• ABM

顧客体験を劇的に変える「ABX」とは?

更新日: 2024年9月 3日

現代のビジネス環境では、急速なデジタル変革と共に顧客のニーズも複雑化しています。この複雑な状況に対応するために、企業は顧客との関係を深め、個別化された顧客体験を提供することが求められています。

こうした中、注目されている考え方がABX(Account-Based Experience)です。ABXは、アカウント単位での顧客体験を重視し、企業と顧客とのつながりを一層強化する戦略的なアプローチです。本記事では、ABXの基本概念から実践のポイントまで、深堀りしていきます。

目次

ABXとは?ABMやCXとの関連性は?

ABX(Account-Based Experience)は、近年急速に進化するビジネス戦略の一環として注目を集めています。この手法は、特定のアカウント(企業、クライアント)を中心に考えつつ、商品・サービスの購入・定着にいたる顧客体験にも焦点をあてた戦略的アプローチです。

ABXを理解するためには、関連する用語としてABM(Account-Based Marketing)とCX(Customer Experience)にも目を向ける必要があります。

ABMはアカウントを中心にしたマーケティング戦略であり、自社にとっての優良(潜在)顧客に対して個別にカスタマイズされたアプローチを行い、あらゆる角度から関係構築を試みるマーケティング手法です。

一方でCXは顧客が企業との接点で得る総合的な体験を指します。総合的な体験とは、機能や価格といった合理的な価値に加え、サービス・商品の検討から購入、利用定着までの過程における顧客の感情・経験といった情緒的な価値が含まれます。

従来のABMはその性質上自社が主語になっており、自社にとって価値のあるアカウントを特定し、関係構築を試みることに重点が置かれます。そのため、顧客にとって価値のある情報を提供できているか、情報を提供するタイミングが適切であるかどうか、が軽視されてしまう傾向にありました。

ABXでは、ABMとCXの考え方を融合させ、個別のアカウントに対して必要なタイミングに必要なアプローチを行うことを重視し、アカウント単位での顧客体験価値を最適化することに焦点をあてていることが特徴です。

ABXを実現するための方法とは?

ABXを実現するための最初のステップは、ターゲットとなるアカウントを特定することです。このステップは、従来のABMにおけるアカウントの特定と大きく変わりません。ABMについて、ABMツールについては下記のページでも解説していますので、ぜひご覧ください。

ABMとは?導入のメリットや成果を出すための戦略を徹底解説! | ブログ | ユーソナー▶

ABXの考え方では、特定したアカウントに対して適切なタイミングで適切なコンテンツを提供することが極めて重要なポイントです。アカウントにとって適切なタイミングと適切なコンテンツを図るためには、まずアカウントの購買における意思決定プロセスを理解することが必要です。

アカウントの意思決定プロセスの段階に応じて、特定のアカウントに対して適切かつ効果的なコンテンツやコミュニケーションを提供することで、購買意欲を引き出し、エンゲージメントを向上させることに繋がります。

また、ABXの実現においては、企業内の異なるチーム間での協力も欠かせません。セールス、マーケティング、カスタマーサポートなどが一体となり、アカウントに対して一貫性のあるエクスペリエンスを提供することで、顧客との関係を更に強化できるでしょう。

意思決定プロセスの段階を把握する方法とは?

アカウントの顧客体験を向上させるためには、アカウントが意思決定プロセスのどの段階に位置しているかを正確に把握する必要があります。そのために有効なアプローチが、データ駆動のアプローチです。

データ駆動でのアプローチでは、ファーストパーティーデータとサードパーティーデータを組み合わせて分析を行うことが重要になります。

ファーストパーティーデータとは、企業が顧客から直接収集するデータを表し、顧客との過去の接点や購入履歴、企業のウェブサイト上での行動情報などが含まれます。このデータは、特定の顧客の行動や傾向に関する最も正確な情報になります。

サードパーティーデータは、外部のデータプロバイダーや市場調査から得られるデータを表し、業界のトレンドや市場動向、競合他社の情報、外部のウェブサイト上での行動情報などが含まれます。このデータは、ファーストパーティーデータを補完し、特定のアカウントの動向をより広い市場や業界のコンテキストの中で理解するのに役立ちます。

中でも、顧客がどのような情報に興味があるのか、何に関心を持って情報収集を行っているのか、といったニーズを示す行動情報は、「インテントデータ」とも呼ばれ、意思決定プロセスの段階を把握するためのデータとして注目を集めています。

例えば、顧客が商品・サービスに関連する課題について調査・情報収集を行っていれば、意思決定プロセスの初期段階にいることが想定されます。一方で、具体的なサービス名や製品比較、価格に関する情報を求めている場合には、購入に近い段階にあるなど、顧客のインテントを把握することは、そのまま意思決定プロセスを把握することにもつながります。

ABXを実現するツール

ABX戦略を実現する際には、以下のようなツールやサービスが役立ちます。

  1. データ統合プラットフォーム 顧客データを集約し、ターゲットアカウントの動向や嗜好を可視化するために利用します。 顧客の特性と意思決定プロセスを把握することで、企業活動の効率化に繋がります。
  2. CRMシステム 顧客の組織や担当者の情報を管理し、購買履歴や過去のやり取りを一元化します。 顧客のステージを理解することで、購買意欲を引き出すアクションを計画します。
  3. コンテンツマネジメントシステム 特定のセグメントやアカウントに対してコンテンツをカスタマイズ・管理することが可能です。 良質かつ適切なコンテンツを顧客が求めるタイミングで提供する目的で活用します。
  4. ターゲティング配信ツール 広告キャンペーンを管理・制御するツールや、顧客単位で出し分けプロセスを管理するMAツールなど、顧客ごとに自動化されたアプローチを行うことができるツールを指します。
  5. データ分析・ビジュアライゼーションツール アカウントデータを分析し洞察を得ることで、次のアクションや行動の予測を行います。 顧客特有のニーズや類似する顧客群に見られる傾向を理解するうえで有益です。

おわりに

顧客体験を最適化し、長期的な顧客関係の構築を図ることは、顧客中心のビジネス哲学として、企業が持続可能な成長を達成するための重要な戦略になります。

ABX戦略の成功は、アカウントごとの独自のニーズと意思決定プロセスを深く理解することが重要です。データドリブンなアプローチにより、企業は各アカウントがどの段階にあるかを正確に把握し、適切なタイミングで最も効果的なコンテンツを提供することができます。

弊社が提供する顧客データ統合ソリューション「ユーソナー」には、国内最大級の企業情報データベースが搭載されており、弊社が独自に収集した企業の属性や特徴を一元的に可視化することができます。また、企業が持っている興味関心を具体化する「インテントデータ」の提供機能も搭載しており、SFAやCRMと連携させることでより深い顧客インサイトを導出することが可能です。

詳細についてはぜひこちらのページから、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

uSonar

ユーソナー編集部

MXグループ・編集長

ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。

【BtoB調査レポート】「市場開拓」におけるデータ活用の実態調査

ユーソナー株式会社では、BtoB企業の市場開拓におけるデータ活用の実態について、経営企画職の方500人を対象にアンケート調査を実施し、レポートにまとめました。 営業・マーケティング活動を強化・改善していくためのヒントやきっかけとしていただければ幸いです。

フォームに必要事項をご記入いただくと、無料で資料ダウンロードが可能です。

サービスやイベントに関する情報の受け取りはいつでも停止することができます。当社規定に関しては、「プライバシーステートメント」をご確認ください。

ユーソナーは業種・業界問わず
様々な企業において活用いただいております。

  • Ministry of Economy, Trade and Industry.
  • Asahi
  • BIZ REACH
  • NITORI BUSINESS
  • FUSO
  • MIZUHO
  • PayPay
  • Ministry of Economy, Trade and Industry.
  • Asahi
  • BIZ REACH
  • NITORI BUSINESS
  • FUSO
  • MIZUHO
  • PayPay
  • RICOH
  • 弁護士ドットコム
  • りそな銀行
  • SAKURA internet
  • SATO
  • 株式会社そぞん情報システムズ
  • Suzuyo
  • RICOH
  • 弁護士ドットコム
  • りそな銀行
  • SAKURA internet
  • SATO
  • 株式会社そぞん情報システムズ
  • Suzuyo

ITreview Grid Award 2024 Summer
リーダー認定4部門

  • ITreview Grid Award 2024 Summer
  • 企業データベース
    ABMツール
    営業リスト作成ツール
    名刺管理ソフト

Salesforce Japan Partner Award 2023
AppExchangeビジネスの中で最も秀でたパートナーと評価

Salesforce Japan Partner Award 2023

ユーソナーなら、
貴社の課題も解決へ導きます!

導入事例サンプルレポート
ダウンロード

すべての『資料』を見る
導入事例やサンプルレポートをダウンロード

お急ぎの方はお電話にて03-5388-7000受付時間 10:00 〜 19:00(土日祝休)

データ活用による営業DXの決定版

サービス資料

5分で分かる ユーソナー

5分で分かるユーソナー

資料ダウンロード