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【事例あり】SFA運用・定着のポイントとは?|事例からわかる成果につなげるコツ
更新日: 2023年4月 3日
CRM/SFA活用の5つのポイント
ツールベンダーからは語られない"真実"とは?
CRMとSFAは営業部門向けの代表的なITツールですが、両者には共通している機能もあるため、それぞれの違いがわかりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。CRM(顧客管理システム)は主に顧客関係の管理を重視している一方、SFA(営業支援システム)は営業プロセス全体の管理や自動化に焦点を当てている点に違いがあります。本記事では、CRMとSFAそれぞれの紹介から、両者の違い、メリット、選び方のポイントまでを解説します。
目次
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まずはCRMとSFAがどのようなツールなのか、それぞれの基礎知識を解説します。
CRM(Customer Relationship Management)は、日本語で「顧客管理システム」と呼ばれるツールです。CRMは、企業が顧客に関するあらゆるデータを一元管理および分析し、顧客との良好な関係を構築・維持するために役立ちます。
CRMに顧客データを集約すれば、カスタマージャーニーのすべてのタッチポイントにおける顧客情報を追跡できます。たとえば、顧客の購入履歴、マーケティングキャンペーンとの関わり、カスタマーサポートとのやり取りなどです。これらの情報を通して各顧客に対する理解を深めることで、営業のみならずマーケティングやカスタマーサービスなど、顧客に関わるさまざまな部門の業務を改善できます。
また、CRMには顧客データの管理・分析以外にもメール配信の自動化機能やキャンペーン管理といった、顧客へ効率的にアプローチするための機能も搭載されています。このように、CRMは顧客関係にフォーカスした機能を備えているのが特徴です。
SFA(Sales Force Automation)は日本語で「営業支援システム」と呼ばれるツールです。SFAは見込み顧客への営業活動を促進したり、顧客情報を管理したりする機能を搭載しており、営業部門の業務効率化や生産性向上に役立ちます。
たとえば、営業部門においては、見積書や日報・週報の作成、タスク管理や案件管理など、システム上で入力処理する反復的な業務が数多くあります。SFAは、これらの管理業務の多くを自動化できるため、営業担当者は営業活動に付随する雑多な業務を素早く終わらせ、顧客対応により多くの時間を費やせます。また、SFAには営業実績や売上予測を可視化する機能もあるため、部門全体や各担当者のパフォーマンスを評価分析するためにも活用可能です。
SFAには顧客情報を管理する機能もあるなど、CRMとの共通点もたしかにあります。しかし、全体的な機能で見ると、SFAは顧客というよりも、営業担当者やその業務のサポートにフォーカスしたシステムであることがわかるでしょう。
上記の特徴から、CRMとSFAの違いは以下のように整理できます。
大まかに言うと、営業活動によって獲得した既存顧客との関係を良好に維持するためのツールがCRMです。これに対して、SFAは営業活動の自動化や見込み顧客の管理に焦点を当てており、売上の増加や見込み顧客の顧客化を目的にしています。したがって、見込み顧客に対してはSFA、既存顧客に対してはCRMというように、顧客の育成段階や目的によって使い分けるのがおすすめです。あるいは、CRMとSFAの機能を統合したオールインワンのソリューションも選ぶという選択肢もあります。
CRMとSFAは、MAともしばしば比較されます。MAとは「Marketing Automation」の略称で、その名の通り、マーケティング業務の自動化に特化したツールです。MAでもCRMやSFAと同様に顧客の獲得や情報管理ができますが、MAの強みはリード(見込み顧客)の発見・育成や案件化の部分にあります。つまり、カスタマージャーニーの進行度に沿って言えば、「MA→SFA→CRM」の順で最適なツールは変わります。
CRMとSFAを活用することで、次のようなメリットを見込めます。
CRMでは主に顧客情報を、SFAでは主に営業情報を一元管理可能です。
たとえば、昨今の企業は顧客と多様なオンラインチャネルでつながっていますが、各チャネルで取得された顧客情報が別々に管理されているようでは、顧客の全体像を見極められません。その点、CRMに顧客情報を集約し、全社的に共有すれば、部門横断的に顧客データのフル活用が可能です。
また、SFAによる営業情報の一元管理は、営業活動の効率化につながります。各営業担当者が進めている案件の進捗状況が適切に共有されていれば、管理者はどのタイミングでどのようなサポートをすべきかが見極めやすくなります。また、営業実績や売上予測を可視化しておけば、中長期的な営業戦略を検討する際に役立つでしょう。
リアルタイムでの情報共有が可能なのもCRMやSFAのメリットです。
クラウドサービスとして提供されているCRMやSFAを導入すれば、社外からでも顧客や営業に関する情報を適宜確認・共有できます。たとえば、移動中の合間時間に訪問先企業の情報を確認したり、自社に戻らなくても営業情報を更新・共有したりできるということです。
特に、SFAでは日報などの資料作成の自動化・効率化もできるので、業務負担を下げつつ情報共有のスピードを向上できます。最新の情報を常に参照できることは、顧客対応の最適化において重要です。
業務や情報の属人化を抑制できることもCRMやSFAのメリットです。
担当者が社外で活動することの多い営業部門では、情報共有がおろそかになりがちです。特定の個人しか知らない・できない業務がある状態を「属人化」と言いますが、この属人化は業務のブラックボックス化をもたらし、ミスやトラブル、不正の原因にもなります。
また、縦割り構造の多い日本企業では、部門ごとにばらばらにデータを管理している「サイロ化」という状態に陥っていることがしばしばあります。参照する顧客データが違えば顧客理解にもズレが生じるため、サイロ化は企業として一貫した顧客戦略を機能させるための障害です。
顧客情報や営業情報の一元管理を促進するCRMやSFAを導入することで、こうした属人化やサイロ化を防ぎやすくなります。これによって、新しい担当者に必要な情報やノウハウを引き継ぐ作業もスムーズにできます。
CRMまたはSFA製品を選ぶ際には、どのような基準で判断すべきなのでしょうか。
まず大切なのが、自社のどのような課題をツールによって解決したいのか、その目的を明確化することです。ここまで述べてきたように、CRMとSFAは共通する部分もあるものの、異なる特徴も多く有しています。
たとえば、全社的に顧客情報の一元管理を進めたいのならばCRMの方が適していますし、営業部門の業務効率化に特化したツールが欲しいのならばSFAの方がふさわしいでしょう。もちろん、資金的な余裕があれば、両者を導入して相互補完的に活用したり、SFA機能も搭載されている統合的なCRMツールを導入したりするのもおすすめです。
いずれにせよ、最初から「CRMか、SFAか」という視点ありきで考えるのではなく、「自社の目的達成に必要な機能は何か」というニーズ(機能要件)から考えてみることがポイントになります。ツール導入の目的には、生産性の向上や業務の効率化、もしくは顧客満足度の向上、さらにはそれらを複合したものなどが該当するでしょう。 また、導入しても現場の従業員が使いこなせなければ意味がないので、操作の簡単さについてもチェックが必要です。その他にもサポート体制の充実度など、多角的な観点から検討することが欠かせません。
製品選びが終わったら、今度はツールを導入・定着させるための取り組みが必要になります。この取り組みを成功させるために重要なポイントは、以下の2点です。
ツールの導入は通過点にすぎません。大事なのは、ツールを定着させ、当初設定した目的を達成することです。ツールを定着させるには、製品そのものの使いやすさやサポートの充実度だけでなく、ユーザー側での工夫も重要になります。
たとえば、トライアル版を活用して使い勝手を実際に確かめたり、新しいツールに合うようにマニュアルを整備したりすることがその具体例です。ツールの導入に併せて社内体制や業務プロセスそのものの改革を検討するのも一考の価値があるでしょう。
社内体制の整備に関連して、ツールを使いこなせる人材を確保しておくことも大切です。たとえばCRMやSFAに蓄積された顧客データを分析すれば、営業やマーケティングなどに活用できる重要なヒントを得られるかもしれません。
そのため、CRMやSFAをフル活用するには、データ分析などのITスキルに長じた人材を確保することが重要です。また、こうした人材がいれば、ツールの使い方やトラブルに関する問い合わせにも社内で迅速に対応できるので、ツールの現場への定着にも役立ちます。
CRMは既存顧客の情報管理を主目的としたツールである一方、SFAは営業プロセスの効率化にフォーカスしたツールです。そのため、CRMとSFAのどちらを導入すべきかは、ツールの導入によって何を実現したいのか、目的によって変わります。可能であれば、CRMとSFAの両方を活用して相乗効果を狙ったり、SFA機能を搭載したCRMを導入したりするのもおすすめです。自社の導入目的を明確化し、CRMとSFAの基本的な違いを把握した上で製品選びを進めることで、ツールの導入効果を上げやすくなるでしょう。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
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