【セミナーレポート】
第三回DXフォーラム フィリップ・コトラー氏講演

更新日: 2025年11月21日

こんにちは!ユーソナーマーケティング担当の渡辺です。
今回は、「現代マーケティングの父」と呼ばれるアメリカのマーケティング学者、フィリップ・コトラー氏を招いて10月1日に催した特別講演『BtoBマーケティングの新たな展開』の様子をレポートします。

目次

観客席.jpg

2025101日に帝国ホテルで開催したフィリップ・コトラー氏特別講演会の様子

本セミナーはユーソナーが主催するセミナー「データで加速させるDXフォーラム」の第3回の位置づけです。
ユーソナーのお取引先企業の営業マーケティング担当者ら約200人を招待。メイン会場となった帝国ホテルの孔雀の間とアメリカ・シカゴのコトラー氏のご自宅をオンライン生中継して行いました。
コトラー氏は今年94歳。マーケティングの草創期からをかじったことのある人なら誰でも一度は聞いたことのある、高名な学者ではないでしょうか。またコトラー氏が「B2Bマーケティング」をテーマに講演することも非常に珍しいと言えます。時差の関係で、現地時間は午後8時半、日本時間は午前10時半スタートと、ビジネス向けセミナーとしてはあまりない時間帯でしたが、高名なコトラー氏の最新の知見を聞こうと、会場はすぐ満席となり、静かな熱気に包まれました。
コトラー氏の口から語られたのは、「デジタル化やAIの導入」、そして「人と人(Human to Human/H2H)のマーケティング」、という最新トレンドを取り入れたマーケティングの最新の知でした。

今日のB2Bマーケティングと最新の技術

まずコトラー氏は、BBマーケティングのあり方が、ここ数十年で大きく変化したことから説き起こしました。
かつては関心のない見込み客にも新製品やサービスの紹介をしており、ブランディングや広告はほとんど行われていませんでした。
しかし、今日では新たなツールやコンセプトが次々に登場している。特にAIは大変画期的な技術であり、その登場によってマーケティングに大きな変化が生じている、とコトラー氏は見ています。具体的には、AI、生成AI、機械学習、メタバース、IoT、ロボット、ドローン、ブロックチェーンなどの技術です。

その上でコトラー氏は、「トランスフォーマティブ・マーケティング(TM)」という概念について紹介します。さきほど紹介したような新時代のテクノロジーと人間の洞察を組み合わせて、企業と顧客の相互作用に革命をもたらし、より個人化された没入型の顧客体験を作り出すことが重要だ、と述べました。

TM p6.PNG

また、カスタマージャーニー実現に向けたマーケティングツールとして、AIを活用したターゲティング、広告作成、コンテンツの個別最適化などの変化が進行していることを紹介し、「5A(Aware, Appeal, Ask, Act, Advocate)」の各フェーズでAIやツールをいかに組み込み活用するか、という観点をもつことの大切さについて解説しました。

5A.PNG

今日の企業に求められるデータ利活用 

コトラー氏は、これらのトレンドの変化を踏まえて、今日の企業が競争に打ち勝ち、存続していくために重要な要素は何かを論じます。具体的には以下の点を挙げました。

  • 顧客データに基づいたマーケティングの実践
  • 戦略的な目的の実現に向けた、データが相互的に連携する仕組みの構築
  • 持続可能性などの社会的責任があることの認識
  • 全ての利害関係者、とりわけ従業員の喜びのために行動すること
  • 熟達したビジネススクール卒業生、エンジニア、弁護士の採用
  • 業務のデジタル化および多くの事務タスクの自動化
  • コンピューター、インターネット、ソーシャルメディア、AIへの多額の投資
  • 顧客に提供するものの個別最適化に向けたサービスのカスタマイズ
  • 顧客データを収集し、機械学習と予測分析を実装すること

これらの実現に向けてコトラー氏は、「顧客データをきちんと収集し、機械学習などを通して予測分析を適用すること」が重要であり、そのためには提供しているものやサービスをカスタマイズし、より個々人に向けた提案ができるようにする必要がある、と強調します。
さらに、「戦略的データエコシステム」の構築が重要であり、顧客データを収集・更新し、AIを活用した分析を行うシステムの設計が必要であると述べました。

「H2Hマーケティング」の概要と重要性 

コトラー氏は、今日の大きな流れとして、ビジネスにおける売買活動がより取引的(transactional)、つまり、人の手を介さない機械的なものになりつつあると述べました。
大企業への購入が増え、対人関係が減少する中で、共感を再導入する必要があると強調しました。H2Hマーケティングを使用することで、高度な技術と人による個別対応を組み合わせ、顧客との関係を強化することができます。

H2Hマーケティングは、「ハイテクとハイタッチ」という概念に基づき、デジタル技術の活用と人間同士の対面的な関係の両立を目指します。これらの実践を通じ、顧客との間に共感性と情緒性を育み、より深い関係性を構築することが可能になります。

新しいマーケティングの方向性:人間から人間へ

コトラー氏は、マーケターにとってのメリットと顧客の利益を両立するH2Hマーケティングが重要であり、倫理的なアプローチが求められると強調しました。新しいマーケティング_p23.PNG

セミナーの最後には、参加者から、コトラー氏に直接質問する時間が設けられました。コトラー氏はどの質問に対しても「それは興味深い質問ですね」「それは重要な観点ですね」とポジティブに応対されていました。

ユーソナー社は今後も企業様のビジネスに役立つヒントとなるようなイベントを開催していきます。ぜひ、ご興味のあるイベントがあればご参加いただければ幸いです。

▶︎ユーソナーのサービスを詳しく見る
▶︎ご相談・お問い合わせはこちら

この記事を書いた人

uSonar

ユーソナー編集部

MXグループ・編集長

ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。

ユーソナーは業種・業界問わず
様々な企業において活用いただいております。

  • Ministry of Economy, Trade and Industry.
  • Asahi
  • BIZ REACH
  • NITORI BUSINESS
  • FUSO
  • MIZUHO
  • PayPay
  • Ministry of Economy, Trade and Industry.
  • Asahi
  • BIZ REACH
  • NITORI BUSINESS
  • FUSO
  • MIZUHO
  • PayPay
  • RICOH
  • 弁護士ドットコム
  • りそな銀行
  • SAKURA internet
  • SATO
  • 株式会社そぞん情報システムズ
  • Suzuyo
  • RICOH
  • 弁護士ドットコム
  • りそな銀行
  • SAKURA internet
  • SATO
  • 株式会社そぞん情報システムズ
  • Suzuyo

ITreview Grid Award 2025 Fall
リーダー認定6部門

  • ITreview Grid Award 2025 Fall
  • 企業データベース
    ABMツール
    営業リスト作成ツール
    セールスイネーブルメントツール
    反社チェックツール
    名刺管理ソフト

ユーソナーなら、
貴社の課題も解決へ導きます!

導入事例サンプルレポート
ダウンロード

すべての『資料』を見る
導入事例やサンプルレポートをダウンロード

お急ぎの方はお電話にて03-5388-7000受付時間 10:00 〜 17:00(土日祝休)

データ活用による営業DXの決定版

サービス資料

5分で分かる ユーソナー

5分で分かるユーソナー

資料ダウンロード