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新規開拓における基礎知識と20の営業手法について詳しく解説します。
更新日: 2023年9月25日
法人向け営業を成功させるためには、新規先を開拓する努力を欠かすことはできません。しかし、新規開拓は容易ではありません。競争が激化し、市場が変動する中で、新しい顧客やクライアントを獲得することは常に一定の課題を伴います。この記事では、新規開拓プロセスにおける「よくある課題」に焦点を当て、それらの課題を克服するための糸口をまとめます。新規開拓の成功に向けて、以下のポイントを考察していきましょう。
目次
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新規開拓を成功させるには、さまざまな要因があります。ここでは、「リード数」、「セグメンテーションの豊富さ」、「BANTの把握」の3つに焦点を当て、詳しく説明します。
新規顧客を獲得する際に、リード数は極めて重要な要因です。リード数が不足している場合、営業チームは適切な機会を追求するうえで最初から制約を受けていることになります。リード数が多いほど、当然、選択肢が広がり成功の可能性が高まります。
リード数の不足を解消する一般的な手法は、大まかに次の方法があります。自社にあった方法を模索しましょう。
顧客を様々な軸で区分けする「セグメンテーション」は、新規開拓の成功において不可欠な要素です。セグメンテーションは、異なる顧客グループに対して特定の戦略を展開するための基盤を生み出します。セグメンテーションを行うことで、最適な潜在顧客へ最適なアプローチを行うことができます。リソースの最適化にもつながります。
BANTは「予算(Budget)、権限(Authority)、必要性(Need)、タイミング(Timing)」の頭文字を取った略語で、法人営業の世界ではつとに有名ですね。BANTの4要素を把握していくことで顧客の購買意向を評価するのに役立ちます。BANT情報を正確に把握することは、リードの質を向上させ、無駄なリソースを削減することにもなります。ただしBANTの把握には、顧客との信頼関係が必要不可欠となるため、時間がかかります。
新規ビジネスを獲得するためには、質の高い営業リストが不可欠です。リストには潜在的な顧客やクライアントの情報が含まれており、これを活用することでターゲットを絞り込み、成果を最大化することができます。このセクションでは、質の高い営業リストの構築方法とそのポイントについて詳しく説明します。
営業リストの品質は、その有用性に直結します。データの正確性を確保し、古い情報や重複データを排除することが必要です。品質管理のプロセスを導入し、データのアップデートを定期的に行いましょう。
正確な現状把握には、データベース上の同じ情報を統合する"名寄せ"も必要不可欠です。顧客データの名寄せについては、以下よりご確認ください。
リストを構築する際に、ターゲットセグメンテーションを考慮しましょう。どの業界、地域、サイズの企業に焦点を当てるかを決定し、それに基づいてリストを整理します。セグメントごとに異なるアプローチが必要です。
自社のターゲットにも関わらず、アプローチの進んでいないセグメントへ新規開拓することで、効果的にリード数の不足を補うことができます。
自社の基幹システムやCRM(顧客関係管理)・SFA(営業支援)システムを活用して、営業リストを作成できる可能性があります。これらのシステムは、データの整理やセグメンテーションに役立ちます。
ただ、CRMやSFAは既に接点のある顧客のパイプライン管理が主な役割であることに注意しましょう。システムの顧客情報を基にターゲットを分析し、実際のアプローチはまだ接点の持てていない企業群に対して行うことで効率的な新規開拓は可能になります。
未接点企業への効果的なアプローチのために選択肢にいれるべきなのが、外部データの利用です。信頼性のあるデータプロバイダからデータを入手し、リストに追加することで、新たな潜在顧客を見つけるチャンスが広がります。日本で代表的な、企業リストを提供できる会社として、帝国データバンク、東京商工リサーチ、そして弊社ユーソナーがあります。
ユーソナーのデータベースは、大手企業だけでなく中小零細や官公庁など民間企業以外のデータも「事業所」単位で網羅していることが特徴です。営業を科学するユーソナーの詳細はこちらからご確認ください。
質の高い営業リストの重要性は言うまでもありませんが、その品質向上が成功確率にどのような影響を与えるのでしょうか?
質の高い営業リストを使用することで、ターゲットに近い潜在顧客にアプローチできます。これにより、成約率が向上し、ビジネスの収益性が増加します。
品質の高いリストは、無駄な時間とリソースを削減します。ターゲットに合致しないリストからの営業活動は、時間の浪費になりますが、質の高いリストを使用することで、効率的なタイムマネジメントが可能になります。
新規開拓の最も典型的な方法は、とにかく飛び込み営業をかけるという方法でしょう。こういった営業組織では顧客に無下に断られる機会も多く、成約にもつながりにくいため、営業担当の精神的な負担は増していきます。
質の高いリストがあれば、そもそも自社サービスにあった潜在顧客を選んでいるので顧客の課題解決という本来の目的で営業アプローチを行うことができます。無作為な営業に比べて、リスト一件一件の質も高いため、丁寧な前準備に時間をかけても十分な成果が得られる可能性も高くなります。結果的に営業担当の精神的な負担も軽くなることでしょう。
新規開拓における成功は、営業アプローチに大きく依存します。ターゲットリストを選定したらどのようにアプローチを行っていくかが重要になります。このセクションでは、営業アプローチにおける一般的なミスと注意点について説明します。
一般的なミスの一つは、顧客に対して一方的な営業メッセージを送ることです。顧客は自分たちのニーズや問題に焦点を当てており、それに合致する提案を求めています。営業担当者は、顧客の視点を理解し、対話を通じて価値提案を示す必要があります。
営業アプローチにおいて適切な質問を行わないことは、情報不足や誤解を招く原因となります。「御社の課題はなんですか?」と質問する営業は2流だといった論法が聞かれれることもあります。課題やニーズをそのまま質問するのではなく、仮説をもって商談に挑めといった意味が含まれています。「~~~が課題ではありませんか?」と質問できるくらいにアプローチ前の準備をすることで顧客との信頼関係を築きやすくなります。
営業担当者が過度なプレッシャーをかけることは、顧客を遠ざける可能性があります。顧客に合ったペースで進め、信頼関係を築くことを優先しましょう。
提案や製品の説明を行うタイミングが不適切であると、顧客の興味を失わせる可能性があります。特に法人営業の場合、タイミングは成約を図るうえで非常に重要な要素になります。適切なタイミングを見極め、提案を行うべきです。
そして、一度断られても継続的にフォローアップを行うことが重要です。失注した顧客は、製品が必要ないのではなく、単純にタイミングが悪かっただけかもしれません。
成功する営業アプローチの鍵は、顧客のニーズを正確に理解し、適切なアプローチを選択することです。以下は、解決策の一例ですが、適切なアプローチは企業によって様々です。自社にあったアプローチ方法を模索することが重要です。
顧客のニーズを理解するためには、事前にリサーチを行いましょう。彼らの業界、課題、目標を把握し、それに基づいて提案を調整します。
一般的なアプローチではなく、顧客に合わせたカスタマイズされたアプローチを採用しましょう。顧客が感じる価値を提供することが重要です。
営業プロセスは対話の場でもあります。顧客の話を注意深く聞き、共感することで、信頼関係を構築しやすくなります。
営業アプローチにおいて、短期的な成功だけでなく長期的な関係を考えることが大切です。顧客が満足し、信頼を築いていくことで、リピートビジネスや口コミが生まれます。
法人営業において、断られることは避けられない現実です。しかし、断られる回数には統計的な傾向があり、その意義を理解することが重要です。
法人営業においては、最初のアプローチで成功する確率は低いことが一般的です。多くのケースで、営業担当者は数回のアプローチを経て初めて契約を勝ち取ります。
Hubspot Japan社の『日本の営業に関する意識・実態調査2023』によれば、顧客の60%は成約までに4回断るのに対し、一度もフォローアップを試みない営業担当者は48%にものぼることが指摘さています。
- 信頼関係が生まれる: 顧客は、営業担当者が真剣に取り組み、信頼性を示すことを期待しています。複数回のアプローチを通じて、信頼を築けるチャンスが生まれます。
- 顧客のニーズが明確になる: 顧客のニーズや要求を正確に理解するには、複数回の対話が必要です。断られることが、より詳細な情報を収集する機会となります。
- タイミングの重要性: 顧客の状況や優先順位は変動することがあります。断られた後のフォローアップにより、タイミングが適切になることがあります。
断られる回数には統計的な傾向があり継続的なフォローアップの重要性がわかります。ただ、断られる回数を評価指標にすると、成約の可能性のない顧客に対して無駄にアプローチをし続るなど、前述の営業担当の燃え尽きにもつながるため注意しましょう。
目指すべきはあくまで売上の向上で、その過程に失注があるという点を忘れてはいけません。
本記事では、法人の新規開拓におけるポイントを質の高いターゲットリストと継続的なフォローアップの重要性を中心にまとめました。
ビジネスにおいて、失敗する要因(課題)は共通なことが多いですが、成功する要因は企業によって様々ということがほとんどです。この記事で課題と解決策の糸口をつかんだら実際にアプローチをしてみて自社にあった方法を模索していくことが大切です。
効率的に新規開拓したい方は、以下よりユーソナーの詳細をご確認ください。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
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