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営業がデータを使うと何が変わるのか。BtoB営業におけるDXの重要性を解説
更新日: 2023年5月26日
Go-To-Market(GTM)戦略の策定は企業活動において重要な指針になることは別の記事にて記載しましたが、GTM戦略はデータを活用することでより大きな効果をもたらします。
具体的には自社でも情報収集を行いつつデータプロバイダー事業者から不足分のデータを補うことで、顧客側の意思決定に必要な要素をより深く理解することができ、リード発生からクロージングまでのスピード感を向上することに役立ちます。
この記事ではデータドリブンにGTM戦略を策定・運用することが企業活動にもたらす効果と、その具体的な方法についてご案内致します。
目次
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GTM戦略を策定することで市場や顧客の状況を網羅的に把握することが容易になり、以下のような効果があると言われています。
GTM戦略ついてのより細かい説明はこちらの記事をご参照ください。
GTM戦略をデータに基づいて作成することで、ターゲット企業を特定する精度が向上し、顧客のニーズや傾向の分析も効率化することが可能です。
また、ターゲットに合わせたメッセージを提供することで、ニーズに沿ったソリューションであることをより強く顧客に印象付けることができます。データをもとにパーソナライズされたアプローチを実施することは、営業効率と商談獲得率の向上に繋がります。
加えて、データドリブンなGTM戦略の策定は競合相手の動向を把握することにも役立てることができます。競合他社の製品やサービス、価格、マーケティング施策といった情報を収集・分析することで自社の差別化ポイントや競争優位性を見出し、自社の魅力を最大化させることができます。
パートナーシップ戦略においても、上記のような競合データの存在は有益な情報になるでしょう。
より多彩なデータを活用したGTM戦略であるほど、成約につながるシナリオが見えやすくなり、見込み顧客の意図を踏まえた施策の実行と自動化を可能とします。
データドリブンなGTM戦略を策定するには以下のステップで進めていきます。
データドリブンなGTM戦略を実現させるには、ファーストパーティーデータとサードパーティーデータの両方が必要です。
一般的にはファーストパーティーデータ、つまり自社のデータには量より質を求め、サードパーティーデータ、つまり外部のデータには更新性と網羅性を求めるべきだと言われています。
ファーストパーティーデータの例としては市場や業界の調査レポート、企業内に存在する顧客情報や財務データなどが該当します。
サードパーティーデータの例としてはターゲット企業の業種分類、売上高や利益の上下傾向、企従業員数や部門に関する情報、注力している領域や先行投資している内容、既に導入しているツール、系列会社といった情報が挙げられます。
これにより、市場全体のトレンドや成長性を理解するとともに、個別企業の具体的な悩みを把握できる状態に近づきます。
データをもとに、ターゲット市場をセグメント化します。
業界や所在地、特性、ニーズが類似している顧客をグループ分けすることで、より効果的なターゲティングが可能になります。
また、データを用いて様々な優先度を定量的に判断します。
例えば、過去の優良顧客の企業特徴と照らし合わせて、リードが案件化する確度をランク分けすることができます。あるいは個別企業の受注見込み度を算出し、ターゲット企業群の中から特に見込み度が高いと思われる顧客候補を抽出します。
見込み度をより正確に判定する方法として、競合他社の動向を収集・分析します。
これにより自社の競争優位性を見出し、個別企業のアカウント・プランを立てます。
セグメント内の企業に値や追加情報を付与することにより、更なる細やかなターゲティングや1to1のエンゲージメント施策を実施することも可能となるでしょう。
見込み顧客の需要を分類し、分類結果毎にサービスの見せ方や印象の与え方を工夫します。
一般的には「予算の最適化(コストカット)」「効率の最大化(時間の節約)」「業務の自動化(オペレーション業務削減)」の3つの見せ方を使い分けることが効果的であると言われています。
サービス提供者側はどうしても自社サービスの全ての特徴を伝えたがりますが、顧客からすれば自分が困っていること以外の部分は(現時点では)知る必要のないものであり、今後知る機会があれば良いと思っています。
画一的かつ全体的なサービス案内をするのではなく、特定のニーズに絞った形で案内をすることで、結果的に顧客から自社に対する理解度を高めつつ、顧客に対する自社の理解をも深化させることができます。
相手側の意識に則したサービスの見せ方をすることによって、成約率は格段に向上します。
GTM戦略は各社が固有で策定するものではありますが、見込み客へのアプローチを成功させている企業には、以下のような要素が共通しています。
●細やかなセグメンテーション
顧客が抱えるニーズを分類・理解し、整理した上で戦略を組み立てていきます。
共通の特徴に基づいて顧客をグループ化することで、1社1社に対するパーソナライズを効率的に行うことができます。営業部門がマーケティング部門と協力しながら各種施策を実施していくことも重要です。
●差別化された価値提案
製品やサービスを売り始める前に、企業は潜在的な需要を確認する必要があります。
想定ユーザーはどのような人なのか、どのような具体的な課題を解決するものなのか、競合する価値を提供している企業は存在するのかといったことを検討し、見込み顧客に対して、従来の方法や競合他社を凌駕する魅力が伝わるように工夫します。
●継続的なデータ活用と戦略評価
持続可能なGTM戦略は、その運用についても考慮した上で策定されています。
製品やサービスの継続的な成功には、どのように優良顧客を生み出していき、顧客の声を更なる顧客獲得に繋げていくかを検討することも必要です。
具体的には、GTM戦略自体の達成度を評価する指標を設けておくことで、安定的な事業成長を見越した戦略策定と、策定した戦略の継続的な運用を可能とします。
自社の製品やサービスの魅力を最大限伝えることは、企業活動において非常に重要です。
ですが時には「全てを伝えることをしない」「ピンポイントの特徴を集中的に伝える」といったことをあえて行うことで、見込み顧客が自社に対して好印象を持つこともあります。
伝える相手に合わせた形を模索することこそが、GTM戦略を策定することの本質と言えます。
当社が開発したユーソナーは、最新の企業データを用いた企業の絞り込みリストを作成することが可能です。これにより、自社がアプローチ可能な市場を定義するだけでなく、具体的な会社のリストを抽出することも可能です。
また、当社が提供しているRating2.0は、既存顧客データの情報をもとに、見込み度の高い企業をAIが自動的にリストアップするサービスです。見込み顧客リストの再評価や新たな見込み顧客の発掘を検討している企業様にご利用いただいております。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
ユーソナーは業種・業界問わず
様々な企業において活用いただいております。
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