- データ活用
- 営業戦略
営業DXのメリット3つ!データ活用方法や成果を上げるポイントを解説
更新日: 2024年4月22日
Go To Market戦略を進めていくために必要なテクノロジーは多岐にわたります。
営業DXを実現しつつマーケティングも効率化していくためには、さまざまなツールを使用しながら統合データを作ることが必要です。
特にGo To Market戦略における統合データを作成するためには、自社が保有する「ファーストパーティーデータ」と外部事業者が提供する「サードパーティーデータ」の両方を対象とすることが必要と言われています。また、社内のあらゆる部署の担当者が最新のデータにアクセスしやすい環境を提供することを求められます。
この記事では様々な企業データを管理・可視化することになった担当者の方々向けに、データ活用における必要な処理やデータ活用の障壁になりやすい課題について解説します。
目次
統合データを作ることで、企業は適切なSTP分析(※1)をもとに効率的なマーケティング施策を実行するだけでなく、顧客ステータスに沿った営業アプローチを実施し、リテンション施策を行うための情報を管理することができます。
ただし困ったことに、データは必ずしも「きれいな状態」で収集できるものではありません。 企業データ(社名)を例にとっても、
データを扱いやすくするために必要な作業は「整理」「峻別」「更新」です。 先ほどの企業名の例における具体的なプロセスの場合、下図のような作業が発生し続けます。
※1: Segmentation/Targeting/Positioningの略。マーケティングにおける代表的なフレームワークのひとつ。
※2: 参照URL
総務省が2020年に行った「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究」の結果(※3)を読み解くと、多くのB2B企業が「予測」や「AI活用」といった統合データの活用施策に取り組めておらず、B2B企業おけるデータ活用は欠陥のある情報を統合せずに使い続けている状況であることが推察できます。
このような状況を生み出す原因は多くの企業に共通しており、「データ活用の課題」と言われています。
具体的には以下4つの項目です。
自社が収集/保有するデータの全てが正しいと思ってしまうと、データ活用は頓挫してしまいます。社名の例で記したように、古くなってしまった情報や不正確な情報が混在しているという視点に立つことが必要です。
自社が保有するデータの中から必要なものと不要なものを区別する管理体系を作ることで、データ品質を向上させ、より素早く、的確な意思決定を行う体制を作ることができます。
米国ではデータ品質が悪いことによる企業の年間平均損失額が1,000万ドルに及ぶと言われており(※4)、テクノロジーを駆使したデータ品質管理の考え方が浸透しました。
日本においてもデータ品質管理は企業の重要な対応項目とされており、政府CIOからガイドブック(ベータ版)が公開されました(※5)。しかし、データ品質管理は複雑なツール導入やワークフロー刷新といった大きな変革と抵抗を伴うものになるため、多くの日本企業は思うように進められていないのが現状です。
データ品質を高めることによる良い影響は他にもあります。それは「データの完全性」をより担保できるということです。特にサードパーティーデータを用いてより多くの情報を付加するといった「データの補強」を行う際に、最新かつ表記揺れがない、高品質のデータを用意できることは大きなメリットとなります。
サードパーティーデータを提供する事業者のほとんどは、データの更新性に優れています。それは裏を返すと古いデータや誤った表記のデータはすぐにデータベース上から取り除かれているということです。
また、サードパーティーデータも完璧ではありません。更新性に強みを持たせる代わりに網羅性が少ない事業者も存在します。特定の条件(例えば上場企業限定や業種特化型)で最新のデータを提供する事業者のデータを最大限活用するには、受け取る方も正確なデータを保持しておくことが重要となります。
正確なデータを保持するためには、標準となるデータのフォーマットを整備することが必要です。これにより、どのような形式でデータを収集/保有するかというルールが共通化されます。また、フォーマットの中から自社単独で収集できる部分(と、データが欠損してしまう部分)を可視化させておくことで、どのような補強データが必要になるかを把握することも重要です。
蓄積する環境だけ整えても、データ活用の準備が整ったとは言えません。
冒頭にも記載した通り、集めたデータを容易に参照できる環境を整備する必要があります。
一定の参照ルールを規定し、ルールに沿った利用方法を社内の全員が遵守することで、営業部とマーケティング部のリソースを最大限活用しながら案件獲得や顧客満足度向上に向けた協業を行い、自社の収益を最大化することができます。
具体的には、社内外から集めた高品質なデータから「理想的な顧客像」「見込み度の高い顧客」「企業属性の類似性が高い顧客」といった条件で企業リストを抽出し、直近の行動データ(興味関心)や発信内容(ニュース)を見つつ、今アプローチすべき対象をさらに絞り込んでいくといった活動を協業することができます。
データを参照する環境には、スピード感が求められます。
「データは簡単に抽出できました」「ただしそれは2週間前の情報でした」では顧客の期待を超えたアプローチをすることはできません。
データを使ったリスト化は営業部やマーケティング部が主導するものの、アナログなやり方では彼らが鮮度の高いデータを扱うことはできません。
そこで必要となってくるのがクラウドベースのデータ活用ソリューションです。クラウドは更新データの反映や抽出のスピードが強みであり、複数の人が同時に作業することを可能とします。また、個別の利用者ごとに設定を保存しておけるため、ルーティーンワークの省力化と効率化にも繋がります。
実際に顧客接点を作り管理するMAやCRMといったツールとのデータ連携もスムーズに行うことができるという点で、特にIT部と営業・マーケの間でのやり取りをスピーディーに進行することができるという副次的なメリットもあります。
「データ活用の課題」をすべて解決するには自社内のデータ整備だけではなくサードパーティーデータの提供元をどのような基準で選定するかが重要です。「更新性」と「網羅性」を兼ね備え、MAやCRMとの連携実績が豊富なクラウドサービスが望ましいでしょう。
ファーストパーティーデータとサードパーティーデータを最大限活用するために重要とされていることは下記の通りです。
こちらの記事もおすすめ:データドリブンな営業戦略策定に欠かせない「TAM」とは?
こちらの記事もおすすめ:データドリブンにTAM/SAM/SOMを可視化する「sideSonar」
自社単独でどのようなデータを集めることができるのかを一覧化し、その集め方に一定の秩序や規則性を設けることで自社の営業活動やマーケティングの省力化を図っていくことができます。
また、他者とのアライアンスやデータ提供事業者との取り組みによって企業活動の意思決定をスピードアップさせることが、DX時代における企業の収益性を向上させることに繋がります。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
ユーソナーは業種・業界問わず
様々な企業において活用いただいております。
ITreview Grid Award 2024 fall
リーダー認定4部門