- データ活用
いまさら聞けない企業におけるデータ活用|「必要な処理」と「解決すべき課題」とは?
更新日: 2023年5月12日
ほとんどの営業組織では、四半期単位や年間単位の売上高が評価基準となっていることでしょう。
その評価方法は、「チーム/部署単位での業績評価」と「個人単位での業績評価」に分かれます。
評価者は、当然ながら業績の良い営業チームや担当者により多くの期待をかけます。
残念ながら評価が低かったチームは、評価を再浮上させるには相当な努力を強いられます。
では、具体的にどのような努力や変革があると業績を上げることができるのでしょうか。
この記事では参考情報として、優れた営業担当者が行なっている「データドリブンなリード分析」について説明します。
目次
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営業部門の評価者は、見込み顧客を成約に結びつける可能性に基づいて担当者を評価しています。
成約件数のような単一の数値指標ではなく、一定期間の実績をもとに営業担当者の能力分布を把握した上で、「優れた」営業担当者を定義しています。
そしてより可能性の高い営業担当者から順番に、リード(見込み顧客)のアサインが行われます。
上記のような観点から、適任と思われる担当者をアサインします。
具体的には、以下のような基準で振り分けを効率化させています。
リードが自社のターゲット市場や顧客像に合致しているかどうかを評価し、この会社に営業活動を行うかを判断します。この評価は「業界/業種」「企業規模」「エリア」「ニーズや課題の類似性」といった要素に基づいて行われます。また、「予算」「購買意欲」といった指標を用いて、リードが将来的に大きな売上に結びつく可能性や、長期的な関係を築く可能性があるかどうかを判断します。
リードの関心度合いを評価することで、自社が提供した情報やコンテンツに興味を持ち、案件が進む可能性を判断します。具体的には、リードがWebサイトを訪れた回数/頻度や特定のコンテンツをダウンロードしたかどうか、またはマーケティングキャンペーンへの参加などをもとに考慮します。
営業活動への返答やコミュニケーションの頻度を評価し、対応や情報提供の必要性を判断します。レスポンス率の高いリードに対しては、より多くのリソースを割いて深い情報を提供していくことで、商談への発展を見込むことができます。レスポンス率の低いリードは、定期的なフォローアップを行い、関心度合いを引き上げる活動をする必要があります。
この仕組みは、顧客優先での対応を心がけていることで成立しています。
そしてこの仕組みを成立させるには、データを収集し、分析することが前提となっています。
リード(見込み顧客)は、ビジネス上の課題を抱えています。
リードが抱えている課題を自社の製品やサービスで解決するできるような文脈を導き出すことが、優れた営業担当者の条件になります。
では、優れた営業担当者はどのようにこの文脈を導き出すのでしょうか。
その答えは「事前準備」に他なりません。効率的な事前準備をすることで、さまざまな質問に対して的確な返答をする「引き出し」が多いことを顧客にアピールすることができます。
効率的な事前準備の方法のひとつとして、データ活用が挙げられます。
データを用いてリードのニーズを網羅的に想定しておくことで、先述した「引き出し」の多さにつながり、ひいては成約率の向上につながります。
具体的には、以下のようなデータを用いることが効率化につながると言われています。
①業種データ
リードがどの業種に属しているかを調査し、そのセグメントの特定の課題解決において自社がどのようなソリューションを提供したかを調査します。
②売上/利益関連データ
直近数年の売上・利益の傾向を把握し、投資可能な経営状況にあるかを評価します。
また、公開資料に記載されている「領域別の投資状況」などの情報から、自社の製品やサービスの領域への投資が行われているかを調査します。
③企業規模データ
員数(役員や従業員)の分布を部門やエリア別で分析することで、リードの注力領域を予測し、自社の製品やサービスの領域と合致しているかを判定します。
④インテントデータ
リードが特に興味関心を持っている領域を、オンライン行動データから可視化します。
併せて、競合サービスへの興味関心度合いが高まっていないかといった情報を収集し、競合優位性をアピール材料に含めるかも判定します。
⑤系列データ
企業、拠点、組織間の関係を資本等の基準で明確に定義し、分類します。
同様の課題を持っていそうなグループ企業を特定し、営業アプローチの横展開を検討することができます。
リードに関する情報を統一された基準で集めることは、リードの見込み度を判定する際に役立てることができ、営業担当者の生産性を高めます。
具体的な必要性やニーズを持ち、継続的に支払いをする可能性が高いリードを優先し、細やかな提案活動に時間をかけることで、限りあるリソースを最大限活用することができます。
また、見込み度が低いリードに関しても、データを用いてどのようなアプローチが有効かを予め知っておくことで、定期的なフォローアップに役立てることができます。
あらゆる業界の営業担当者が直面している課題として、販売サイクルの長期化が挙げられます。
特に新しいシステムをはじめとした企業活動全般に関わるサービスの購入決定については、従来より多くの利害関係者を含める傾向があります。そのため、より多くの意思決定者と、より長い時間、より綿密に議論を重ねる必要が生じており、営業の成果になかなか結びつきにくいというジレンマが発生しています。
ですが多くの先進的な企業にとって、企業活動の効率化への投資は依然として優先的な経営課題であり、高い競争力を持つ企業にとっては成長を見込むことができる領域でもあります。
顧客企業の購買担当者の多くは、営業担当者から示唆に富んだ提案を受けることに前向きです。
興味のないベンダーから購入するのではなく、信頼できるパートナーと持続可能な関係を築きたいと考えているためです。
営業担当者はこのような顧客側の思いを理解し、データによって明らかになった情報を活用して、見込み顧客の課題解決策を提起することが、商談成功に最も必要な要素でしょう。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
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