- 名寄せ・データクレンジング
【5分でわかる】データクレンジングとは?目的や具体例もわかりやすく解説!
更新日: 2024年1月30日
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データクレンジング手法を確認する
現代の企業活動においてデータの利活用は重要な課題です。データクレンジングはデータを適切に使用するために欠かせないものですが、その重要性ややり方を十分に理解できていない、といった悩みを抱えている企業担当者の方も少なからずおられるのではないでしょうか。
本記事では、データクレンジングのやり方について、手順・方法だけでなく、得られるメリットなども具体的に解説します。どのようにデータを特定し整形・分類すればよいのか、データクレンジングを行う場合に重要なことはなにか、といったポイントも把握できるため、ぜひご参考にしてください。
目次
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企業には膨大なデータが集まりますが、すべてのデータが正確で使える状態になっているわけではありません。
データの誤登録や表記の不統一によって、データベースを使ったデータ分析や情報管理などが正確にできない場合があります。データ・情報を有効に活用するためには、活用しやすい形に整えることが必要です。
データクレンジング(Data Cleansing)とは、自社のデータベースに保有するデータの重複、表記ゆれや字体の混在などを修正・削除することです。
データクレンジングの例として、以下の例が挙げられます。
データクレンジングに似た言葉である「名寄せ」の意味は、データベースで 重複している事項を統合することです。名寄せはデータクレンジングのひとつに数えられる場合もあります。
企業において、データクレンジングのやり方を知ることによって、どのようなメリットがあるでしょうか。以下では、3つの効果・メリットについて解説します。
データクレンジングのやり方を知れば、業務効率が向上します。データクレンジングが行われていなければ、表記ゆれなどが原因で、検索しても該当データを見つけられない恐れがあります。
目的のデータを探し、今後探す手間を省くためにデータを修正しなければなりません。膨大なデータベースに存在する誤表記や不統一を見つけるのは時間がかかり、その間の業務も中断されます。これらの作業は、定められたルール通りにデータが入力されていれば、本来なら不要なものです。
データクレンジングを行ってデータの不統一・不整合をなくすことで、検索すればすぐに該当データを見つけられるようになり、データ修正に費やす時間・労力を省けます。不要な手間を節約できれば、業務もスムーズに進められるでしょう。
マーケティングをはじめとする業務や適度な休憩に回す時間が増えるため、業務の効率化が進みます。結果として、生産性の向上につながるでしょう。
データクレンジングによって、企業における意思決定を速められます。データの探しやすさに加えて、データの品質・精度も影響します。
整備され、質が高いデータを利用すれば、正確なデータ分析が可能になります。分析の結果は確かなエビデンスとなり、企業の戦略・方向性の決定に役立つでしょう。
重要な意思決定を迅速に行うことで、他社に先んじて有効な戦略を実施できるはずです。業績が向上し、市場において確実な地位を確保できる可能性が高まります。
古いデータや間違ったデータを分析しても、正しい結果は得られません。データの誤りや不備は、さまざまなトラブルや問題の原因になります。
例えば、誤った顧客データをもとに営業を行っても効果は上げられず、不正確な情報を提示すれば顧客からの信用を失います。顧客データに誤りがあることに気がつかず、メールなどの送信先を間違う場合もあるでしょう。
不正確な情報をもとに売り上げ予測やレポートを作成しても、業績向上は見込めません。顧客満足度やサービスの質が低下し、重大なミスなどが重なれば企業全体のイメージの失墜につながるでしょう。
企業への信頼・信用を守るためにも、データクレンジングは重要です。
データクレンジングの手段として、人力での実施や専用ツール・サービスの利用が挙げられます。
データクレンジングは、人力で実施することも可能であり、特殊な資格は必要ありません。スプレッドシートやExcelなどの無料のツール・機能を使って、手動でデータを整理できます。
関数や プログラミング言語 、SQLなどのデータベース言語を駆使して、データ処理を進めることも可能です。高度な処理は、エンジニアまたはプログラマーが作業にあたるのが望ましいでしょう。
エンジニアが不在の場合は、データ処理に詳しい社員でもある程度まで対応可能です。ただし、本来の業務に影響が出ないような配慮をすることが大切です。
人力での実施は、時間、労力、一定のスキルや知識が必要とされるため、扱うデータ量が増えるほど複雑かつ煩雑になります。ミスが生じる可能性も高くなるでしょう。
急速にIT化が進む中、データクレンジング専用のツールやサービスを提供する企業が増えました。こうした外部のサービスに依頼するのも有用です。
自社に人材・リソースが不足している場合でも、ツールを導入すればスムーズにデータクレンジングを行えます。ツールやサービスを利用すれば、データの結合や変換が迅速に行え、作業を効率化できます。導入には費用がかかりますが、データ処理が簡略化・自動化できるため、より複雑なクレンジング作業を継続的に行えるでしょう。
さまざまなサービス・ツールがありますが、いくつものツールを比較・検討したうえで、自社の目的に合致したものを導入することが重要です。
専用ツール・サービスの導入において、以下のポイントに着目しましょう。
外部のサービス・ツールを提供する企業は、独自のデータベースを持っています。保有する情報の量が多いほど、網羅的なデータの精査が可能です。また、量だけでなく、データの鮮度などの質にも目を向けることが大切です。
得られる情報項目も確認しましょう。企業情報であれば、業種、企業名、住所などの基本的な情報だけでなく、資本金や従業員数、売上高などの情報も補完できれば、より質の高いデータが完成します。
自社のデータベースの規模、データ量を把握することも大切です。どれほどの費用を投入できるのか、導入によってどれだけの利益を見込めるのかを明確にしたうえで、ふさわしい機能・プランを検討しましょう。
データクレンジングは、データの特定、取り込み、整形、分類という流れで行います。以下では、具体的な進め方について解説します。
まずは企業が扱うデータベースにおいて、どのような欠損や重複があるのかを確認しましょう。現状を正しく把握したうえで、データクレンジングの対象を特定する必要があります。
クレンジングすべきデータ形式を決め、複数のデータベースから必要なデータのみを抽出しましょう。不要なものが含まれたデータでクレンジングを行うと、不要な作業が増えるため非効率的です。
必要なデータを集めたら、取り込む段階に移りましょう。取り込むデータ範囲を決めたうえで、ExcelやWord、ログファイルやCSV、PDFなどのさまざまなファイル形式をひとつのデータベースに取り込みます。取り込む際に、不統一なファイル形式を同じ形式へと変換すれば、後の処理がスムーズです。
ひとつのデータベースにまとめることで作業の手間を減らせますし、新たなデータの相関・関連が明らかになる場合もあります。
データを取り込んだ後は、データの整形を行います。データの整形は、データクレンジングにおいて最重要のプロセスです。
自社で決めた基準をもとにして、表記ゆれや字体の不統一などを修正し、不要なデータを削除します。基準はデータクレンジングの目的ごとに設定するとよいでしょう。
以下に例を示します。
基準やルールを明確にすることで、効率的にクレンジングを実施できます。
データの整形後は、データの整理・分類を行いましょう。データの利用目的別にリスト化し、適切な場所にデータを保存することが大切です。
必要に応じて、すぐにデータを取り出せる形で管理するとよいです。分類したデータは、マーケティングや営業活動に活用できます。
データクレンジングにおいて、どのような点に注意すればよいでしょうか。
せっかくツールを活用してデータクレンジングを自動化しても、ツールの設定が誤っていたら、便利なツールも本来の力を発揮できません。データクレンジングを行ったら、目的に沿ったクレンジングができているかどうかを目視で確認するようにしましょう。もし意図したデータクレンジングができていない場合には、改めてツールの設定方法を確認して関係者に共有したり、さらに上流までさかのぼってデータクレンジングの目的がぶれていないかを確認する必要があります。
ツールの利用に加えて目視の確認を組み合わせることで、データクレンジングの効果がさらに高まります。
データクレンジングは、一度実施すればよいわけではありません。企業のデータ・情報は、日々変化します。新しいデータ入力において誤登録や表記の不統一があれば、データの品質は低下します。
データクレンジングを頻繁に実施して、データの品質を保持し続けることが大切です。何度も実施することによって改善点が明らかになり、やり方もより効率化できるはずです。データ入力におけるルールを決めて社員に周知すれば、作業の手間や時間を節約できます。
実施の頻度はできるだけ高く設定するとともに、月に1度などと定期化しておきましょう。定期的な実施以外にも、事業拡大などで新規にデータ分析を求められたり、自社が保有するデータ量が大幅に増加したりしたら必要に応じて行う必要があります。
データの利活用には、データクレンジングが不可欠です。データクレンジングの適切な実施は業務効率を向上させ、企業の信用を守ることにつながります。実施の手段は、人力に加えて、サービス・ツールの利用が挙げられます。
データクレンジングを自社で実行する際は、データの特定、取り込み、整形、分類という流れで進めましょう。データクレンジングによって得られるデータを最大限に活用するには、一度やって終わりではなく定期的にデータクレンジングを実施して、データを常に整った状態にしておくことも重要です。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
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