- デジタルマーケティング
インテントマーケティングとは?BtoB企業が行うべき理由と課題感を解説
更新日: 2026年1月15日
こんにちは。ユーソナー マーケティング担当の稲富です!
今回は、2025年11月5日に開催したユーソナー株式会社と日本トータルテレマーケティング株式会社による共催セミナーのレポートをお届けします。
第一部ではユーソナー社の戸崎が「アポイント率・契約率を高める為の興味/関心データ(インテントデータ)活用法」について、第二部では日本トータルテレマーケティング社の張氏が「インテントデータで変わるB2B営業 ~インサイドセールスの成果を最大化する最新アプローチ~」について講演を行いました。
本セミナーでは、新規開拓営業における課題解決の手段として、インテントデータの活用による営業効率の向上と実例に基づいた具体的なアプローチ方法を紹介しました。
目次

日本トータルテレマーケティング株式会社
事業開発本部 インサイドセールス部 部長
張 一彦氏
約15年間にわたり、コンタクトセンター事業に従事。特にアウトバウンド業務において豊富な経験を持ち、BtoBおよびBtoCの新規事業立ち上げに携わる。前期まではアウトバウンドの統括責任者として事業拡大に貢献し、現在はインサイドセールスに特化したチームを率いている。

ユーソナー株式会社
営業本部 セールスイネーブルメントグループ マーケチーム マスター
戸崎 拓也
広告代理店、機械メーカーの営業を経て、2015年にユーソナー株式会社に入社。イベントマーケティング、デジタルマーケティングに従事。500件を超えるイベントの企画、運営を行う。インサイドセールス、カスタマーサクセスの立ち上げにも参画し、その知見から横断的なマーケティング施策を実施している。
戸崎は、新規開拓営業の現場でよくある課題として、①新規アポイントが取れない、②商談しても「検討します」で終わり、受注に結びつかないという2つの課題を挙げました。
こうした課題の背景には、ニーズがない顧客に対してアプローチしていることが大きな原因がある、と指摘します。
例えば、「年商50億円以上で東京にある建設業の会社」といった従来のターゲティング手法だと、ターゲットは絞られるためトークスクリプトを尖らせることはできるが、問題点もあると述べました。
第一に、相手企業のニーズが不明確であるという点です。自社が売りたい相手をリストアップしているだけで、実際のニーズや購買タイミングが見えていないのです。
第二に、競争が激しいという点です。競合他社も同じようなターゲティングをしているため、同一企業への営業が集中し、結果として「早い者競争」や「価格競争」に陥るという課題があります。
戸崎は、ガートナー社の調査レポートを引用し、購買側の行動を理解することが重要であると強調しました。
(引用:Win More B2B Sales Deals|Gartner, Inc.)
B2Bバイヤーが製品・サービスを導入する場合のプロセス分析によると、以下のような時間配分が明らかになっています。
商談(売り手側との接触)は17%程度であり、複数社との比較検討を考えると、1社あたりは5~6%程度に低下します。一方、オンラインでの情報収集は27%に上ります。これは記事やメディア、メーカーサイトなど、購買側が主導的に情報を収集する段階です。
このデータは、購買側が商談よりもはるかに多くの時間をオンライン上での情報収集に費やしていることを示しています。つまり、この情報収集段階での動きをキャッチすることが、非常に重要なのです。
インテントデータは、顧客の購買意欲や関心の兆しを示す行動データです。戸崎は、これを「興味/関心データ」と呼び、特にウェブ上での行動データに焦点を当てて解説しました。
インテントデータの種類は大きく2つに分類されます。
一つ目がファーストパーティーデータで、これは自社が直接収集するデータです。ユーソナーでは「ライブアクセス」というサービスを提供しており、自社サイトにアクセスしてきた企業を特定します。企業の固定IP情報を活用して、ウェブサイト訪問企業を可視化するものです。「ライブアクセス」では、訪問したページの階層によって、興味の度合いを把握することができます。
例えば、単純なサービスページ訪問から価格ページ訪問、さらに比較ページ訪問と段階が進むにつれ、検討度合いが高まっていると推測できます。
二つ目がサードパーティーデータで、これは第三者、特にメディアのアクセスログから収集したデータです。ユーソナーでは「興味シグナル」というサービスとして提供しています。特定のキーワードを設定すると、外部メディアでのページ閲覧行動をもとにキーワードに興味を持つ企業を抽出することができます。
自社サイトをまだ訪問していない・自社サービスを認知してくれていない企業であっても、カテゴリーに興味を持っていることはわかるので、潜在顧客として発掘することが可能になります。
戸崎はインテントデータの活用事例として、クラウド会計ソフトを提供する企業が実践した「興味シグナル」と「ライブアクセス」の両方をかけ合わせたターゲティングを紹介しました。
この企業では特定のキーワードで抽出した企業リストに対し、自社サイトのアクセスもある企業で絞り込んだリストを作成したところ、従来までのターゲティングと比べて、アポ獲得率が約3倍に向上しました。
単なるターゲティングではなく、顧客の購買シグナルが見られる企業に絞ることで、営業効率が劇的に改善されることを示しています。
日本トータルテレマーケティング社の張氏は、B2B営業の現場で起きている課題を4点にまとめました。
一つ目がリードの質が低下していることで、問い合わせはあるが商談に至らないという課題です。二つ目がアプローチのタイミングが合わないことで、検討フェーズが読めず空振りが多いというものです。三つ目が営業活動の属人化で、成果が特定の営業に偏りがちになるというものです。四つ目がインサイドセールスの活用が不十分であることで、本来の効率的な分業が機能していないケースも多くあります。
張氏はこういった課題に対して、顧客の購買意欲や関心の兆しを示すインテントデータが効くと話します。
ウェブでの製品比較や資料ダウンロードの行動は検討フェーズに入っている可能性が高く、こうした兆しを捉えることで営業のタイミングや優先度を最適化できることがインテントデータ活用の最大の価値になります。
ここからは日本トータルテレマーケティング社での実例を成果も含めて紹介されました。
商材:「アカルイミライ」(健康サポートサービス)
「アカルイミライ」は、従業員の健康促進を目的とした包括的なサービスで、健康診断の結果からのリスク予測、食事管理アプリの提供、ウォーキングイベントの企画運営など、多面的なアプローチで従業員の健康をサポートしています。
張氏が指摘したのは、このようなニッチな健康経営サービスは、ターゲット設定が非常に難しいという点です。健康経営の取り組みが注目されることも多くあり、どの企業もこういったサービスの対象になり得る反面、導入するにはまだまだニッチな土壌であるという課題がありました。
自社内での従来的なターゲティングでは、業種や規模での絞り込みを行っており、例としては運送・運輸業界に絞ってアプローチを行っていました。ドライバーなど体を酷使する職業を持つ企業であれば、健康管理の必要性が相対的に高いだろうという推測に基づき活動をしていたと張氏は振り返りました。
ここで転換をもたらしたのが、ユーソナーの「興味シグナル」の活用でした。健康経営に関連する5つの特定キーワードを設定し、これらのキーワードでウェブページを閲覧している企業を抽出しました。
このアプローチの本質は、業界や規模といった静的な企業属性ではなく、実際にそのテーマに関心を示している企業を選別するという転換です。つまり、顕在化したニーズが存在する確率が高い企業に絞った営業ができるようになったのです。
結果として、従来の自社ターゲティングでは商談獲得率が1.04%でしたが、興味シグナルで抽出したリストでは1.24%となり、約120%の向上が実現しました。
また、営業成果につながる4つの要素が見えてきたといいます。まずはアプローチ対象がホットリードに絞られることで、一件当たりの営業効率が劇的に改善され、成約率も向上しました。
次に再現性のある営業プロセスが構築できたこと、さらに顧客のニーズが把握できるようになることでキーワードから逆引き的に興味のある業界もわかるようになるケースがあると話します。
そして、仮説ではなく客観的なデータに基づく営業活動ができるようになり、根拠を持ったアタックができるようになったことも強みになっています。
商材:「アカルイミライ」(健康サポートサービス)
ライブアクセスは、興味シグナルと異なり、自社サイトに訪問してきた企業をターゲットにしています。
従来は自社サイトで資料をダウンロードした企業、つまりフォームを入力している企業など、かなり検討が進んだ段階の企業のみにアプローチしていました。 これに対し、ライブアクセスでは資料ダウンロードという具体的なアクションの一歩手前の情報収集段階にいる企業を抽出することが可能です。
確かに資料ダウンロードをされている企業はニーズが顕在化していることもあり、リードとしては非常にホットだが、件数としては多くはありません。しかし、ライブアクセスであれば、ターゲットとなりうる企業が情報収集している潜在ニーズの段階でリスト化できるという利点がありました。
また、運用のポイントとして、張氏は3時間ごとのデータ抽出と即時アプローチを強調しました。閲覧履歴が蓄積されていく中で、1日、2日寝かせてしまうのと即時アタックではどちらが効果的かと考え、日本トータルテレマーケティング社では3時間ごとにライブアクセスのデータを抽出し、新たに抽出されたホットリードはインサイドセールスチームに即座に割り当てるという体制を敷いているといいます。
結果として、従来の新規開拓では商談獲得率が1.04%だったのに対し、ライブアクセスでは2.64%という従来比で2.5倍以上の成果を達成しました。
張氏は、インテントデータが成果につながる理由について、2つの重要な要素を挙げました。
一つ目が有効なデータの取得です。自社と外部サービスの両者から、多角的なインテントデータを取得することが重要で、これにより複数の視点から顧客の購買意欲を捉えることができます。
二つ目に、適切な運用方法があります。データを取得しても、それをどのように営業活動に生かすかという運用方法が重要と話しました。
長らくB2B営業支援サービスを提供する日本トータルテレマーケティング社ですが、今期からユーソナーのインテントデータを活用したインサイドセールスのご支援も提供しています。
日本トータルテレマーケティング社の支援内容は、サービスと体制で4つのカテゴリーに分けられています。
一つ目はインテントデータ取得とリスト生成です。ユーソナーのデータベースを活用し、ニーズに合わせた形でリスト設計が可能です。さらに、既存リードの掘り起こしにも対応しています。
二つ目はインサイドセールス体制の構築と運用代行です。
三つ目にスクリプト設計からトーク改善支援、四つ目のKPI設計と成果モニタリングに至るまで、包括的な支援を提供しています。
支援サービスの強みとしては3点が挙げられ、一つ目はリードの掘り起こしとリスト価値の最大化です。営業リソースが限られている中で、定量的なアプローチを継続することは難しく、手つかずのリードが滞留するというお悩みは多いですが、インサイドセールス支援により貴重な資源であるリストの価値を最大化します。
二つ目は営業リソースの最適化です。営業活動で本来注力すべき業務に集中できなかったり、活動が属人化・ブラックボックス化したりといった課題に対して、よりコアな業務に集中できるよう環境構築をサポートします。
三つ目はデータ利活用を視野に入れた業務設計です。単にアポイント取得を目的とするのではなく、顧客との会話から得られるリアルな声や反応等の情報をすべて成果物としてフィードバックします。
インサイドセールス支援サービスの活用イメージとしては、ターゲット選定からインサイドセールスを日本トータルテレマーケティング社で担当し、お客様はフィールドセールスに集中いただくものになります。
ターゲット選定の部分ではユーソナーのデータベースを活用し、アプローチや課題の把握、ヒアリング、ニーズの確認、アポイント獲得までの領域を日本トータルテレマーケティング社が対応することで、クロージングまでの架け橋を担当し、クロージング・成約がお客様の担当領域となります。
営業活動の分業が進むことによって、お客様はクロージングに集中ができて、営業成果を最大化させるという支援内容です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
本セミナーでは、従来の営業手法であった属性ベースのターゲティングから、顧客の購買シグナルをキャッチするインテントデータを活用した営業手法へのシフトにより、営業効率を大幅に向上させたという事例を日本トータルテレマーケティング社にご紹介いただきました。
インテントデータは取得するだけでなく、どのように活用してアプローチをしていくかが重要です。
こちらのセミナーレポートが皆さんの営業活動のご参考になれば幸いです。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
ユーソナーは業種・業界問わず
様々な企業において活用いただいております。


























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