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バイヤージャーニーとは?カスタマージャーニーとの違いやメリット、作成方法も解説!
更新日: 2024年5月15日
近年、インターネットの普及・発展に伴い、BtoBの購買プロセスにおいても商品・サービスの購入にあたって、顧客が自主的に情報収集を行った上で選定を行うことが当たり前となっています。
その一方で情報収集が容易になったことが、かえって顧客の購買プロセスを煩雑にしてしまうといった弊害も発生しています。具体的には、顧客が入手可能な情報が多くなりすぎることで、情報収集や比較検討にかかる手間が増加する傾向にあります。その中で注目を集めている概念が「バイヤーイネーブルメント」です。
バイヤーイネーブルメント実現のためのポイントなどを解説します。イネーブルメントを実現するための機能に加え、弊社「ユーソナー」が独自構築した日本最大級の企業データベースを活用した「バイヤージャーニー」の作成方法についても解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
目次
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バイヤーイネーブルメントは、企業が顧客に対して購買プロセスを進めることを目的に提供する情報を表します。広義では、この情報を顧客に対して提供するための施策や戦略自体のことをバイヤーイネーブルメントと呼称する場合もあります。
バイヤーイネーブルメントを提唱したガートナー社は、以下の4つのポイントを満たす情報をバイヤーイネーブルメントと定義しています。
顧客が直面する特定の課題に関連していること
顧客が迅速かつ効果的に使用することが容易であること
顧客が意図した購買プロセスを進めるうえで有用であること
データと事実に裏打ちされた信頼性のあるものであること
これらに共通する重要なポイントが「顧客目線」であることです。単なる商品紹介にとどまらず、顧客の購買プロセスを意識したうえで、これを進めるために必要な情報を提供することが重要になります。
顧客の購買プロセスを理解する手法としては、「バイヤージャーニー」を作成することがおすすめです。バイヤージャーニーついては、下記の記事で詳細に解説していますので、是非ご覧ください。
バイヤージャーニーを把握することで、商品・サービスを購入するにあたって、顧客がどのようなステージを経由し、ステージを進行させるためにどのような情報を提供すべきなのか、が理解しやすくなります。
前述したバイヤーイネーブルメントの定義を満たすコンテンツにはどのようなものがあるでしょうか。
ガートナー社は上述したバイヤーイネーブルメントを満たすコンテンツとして以下の7つを挙げています。
顧客自身で課題に関する分析を行うためのデータや機能を提供する。
顧客の現在の状況を評価し、選択肢の特定に役立つフレームワークを提供する
購買に関わるステークホルダー全員が共通認識を持つために必要な情報を提供する。
顧客自身の情報入力に基づき、明確な選択肢を提供する。
顧客の購買活動を通じて顧客を導くためのアドバイスを提供する。
顧客が入手することが難しいデータを使って、競合商品・サービスとの比較情報を提供する。
商品・サービスを導入することでどのような効用があるかを試算するツールを提供する。
バイヤーイネーブルメントを満たすコンテンツを作成する際には、まずは上記の7つの例を参考に進めることが近道と言えます。
一方で、これらの例には該当しなくても、前述したバイヤーイネーブルメントの定義に合致する情報であれば顧客の購買プロセスを進める上では効果的です。商品やサービスの特性や市場・業界の特徴などを考慮して、自社にあったエンゲージメントポイントを設計する必要があります。
バイヤーイネーブルメントを成功させるために重要なもう一つの要素が「タイミング」です。せっかくバイヤーイネーブルメントを満たすコンテンツを作成しても、適切なタイミングに必要な情報を提供することができなければ、バイヤーイネーブルメントを実践することはできません。
誤ったタイミングでの情報提供はリソースの無駄うちだけにとどまらず、顧客にサービスへのネガティブな印象を与える可能性や、信頼性を損なう可能性など、顧客体験の悪化につながる危険性もあります。
情報提供の適切なタイミングを図るためには各顧客が購買プロセスにおけるどのステージに位置しているか、を把握する必要があります。
購買プロセスの後期においては、顧客と営業担当者間での双方向のコミュニケーションを行うことで、購買プロセスにおけるステージを捉えることが可能です。
一方で、購買プロセスの前期においては、企業からの一方向の情報発信となりやすく、顧客の購買ステージの特定が難しい傾向にあります。このような場合には、購買者のウェブサイトでの閲覧情報や行動情報などからステージを推定する必要があります。
バイヤーイネーブルメントを実現する上で、以下のようなツールやリソースが役に立ちます。
事例やホワイトペーパーといった顧客の興味を引くコンテンツの作成と管理を行います。
ターゲットやステージごとに異なる課題やニーズに合わせた情報提供に活用します。
顧客のニーズに応じた情報やサポートを提供するための対話やタスクの管理が可能です。
顧客との信頼関係を構築しつつ、過去のやりとりから顧客のインサイトを洞察します。
顧客に関する情報を管理・統合するCRMやDWHといった機能を有しています。
適切なタイミングで情報を提供し顧客との信頼関係を構築するために活用します。
サポート窓口や情報ポータルといった、情報提供とフィードバック共有が可能なリソースを用意し、顧客行動の分析やセグメント化に活用するデータを取得します。
上記のようなツールやリソースを組み合わせて活用する上で、「バイヤージャーニー」を進めていくための「バイヤーイネーブルメント」を実現することが可能です。
ユーソナー株式会社では独自の「バイヤージャーニー」の作成方法として、「顧客ペルソナ」「顧客ステージ」「エンゲージメントポイント」の3つを明確に定義することがポイントであると考えています。
下記の記事で詳細に解説していますので、是非ご覧ください。
バイヤーイネーブルメントは、企業と顧客の双方にとってメリットのあるアプローチです。
バイヤーイネーブルメントを意識することで商品・サービスの選定段階で競争優位性を確立すると同時に、信頼関係の構築による長期的な取引関係への発展にもつながる戦略です。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
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