上です。
ABMはターゲット企業を特定した上で、ステークホルダーやキーパーソンに向けて顧客の課題解決につながるような提案を行います。結果的にそれが顧客目線での提案につながり、「ただ営業するだけではなく本気で自社のことを考えてくれている」と感じてもらえるのです。
事業を存続させるためには新規顧客獲得ももちろん重要ですが、リピーターを増やし、顧客ロイヤルティを高めLTV(顧客生涯価値)向上を目指すことも非常に重要です。ABMの実施は、LTV向上に大きな効果をもたらすでしょう。
ここからは、実際にABMを導入する流れを見ていきましょう。大きく4stepで解説します。
ABMは、予め設定したターゲットを元に自社に恩恵をもたらしてくれる優良顧客を特定するマーケティング手法です。よって、ターゲットアカウント(企業)の選定がABMの成果を握っているといえます。
ABMでターゲットを選定する際は、「自社に利益を生み出してくれる企業か」を基準とします。以下の基準を参考に、自社の優良顧客を明確にしていきましょう。
このような選定基準を元に注力すべき顧客像が見えてきたら、次に対象企業の意思決定者であるキーパーソンを探ります。
キーパーソンは企業のHPの会社概要にある役員や社員情報、人事異動情報、有価証券報告書などから情報を手に入れることができます。
ターゲットアカウントの選定には、企業ニュースや業界トレンドといった業界全体の情報から、業種や売上高・従業員数などセグメントに必要な情報が必要になります。なるべくきれいなデータを収集・統合・分析できる環境を整えておきましょう。
参考記事:ABMで取得するべき企業情報とは?データ取得やマネジメントの方法も解説▶︎
続いて、ターゲット企業のキーパーソンが日常的に活用しているチャネル(媒体)を分析した上で、効果の出やすいチャネルを選定しましょう。キーパーソンと接点を作ることができるチャネルの例は以下の通りです。
上記のように、直接の電話営業のほかにも、営業・マーケが連動した様々なアプローチ施策が考えられます。
上位レイヤーとの接点を構築できるような展示会・イベントに参加することや、広告施策を上手く活用することも有効でしょう。
ターゲット企業やキーパーソンの特徴をとらえることも重要です。
例えば、ターゲット企業の取引先が東京23区内に本社を構える場合、移動手段はタクシーや電車がほとんどと考えると、東京23区間に交通広告を出すことでキーパーソンとの接点を作ることが期待できます。
自社の商材の特性等も加味した上で、自社にとって最適なチャネルを選定しましょう。複数のチャネルを組み合わせることも効果的です。
アプローチチャネルを選定できたら、実際に提供するコンテンツやメッセージを作成します。
ABMにおいて重要なのは、個社ごとに最適化されたコンテンツを提供することです。
コンテンツの例としては、メルマガやウェビナー、個社ごとのイベント開催、ホワイトペーパー、営業資料等が挙げられます。
各企業の具体的な課題や業界特有の課題、キーパーソンのミッションなどに合わせて、自社のソリューションをどのように訴求すべきか、徹底的に考え抜いていきましょう。
最後に、チャネルに合わせて効果的なキャンペーンや営業活動を行います。
施策を実行する際にはただ闇雲に実施するのではなく、後から分析・改善ができるように営業活動やキャンペーン結果をモニタリングしておきましょう。
活動結果を集計する際は、自社内でエクセル等を活用して費用を抑えながら実施することもできますが、ABMはマーケティング部門と営業部門の連携が重要な施策です。ABM機能を搭載した専用ツールを自社内で活用することで、より大きな成果を生み出すことができます。
参考記事:ABMツールとは?導入の重要性や企業にもたらす3つのメリットを解説▶︎
ABMで成果を出すために、注意しておくべきポイントがいくつかあります。ここでは大きく3点ご紹介します。
1つ目は、市場分母全体を可視化したうえで戦略を立てることです。
ターゲットアカウントを選定する際、そもそも自社製品が展開できる市場全体を把握できていなければ、最適なアカウントを選定することができません。
実際には自社製品を利用してもらえるポテンシャルがあるにも関わらず、アプローチする機会を逃してしまう可能性があります。
市場母数を自社内で特定する方法としては、法人番号公表サイトや登記簿を使うといった方法が考えられますが、データ構築に時間がかかってしまうのも事実です。
外部の企業データベースを活用することで、より効率的に市場母数を把握することができます。特に、分母となる企業データ件数やセグメント軸の多さを導入基準に含めると、より効果的なABMを実施できるでしょう。
参考記事:ABM戦略の進め方と課題解決に繋がるベストプラクティスを詳しく解説▶︎
2つ目は、顧客データを整備し、より精度の高いデータ分析を行うことです。
ターゲットアカウントの選定や、チャネル選定やコンテンツ作成を行う際など、ABMのフローにおいてデータ分析は常に重要です。
例えば、自社顧客を詳細に分析することで、同じような属性や悩みを持つ企業を選定したり、課題に刺さるコンテンツを作成することができるようになります。
自社の顧客データをクレンジング・名寄せし、古いデータや重複データを一掃することで、精度の高いデータ分析を行うことが可能です。データの分析精度を高めることで、より実態に即したABM施策を実行していきましょう。
3つ目は、営業とマーケティング部門の連携を円滑化することです。
ABMを導入して成果を上げるためには、優良顧客選定後にすぐにアプローチをかけられる体制づくりが重要です。
考えられる施策としては、マーケティング部門がデータを抽出・分析した結果を営業部門がリアルタイムで確認できるツールを導入することが挙げられます。営業部門とマーケティング部門が、相互にコミュニケーションを取りやすい環境を構築していきましょう。
参考記事:ABM成功のために解決すべき3つの課題とは?解決のカギとなるデータ活用も紹介▶︎
ABM実践のためには、ターゲット選定や部署間の連携を促進するためのデータ連携、運用整備、効果測定のための環境設定など、様々なポイントや注意点があります。それらを社内リソースだけで実現するには多大な労力を必要とします。
不足したデータに基づき「とりあえずABMっぽいものをやって」みてなんだかうまくいかないという結論に陥る可能性もあります。最適な施策を行えていないために、ABMの実践自体をあきらめてしまうという機会損失が発生しているのです。
そんな課題に関して、ユーソナーサービスを導入することで多くの問題が解決できるかもしれません。ユーソナーはABMの成功に不可欠なデータの問題を解決します。
ユーソナーは大企業から個人事業主といった広範囲の企業情報を保有し、さらに営業所や店舗など拠点単位で網羅した法人企業データベース「LBC」を展開しています。LBCを活用することで、企業単位だけでなく拠点単位で自社にとっての優先的なターゲットをリアルタイムに漏れなく抽出することが可能です。
ABMを行う上で、まずは企業情報が正規化されていることが必要不可欠です。
ユーソナーは、20年以上のご支援実績をもとに作成したマスタで高精度な名寄せを実現します。表記ゆれや社名変更、住所移転などあらゆる変更情報を素早く検知し、メンテナンスを行います。
連携するSFA上の情報も自動で更新されるため更新にかける社内リソースの削減が可能です。
ユーソナーは、各社に対して、様々な軸の企業属性を付与しています。業種や所在地、売上高など基本的な属性はもちろん、企業の特徴や興味・関心をまとめた定性的な属性「ストーリー」を構築しています。
このストーリーの活用により、ターゲットとなる企業をより多角的に分析することが可能です。
詳細についてはぜひこちらのページから、お気軽にお問い合わせください。
ABMは、特定の企業やキーパーソンをターゲットとして効果的なアプローチを行うことで、高い成果を得ることができるマーケティング手法です。ABMを導入することで、リードタイムの短縮、ROIの向上、顧客ロイヤルティの強化といった多くのメリットが期待できます。
しかし、ABMを実践するには、目的や戦略を明確にし、十分なデータの収集と分析を行うことが欠かせません。顧客データや市場の分析によって市場全体を可視化することで、より精度の高い戦略を立てることができます。
ABMの実践を通じて、企業はクライアントとより長期的な関係を構築することができます。ABMの導入を検討している方は、ぜひ本記事を参考に、自社にとって最適なABM戦略を実践していきましょう。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
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