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【DXの本質 vol. 2】顧客データを入り口から整備することがDXの近道

更新日: 2021年4月15日

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「市場開拓」における
データ活用の実態とは?

企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させるためには、データの整備が重要なステップです。ユーソナーが提唱する「NICE」は、データを整備し活用するための効果的な手法として注目されています。

本記事では、「NICE」の具体的な活用事例を紹介し、名刺などの顧客データを入り口から整備してDXを推進する方法を解説します。ぜひ最後までお読みください。※本記事は4回連載の第2回です

ー「NICE」について詳しく解説した記事はこちらー
【DXの本質 vol. 1】DXできない企業の「データ」という意外な盲点▶

目次

DXを実現するための順序とデータの重要性

DXを実現するためには、以下の3つのステップがあります。これらのステップを名刺などの顧客データを例に解説します。

ステップ1:デジタイゼーション(Digitization)

紙の伝票や名刺などの情報をデータ化し、デジタル情報として扱えるようにします。紙の名刺をデジタルデータに変換することで、多くの名刺を効率的に管理でき、働き方改革の加速にもつながります。

ステップ2:デジタライゼーション(Digitalization)

デジタル技術を導入し、業務プロセスを効率化・変換することで、コスト削減や付加価値向上を実現します。例えば、名刺データを手作業でデジタル化するのではなく、光学文字認識システム(OCR)を活用することで、人件費を削減しつつスムーズにデータ保存が可能です。さらに、業種や売上高などの企業属性情報を付加することで、多様な軸での集計や分析が可能となり、ビジネス戦略にも役立ちます。ユーソナーが提唱する「NICE」は、このプロセスを支援する重要な方法です。

ステップ3:デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)

デジタルデータを基にデジタル技術を導入し、新しいサービスやビジネスモデルを生み出します。例えば、名刺データをCRMやMAシステムなどと統合し、全社で共通して活用できるデータ基盤を構築することで、顧客体験価値(CX)を最大化し、新たな競争力を得ることができます。

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データを集めるだけではDXは実現できない

DXにはデジタルデータの重要性が不可欠です。しかし、データ活用には多くの課題があります。例えば、営業部門は受発注業務を優先し、データ登録に多くの時間を割くことを嫌う一方、マーケティング部門は詳細なデータを求めるなど、部門ごとに異なる課題があります。こうした矛盾が企業内に存在することが、データ活用の大きな壁となっています。

DXを進めるためには、業務システム間の連携が必要ですが、その連携の鍵を握るのがデータです。データが正しく整備されていないと、システム連携はスムーズにいきません。まずはデータを入力する段階から整備することが重要です。ユーソナーが支援した具体的なDX事例を見ていきましょう。

DX事例:ソフトウェア会社

某ソフトウェア会社では、FAQ管理システムなどを開発・提供しており、顧客管理のためにDynamics 365を導入しています。セミナーや展示会で集めた名刺をデータ化しても、表記ゆれや社名変更などでデータが重複し、顧客への二重アプローチを引き起こす問題に直面していました。例えば、同じ顧客企業に対して異なる部署が重複してアプローチを行うことで、顧客の混乱や不信感を招くケースもあったのです。

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この課題を解決するため、同社では「ユーソナー(uSonar)」と「mソナー」を導入し、自動で名寄せと一元管理を実現しました。これにより、名刺データは即座に整理され、Dynamics 365内で一貫した情報として活用されるようになりました。その結果、データ整備にかかる時間が大幅に短縮され、セミナーやイベントで得たリードに対して迅速にアプローチできるようになり、商機を逃すことがなくなりました。結果として、セグメント可能な企業数が4倍に増加し、受注数も1.25倍となる成果が得られました。このプロセスは営業部とマーケティング部の両方に恩恵をもたらし、社内の業務フローも改善されました。

「ダークデータ」がDXを阻害する

企業が蓄積するデータの中で、活用されず放置される「ダークデータ」もDXの大きな障害です。「ダークデータ」は、古くなった情報、重複データ、あるいは正確性が低く活用しづらいデータを指します。時間と共にデータは陳腐化し、価値を失っていきます。放置されたダークデータはストレージコストを増加させ、意思決定や顧客対応の際に誤情報を提供することで重大なリスクを引き起こします。

また、ダークデータの存在はセキュリティリスクを伴います。整備されていないデータは情報漏洩のリスクを高め、企業のブランドイメージの低下や法的な問題を引き起こす可能性があります。そのため、データの質を維持し、定期的に整備・見直しを行うことが必要です。

「ダークデータ」を有効活用するためには、ROD(Return On Data)の概念を導入することが有効です。RODは、単にデータを保存するだけでなく、そのデータの価値を最大限に引き出し、ビジネスの成果に結びつける考え方です。これを実現するためには、「標準化」「一元化」「補正」「属性付与」、つまり「NICE」の徹底が重要です。これにより、データの品質が保たれ、DX推進の基盤が強化されます。

企業は「NICE」のプロセスを活用し、データを整理・統合することで「ダークデータ」の発生を防ぎ、情報資産を最大限に活用できる環境を整えることができます。

まとめ

DXを成功させるためには、単にデジタル技術を導入するだけではなく、データの質と整備が非常に重要です。顧客データを「NICE」のプロセスで整備し、活用することで、企業は業務効率の向上や新たなビジネスチャンスの創出を実現できます。

また、ダークデータを適切に管理し、ROD(Return On Data)の考え方を取り入れることで、データが持つ潜在的な価値を最大限に引き出し、持続的なDX推進が可能になります。企業はデータの整備を積極的に行い、変革のための基盤を強固にすることが求められます。

次回記事

【DXの本質】は、全4回のシリーズ企画です。
次回記事は、こちらからご覧いただけます。

【DXの本質 vol. 3】顧客データを入り口から整備することがDXの近道▶

この記事を書いた人

uSonar

ユーソナー編集部

MXグループ・編集長

ユーソナー編集部です。
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