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【5分でわかる】CRMマーケティングとは?分析施策やメリットをわかりやすく紹介
更新日: 2024年4月22日
CRM戦略は、顧客データを詳細に分析して行うマーケティング戦略です。データに基づいたビジネス展開で企業の売上促進、利益増加を目指す事が出来る効果的なマーケティング戦略として、現在では多くの企業でCRM(顧客管理システム)の導入が進められています。この記事では、CRM戦略について、そのメリットや推進方法から導入時の注意点、ツールの選び方までを解説します。
目次
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CRM(カスタマー・リレーション・マネジメント)は、日本語では「顧客関係管理」と呼ばれます。CRM戦略とは、顧客とのよい関係性を維持・管理し、継続的な売上の発生につなげて、利益を確保するための企業戦略を指します。 現代ではよく似た製品やサービスが存在するケースも多く、他社との競争が激しい市場においては、新規の顧客を集めるだけでは売上高の維持向上が難しい場合もあります。そのため、新規顧客だけではなく、継続的に購入してもらえるリピーターを獲得することが重要です。CRM戦略は、顧客と良好な関係を築くために顧客一人ひとりに対して適切なアプローチを行うマーケティング活動として取り入れる必要があります。
CRM戦略には、「ニーズを深く把握できる」、「データに基づきビジネスを展開できる」、「顧客に合ったアプローチが展開できる」など、さまざまなメリットがあります。CRM戦略を実施することにより、顧客との関係性を中心にした効果的なマーケティング展開が可能になります。
CRM戦略を取り入れると、顧客のニーズを深いレベルで把握できます。顧客のニーズは、行動に表れているため表面的にわかるものと、表面的にはわかりにくいものがあります。潜在的な顧客ニーズは、本人も自覚できていない場合があるため把握するのは簡単ではありません。 表面的にわかるニーズは競合他社も把握している為、そうしたニーズへの対応だけでは他社との差別化にはつながりません。CRM戦略を取り入れた場合、顧客の購入履歴やWebサイト上での行動、属性などのデータを分析した結果から、本人でさえ気づいていない潜在的なニーズまで把握可能です。顧客ごとの潜在的なニーズを把握できれば、他社とは違う側面から顧客に働きかけることができます。
これまでの営業やマーケティングは、営業担当者の経験やスキルなどに頼る方法で行われていました。ところが現代では、社内で収集・管理しているさまざまなデータを活用して行う「データドリブン」なビジネス展開の重要性が注目されています。営業担当者個人の知識や経験のみでは、顧客について部分的なデータしかわかりません。対して、社内に蓄積されているデータでは、これまで収集できた顧客の業種や業態、組織構成などの属性データのみならず、商品の購買データ、クレームに関する情報などが含まれています。 CRM戦略を取り入れた場合、この顧客のあらゆるデータを一元管理して分析を行います。過去の膨大なデータを活用して購買傾向を分析することで、顧客のニーズを高い確度で把握できます。データ分析の結果を基に判断可能になると、マーケティング施策の方向性を決める際に個人のスキルやカンに頼る必要もなくなります。蓄積している膨大なデータを使った確実な分析結果を基に判断できるため、効率よくマーケティング活動を行えます。
上述のとおり顧客データからニーズを深く把握できるCRM戦略を取り入れることで、顧客一人ひとりに寄り添ったアプローチにも活用が可能です。顧客個人の属性や、利用・アフターサービスなどの履歴を深堀りして分析すると、顧客が求めているもの、要望まで把握できます。 顧客データからは、大人数のデータからその傾向を分析するだけでなく、個人データを詳細な部分まで確認して分析できます。個人の履歴データの分析により、顧客の詳細なニーズが把握できれば、顧客個人が求めている商品・サービスを絞り込んでカスタマイズした提案ができ、最適なアプローチが可能です。顧客の履歴データはアプローチだけでなく、サポート対応などの参考としても活用できます。
顧客満足度は「LTV(Life Time Value):顧客生涯価値」の向上につながるとされ、多くの企業が重要視している項目です。新規顧客に対して商品・サービスの販売を行うためには、すでに商品の購入実績があるリピーターに対して広告などでアプローチするよりも多くのコストがかかるとされています。顧客満足度が高い状態のリピーターへはコストをかけずにアプローチできるため、売上向上を効率化できます。 CRMを活用すると、顧客情報をシステム上で一元管理してマーケティング、営業、カスタマーサポートなどの各部門での情報共有が可能です。顧客へのアプローチから購入商品・サービスの内容、サポート対応といったさまざまな履歴をどの部門からでも確認・修正・蓄積ができます。個人別の蓄積されたデータを基にして、最適なアプローチやキャンペーンなどの施策によって顧客を育成していくことで、顧客満足度の改善が期待できます。
CRM戦略を進めるには、目標・目的を確認してからターゲットを設定し、カスタマージャーニーを設計するなどの手順で行います。ツールの導入後には、KPIの検討と成果の確認まで実施して完了です。
まずは、CRM戦略により何を達成したいのかをはっきりと決めておくことが大切です。CRM戦略がなぜ必要なのか、解決したい現状の課題を考慮して、現実との差を明確にしながら目標を確認していきます。目標は「利益向上」などの大まかな目標ではなく、より具体化する必要があります。たとえば、「リピーターの育成や囲い込みによって利益向上を目指す」ことを目的とする場合は、「休眠顧客の掘り起こし」や「既存顧客のロイヤルカスタマー化」など、より細部に落としこんだレベルで目標を明確化する必要があります。定量的な目標として、受注金額や顧客数、顧客単価などの数値や具体的な解決策とその程度まで設定することが重要です。目標を達成するため、その内容は特定の部門以外にも共有する必要があります。決定した目標を幅広く関係部署で共有、周知徹底することにより、各部署で連携をとりながら目標に向けて行動できます。
次に、自社がターゲットとする顧客について設定します。ターゲットを設定すると、積極的にコミュニケーションをとっていくべき相手を絞り込めるため、顧客との関係性をより深く構築できます。顧客との関係性を向上させるCRMの活用効果を高めるには、顧客一人ひとりを意識して施策を策定する必要があります。 ターゲットは、自社のサービス・商品を利用した人の情報を基にして設定するのがおすすめです。業種や業態、事業所の所在地といった属性から、組織構成、具体的な業務内容、経営状態などを細かくセグメントしてターゲットを設定し、顧客像とするペルソナも設定します。ペルソナを活用して顧客のニーズを明確にするための分析を実施し、分析結果に応じた効果的な施策の策定につなげていきます。
ターゲット設定後には、顧客の行動や考え方などを視覚化したカスタマージャーニーを設計します。カスタマージャーニーマップを作成する場合には、顧客が商品・サービスと接点を持って商品を「認知」してから、購入する商品の「比較検討」を行う、「購入する」など、ユーザーがとる行動をフェーズごとに分けて考えます。フェーズごとにその時々の考えや心情の変化をフレームワークに入れ込んでいくと 、全体の流れを一覧で把握できるカスタマージャーニーマップの完成です。 マップによりフェーズごとの顧客の行動や考え方が可視化されると、どの場面でどういったアプローチが有効かを適切に判断しやすくなります。カスタマージャーニーの設計は、マーケティング施策の立案や見直しの効率化に役立ちます。
CRM戦略はツールを活用して進めるのが効果的です。顧客のデータを蓄積し、一元管理・分析できるCRMツールを導入してCRM戦略を推進します。CRMツールの導入には初期費用、ランニングコストなどのコストがかかりますが、顧客管理をマーケティング施策の策定に活用するためにはツールの導入が欠かせません。 ツールを使用すると、顧客データに関して部門横断的な情報共有ができます。これまでマーケティング部、営業部、カスタマーサービスなど、各部門で別々の情報を保有していたなど、各部門で保有している顧客情報がバラバラになっている企業の場合は、いつでも最新のデータを共有、確認できるCRMツールの導入がさまざまなメリットにつながります。 顧客の購買履歴から、顧客ごとに行われていた営業活動、購入後のアフターフォローのデータまで、これまで各部門に属していたデータでも、CRMツールを活用するとすぐに確認可能です。CRMツール利用時の注意点や詳しい選び方については別途掘り下げて後述します。
CRMツールを決定したあとには、KPI(重要業績評価指標)の設定を行います。CRMツール導入の効果がでているかを数値で確認するために、KPIを設定する必要があります。KPIには、「購入ページへの流入数」「商談数」「見込み客のCVR」「受注数」「顧客単価」「リピート率」などがあります。最適なKPIは事業の内容によって異なるため、自社の事業に合うKPIを事前に設定しておいた目標と照合して適切に設定することが大切です。
設定したKPIの数値は、CRM戦略の成果が上がっているかどうかを確認するための分析に活用します。ダッシュボード機能やレポート機能など、CRMツールの機能を用いてKPIの分析結果を定期的に確認できる状態に設定しておくと、重要な成果の確認が楽に行えます。 CRM戦略では、目的に向けてどれだけ達成されているかを把握するために、施策の検証や改善の実施も必要です。成果の確認を施策の検証にも役立てながら施策の効果を検証、改善を行うPDCAサイクルを回していくと、効率的に成果をあげられます。
CRM戦略のツールは、導入してからすぐ利益が向上するなどの効果が出るとは限りません。CRM戦略のツールを使用した場合には、さまざまな顧客情報の蓄積や修正、活用が可能になります。ツールを活用すると顧客データの分析が簡単に行えるため、長期的に何度もデータの分析を行い、施策の達成状況を確認していくことが大切です。ツールを導入してからは、顧客との関係性を高めるために必要な施策を改善しながら長く続けていくことで、徐々にその効果が上がる場合もあります。 CRMツールを戦略的に活用するためには、顧客データを適切に収集・蓄積していなければなりません。各企業の現場によっては、顧客データの入力を簡素化するために業種や業態、事業所の住所など、顧客の基本となるデータさえも蓄積できていない場合もあります。データが不足している場合には、自社データからの分析が難しいケースもあります。自社データが少ない場合には、「ユーソナー」のような情報付与機能がついたデータベースを活用すると、不足している情報を補うことが可能です。 CRMツールを導入した場合、ITツールの使用が苦手な従業員への定着が難しいケースもあるかもしれません。苦手な従業員からはツールの使用に対する反発が出る場合もあるため、CRMを導入する際にはその重要性やメリットを社内に通知しておくことが大切です。ツールの使用方法で困らないために、研修も実施する必要があります。
CRM戦略のツールを選ぶ際には、ツールの機能、操作感、連携性、サポート体制などに注意が必要です。機能や操作感などひとつのポイントに着目して選ぶのではなく、さまざまな観点から自社で必要な基準が満たされているものを選びます。
CRMツールには、案件管理、スケジュール管理、顧客情報管理、顧客分析、マーケティング支援などの機能があります。ツールによって搭載している機能やその詳細は異なるため、自社にどの機能が必要かを事前に確認しておくことが大切です。顧客分析には自動でレポートを作成する機能があるものもあり、ターゲット層を自動で抽出してマーケティング支援を行う機能を搭載したものもあります。複数のツールを比較検討しながら、自社の課題改善や目的の達成が実現できる機能が備わっているツールを選びます。
ツールを選ぶ際には、その操作感にも注意しなければなりません。たとえ機能が充実していても、ツールの使い方が難しい場合には実際に現場で活用されないかもしれません。操作方法を覚えるための現場の負担も大きくなります。 操作しやすいツールの場合、従業員が使いやすくなり現場への定着もスムーズです。多くのCRMツールに「無料トライアル版」などが用意されているため、一度使用感を確認してから選ぶのがおすすめです。
CRMツールは、外部ツールと連携させることでより業務を効率化できます。顧客情報は各部門で最新の情報を共有することが重要です。現在自社で運用している他ツールと連携が取れる場合は、これまでのツールのデータもそのまま分析などに活用できます。一方、既存のデータとの連携が難しい場合には、データを使用するたびにCSVファイルなどに変換して取り込む面倒な作業が必要になるかもしれません。業務効率化のためには、連携性を確認してから選ぶことが大切です。
CRMツールは、導入してから長く利用していく重要なツールです。操作方法などに不明な点がある際には、サポートに確認するケースもよくあります。サポート体制が充実しているツールだと、操作方法や疑問点、活用方法などの質問に回答して解決してもらえるためおすすめです。サポートが有料になっているタイプもありますが、料金が高額でない場合にはサポートを依頼しておくと安心です。
CRM戦略とは、顧客との関係性を高め、管理して継続的な売上の発生につなげる戦略です。SFA/CRM等各種ツールと国内最大級の企業データベース「ユーソナー」を導入すると、顧客データを整備、メンテナンスでき、社内でのスピーディーな情報共有が可能になります。ツールの利用により情報共有がスムーズに行われると、部門間で連携をとりながらCRM戦略への取り組みを効率的に行えるでしょう。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
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