- 顧客管理・分析
【5分でわかる】顧客データ管理(顧客管理)とは?分析、活用に欠かせない顧客管理の基本を解説!
更新日: 2024年5月31日
顧客分析は、企業と顧客との間の信頼関係を構築し、競合との差別化を図るための重要な手法です。経済情勢や市場の変化に伴い、顧客ニーズは日々変化します。正確な顧客分析を行うことで、変化に対応し、最適なアプローチを提案することが可能になります。
本記事では、顧客分析の重要性、基本項目、具体的な16のフレームワークについて詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。
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目次
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顧客分析とは、顧客のニーズや行動を詳細に理解するための情報を収集・分析するプロセスです。このプロセスにより、企業は顧客の期待に応え、より効果的なマーケティング戦略を立案し、競争力を高めることができます。
顧客分析の目的は、自社と顧客との擦り合わせをすることです。経済や海外情勢の変化につれて、日々、顧客のニーズは変化し、自社と顧客の間で不一致が発生します。正しい顧客分析を経て、この不一致を擦り合わせることで、顧客との信頼関係は高まります。そして、顧客分析を繰り返すことで、競合との差別化を図り、営業戦略を前に進めることができるのです。
顧客分析が重要視される背景としては、以下の2つが挙げられます。
顧客からのヒアリングを基に、顧客分析を繰り返すことで自社サービスの改善に繋げ、顧客満足度をより高めることができます。また、データを幅広く整備・活用することで、顧客の悩みを先に解決ができ、長期的な信頼関係を築くことができます。
顧客分析を行うことで、現状のマーケティング施策が計画通りに進んでいるかを判断できます。例えば、広告コストをかけたのに、実際に成約が結びついたのは口コミからだった等、意図していないアクションで流入が起きたりもします。それでは、広告コストを抑えて、違う戦略を立案したり選択を増やすことができます。
こうした、情報を分析し改善を繰り返すことで、最適なアプローチを顧客に提案できるのです。
また、顧客ターゲットへの進捗状況を可視化できるので、上司は部下に適切なアドバイスを提案できたり、営業業務プロセスの改善にも効果的になります。
顧客分析を行う上では、事前に下記2つの要素について把握しておくことが必要です。
顧客分析の目的として優良顧客の維持・拡大が挙げられます。そのためにはターゲット顧客層を選定し、次のマーケティング施策に活用できる顧客層を相手にする必要があります。優良顧客とフィードバックが得られない顧客との取捨選択を可能にすることで適切なコスト配分が可能になります。
顧客の購買プロセスを把握することで、ターゲット顧客をより理解することが可能になります。適切にアプローチできなければ受注につながりません。日々、顧客の購買プロセスは複雑化し、顧客の心情はどこで変化が起きたのか、決裁者までアプローチが届いているのか等を分析する必要があります。
受注につながらかった原因をしっかりと分析することで、次の顧客ターゲットに対しても最適なアプローチが可能になり受注に繋げることができるのです。
以下では、顧客分析に用いられる主な手法を計16選、ご紹介します。
扱っている商材等によっても分析に適した手法は異なるので、うまく使い分けながら分析を進めていきましょう。
デシル分析とは、顧客の購入履歴データをもとに、購入金額の多い順に10等分して各グループ化を図り分析する手法です。デシルとはラテン語で「10分の1」を意味します。
顧客層別に売上高から構成比を算出することで、どのグループが売上に貢献している優良顧客かを見極め、顧客層別に効果的な販売促進が可能になります。
RFM分析とは、顧客の購買行動に基づいて「Recency=最新購入日」、「購買頻度(Frequency)」、購買金額(monetary)に3つに分類する手法です。
購入金額だけで識別するため、デシル分析よりも考えるべき点が多いのですが最新購買日や購買頻度を考慮するため、詳細な分析ができます。
購買金額が高くて、購買頻度が減少してきた顧客に対し、再アプローチを検討する指針にも活用できます
セグメンテーション分析とは顧客を属性・購入履歴などの「特徴」でグループ分けする手法です。性別や年代、居住地を明確にグループ化を図り分析することで、競合他社と差別化した自社サービスを提供が可能になります。
また、顧客の心理的要因、行動特性についてグループ分けすることで共通のセグメントに特化した戦略が検討・アプローチができます。
行動トレンド分析とは、特定のシーズンに購買を目的としている顧客層をグループ分けすることです。行動トレンド分析を活用し特定のシーズンにおける、購買態度や購買動機を把握することで優良顧客のニーズに沿った商品・サービスを提供できます。
また、顧客のその他の潜在的なニーズを発掘でき課題を解決できる可能性もあります。
コホート分析とは、顧客の「ゆとり世代」「Z世代」など特定ユーザーの行動を指標化し、見込み客の定着率を分析する手法です。例えば、配布したクーポンを使用した顧客を分析しグループ化することで、最近サービスを利用されていないと判断した顧客にクーポンの再配布を行い、定着率を維持できます。このため、コホート分析は長期的に顧客との関係を構築するためには、欠かせない指標になります。
LTV分析とは、顧客生涯価値(Life Time Value)の略語です。顧客が取引を始めてから、一定期間の間に企業にもたらす利益を合計して算出したものを指します。
LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間にて算出できます。
なぜLTV分析が重要かと言うと、商品を売って終わるビジネスモデルになると、収益性も単発的なものになります。顧客分析は自社のサービスのファンになってもらうためであり、継続していただけない顧客に広告コストをかけるのは効率が悪いです。つまり、LTVの数値が高いほど営業と顧客の関係性は強く、収益を生み出しやすいと言えるのです。
CTB分析とは、「Category=カテゴリー」「Taste=テイスト」「B=ブランド」の略です。デシル分析やRFM分析は購買金額で把握していましたが、CTB分析では、より顧客の効用(属性・タイプ)を把握することが可能になります。特にECサイトや小売業で使用されるケースが多いです。
CTB分析を行い、顧客をセグメント化に分けることで効用(属性・タイプ)が近い商品・サービスを提案できることが可能になります。顧客の要望が顕在化する前に、新商品の企画を提案したり、マーケティングの施策を打ち出せるのがCTB分析の特徴になります。
パイプライン分析とは、自社の見込み顧客が辿る営業プロセスをパイプ(水道管)に見立て、管理・分析を行う手法です。各営業プロセスにおける営業担当の行動やマーケティング施策などの定性情報と、経過時間や件数、反応率などの定量情報をそれぞれ可視化することで、営業活動を効率化することができる点が特徴です。
パイプラインは企業によって様々ですが、代表的なものには以下のようなプロセスが考えられます。
・イベント、展示会、セミナー
・問い合わせや資料ダウンロード
・インサイドセールス部門によるフォロー
・初回打ち合わせ
・デモ、見積もり提示
・ナーチャリング
・成約
・カスタマーサクセス
営業パイプラインは単純な一直線ではなく、分岐・立ち止まり・失注(巻き戻り)等を前提とした分析設計が重要となります。
CPM分析はCustomer Portfolio Managementの頭文字をとった言葉であり、<購入回数><購入金額><最終購入日からの経過日数>の3軸から自社の既存顧客を分析する手法です。現状の取引情報から自社の優良顧客を見つけ出すことに適しています。一方で、まだ取引のない顧客の分析は行えないことには注意が必要です。未開拓市場の分析には、取引状況のほかに所在地や興味関心等の属性情報による分析が別途必要になる点は覚えておきましょう。
「マーケットバスケット解析」とも呼ばれることのある「バスケット分析」は、購入商品同士の相関性を特定するための分析手法です。その名の通りバスケット(買い物かご)に同時に入った商品を分析することで商品同士の相関性を可視化します。以下の4つの指標を算出することで相関性を可視化します。
・支持度
支持度 = 商品①と商品②を同時に購入した顧客数 ÷ 全顧客数
・信頼度
信頼度 = 商品①と商品②を同時に購入した顧客数 ÷ 商品①を購入した顧客数
・期待信頼度
期待信頼度 = 商品②を購入した顧客数 ÷ 全顧客数
・リフト値
リフト値=信頼度 ÷ 期待信頼度
3C分析とは、「Customer(顧客、市場)」「Company(自社)」「Competitor(競合)」の分析から自社と顧客を含めた環境分析を行う手法です。3C分析では、客観的な事実や一次情報を集める意識を持つことが重要です。収集する情報の妥当性がそのまま戦略の妥当性につながるため注意が必要です。
BtoB企業においては、自社にとっての3Cと顧客企業にとっての3Cを合わせて6Cの分析を行うことで、自社の営業やマーケティングをとりまく状況が正確に可視化できます。
見込み顧客が、認知から検討、そして実際の購買に至るまでに自社と持つ接点(カスタマージャーニー)を網羅的に把握し、図としてまとめます。自社と顧客が関わるすべてのタッチポイントを包括的に管理することで、複数の部門にまたがるマーケティング・営業施策の最適化ができることが特徴です。
自社を取り巻く環境を、強み(内部環境×メリット)・弱み(内部環境×デメリット)・機会(外部環境×メリット)、脅威(外聞環境×デメリット)の4つの面から整理する手法です。自社に目線を置き換えることで顧客が受け取っている(自社が提供している)サービスの状況を可視化できます。整理した状況をもとにマーケティング施策や経営戦略を立てていくことで、自社事業を最適化します。
ペルソナ分析は、製品開発やマーケティング戦略を考えるために、ターゲット顧客を具体的な架空の人物(ペルソナ)として設定し、その視点から分析を行う手法です。この分析には、顧客データの詳細な収集、ペルソナの作成、そのニーズと目標の理解、そして製品開発やマーケティング戦略の策定とペルソナの定期的な更新というステップが含まれます。
顧客の属性情報や行動データ、そして意見やフィードバックを可能な限り詳細に収集することは、見逃されがちですがとても重要なステップです。こららの情報が具体的なペルソナを設定するための基礎となります。
AIDMAは顧客の購買行動における心理的なプロセスを表現したものです。それぞれの文字は以下のフェーズを表しています:
A (Attention): まず商品やサービスが消費者の注目を引くこと。広告や宣伝により、消費者に対して商品やサービスの存在を知らせることです。
I (Interest): 消費者が商品やサービスに興味を持つこと。商品やサービスの特徴、利点、使い方などの情報を提供し、消費者の興味や関心を喚起します。
D (Desire): 消費者が商品やサービスを欲しがる、つまり欲求を持つこと。興味や関心が深まると、消費者はその商品やサービスを手に入れたいと感じ始めます。
M (Memory): 消費者が商品やサービスを記憶に残すこと。消費者が商品やサービスを購入するか否かを決定する前や、購入後もその商品やサービスを覚えていることが重要です。
A (Action): 最終的に消費者が商品やサービスを購入する行動を取ること。ここまでのフェーズを経て、消費者は具体的な購買行動に移行します。
それぞれのフェーズに適したアプローチを行うことで、消費者の購買行動を促進することができます。
データから類似性や関連性を見つけ出し、同じ特徴を持つデータを一つのグループ(クラスター)にまとめるための分析手法です。マーケティングにおいては、顧客のセグメンテーションやターゲットマーケティング戦略の立案に活用されます。
代表的なクラスターの作り方(クラスタリング手法)は、K-meansクラスタリング、階層的クラスタリングなどがあります。
顧客分析を行い、売上の向上や市場の認知度を上げるためには適切なデータの構築が不可欠になります。データの蓄積、連携のためにはSFAやCRMといったツールを利用することがおすすめです。
参考記事:
CRMとは?メリットや導入手順、CRMツールの選び方を紹介▶
SFA(営業支援システム)とは?基本機能や導入方法、定着のポイントを解説!▶
しかしながら、ツール導入だけでは入力の不備や重複登録といった「データの問題」は解決できません。 入力を行う社員担当者に共通ルールを徹底させるのも現実的ではありません。
顧客分析を成功させるためには、既存データの整備とデータ入力を最適化する仕組みづくりという視点が欠かせません。
この視点は多くの方が見逃す、もしくは気づいていも見て見ぬふりをされることが多いです。
その理由は、「どこから手をつけたらいいのかわからない」これに尽きると思います。
顧客データ統合ソリューション「ユーソナー」なら、1990年代から蓄積した日本最大級の企業データベースと整備のナレッジで「データの問題」解決を支援します。CRM/SFAとの連携することで営業活動の効率化も可能です。
分析を始める前にデータ整備という観点から、社内のデータを見直しませんか?
顧客分析は、企業の成長と顧客満足度の向上に欠かせない要素の1つです。ターゲット顧客層の明確化や購買プロセスの理解を進め、様々な分析手法を駆使することで、最適な営業・マーケティング施策を立案できます。さらに、CRMやSFAツールを活用してデータ構築を実施することで、より適切な分析が可能となります。顧客により大きな付加価値を提供するための第一歩として、顧客分析を積極的に取り入れていきましょう。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
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