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営業DXとは?5つの効果や重要性、成功のポイントを徹底解説!
更新日: 2023年5月12日
日本の法人営業では生産性の低さがよく指摘されており、業務の効率化が大きな課題です。どのように取り組めば営業効率を改善することができるのでしょうか?その鍵の一つが、「データ活用」だと言われています。
本記事では、データ活用による営業効率アップのポイントについて解説します。
・営業業務に無駄があると感じている
・営業活動を効率化して、少ない時間で成果を上げられるようにしたい
・チーム全体、会社全体の営業効率をアップしたい
・すでにデータ活用に取り組んでいるが効率化に至ってない
という方はぜひご覧ください。
目次
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近年、営業分野でも各社で取り組まれているDX。その推進により、多くの企業がSFAやCRMなどさまざまなデジタルツールを導入して、営業効率をアップし成果を上げているはず・・・
そのような印象をくつがえす調査結果が発表されました。
2023年2月にHubSpot Japan株式会社より発表された第4回「日本の営業に関する意識・実態調査2023」では、「日本の営業活動における無駄な時間」は、1年前の同調査から約1,500億円分増加し約1兆円にのぼっているという結果に。
DX推進に取り組む企業は増えているものの、目的の一つである営業の効率化を実感するには至っていないという状況が見えてきます。
営業効率が悪くなる要因とはいったい何なのでしょうか?営業活動のなかで発生する無駄や非効率について、2つのパターンを見ていきましょう。
顧客データに有益な情報が入っておらず、「ここが良さそうだ」と直感に頼って訪問した先で無駄な時間を使ってしまう・・・これでは移動の時間も商談の時間も無駄になり非効率です。
優先順位やステータスなどが管理されておらず、顧客リストにかたっぱしから電話をかけて断られ続ける昔ながらの営業スタイル。時間の無駄もさることながら、担当者のメンタルも心配です。
このような顧客にこのようなアプローチをして成約に結びついた、という情報が担当者間やチーム間で共有されておらず、各人のセンス任せとなっている。バラバラに動いているので、そこかしこで同じような失敗が繰り返されている。これではせっかくの成功体験が無駄になってしまいます。
みなさんもどれか一つは身に覚えがあるのではないでしょうか?
これらの事例に共通する要因が一つあります。それは、営業活動のなかでのデータ活用がうまくできていない、という点です。
「顧客データなら持っているし、営業に使っているよ」という企業は多いでしょう。しかしながら、それだけでは、正しいデータ活用とはいえません。それでは、データ活用とはいったい何でしょうか?
「営業でのデータ活用」とは、文字通り、集めたデータを活用して営業活動を行うことです。データの数値をもとに何かを判断したりアクションを起こしたりすることを言います。
今までのような勘やセンス、経験といったものに頼っていた営業手法ではなく、データを集めて分析することでパターン化して決定していきます。
取り扱うデータは「顧客データ」が主になりますが、営業成績や成果タイミングなどの「営業活動に関するデータ」も重要です。
再度、前述の3つのパターンで、データを活用するとどうなるか見てみましょう。
顧客データに確度を判断できる情報が蓄積されていれば、そのパターンに従って確度の高い見込み客を抽出し、各訪問に対する成約率を向上させることができます。例えば業種や企業規模に応じて成約率が異なる場合、成約率の高い層にアプローチする、などの戦略を立てられます。
顧客データの属性や現在のステータスが情報として管理されていれば、アプローチする先や方法を、データに基づいて絞込み、優先順位を決定することができます。順番を決めずに上からやみくもに当たっていく、という方法を変え、ヒットしやすい見込み客から順に接触することができるようになります。
成績のよい営業担当者の手法をデータの集積により見える化し、標準化してチーム内に浸透させることで、属人化から抜け出し、チーム全体の成績を底上げすることができます。どのようなタイミングで訪問しているのか、どのようなトークスクリプトを使っているのかなどをセンスに任せるのではなく、データ化して蓄積し共有します。
このように、データ活用を進めることで、営業活動を効率的に行うことが可能になります。
データ活用の考え方は、マーケティングから先に浸透してきたものの、営業活動においてはまだ実践されていない企業が多いのが実際のところです。
今のうちから営業活動でのデータ活用に真剣に取り組むことで、競合に一歩先んじることができるでしょう。
データ活用による営業効率化に取り組む場合、以下のステップで進めていきます。
1. データを集める
2. 集めたデータの整理
3. 担当者への周知
4. 運用によるブラッシュアップ
まずは、あちこちに散らばっている顧客データや営業活動に関するデータを集めて一元化するところからスタートします。どのような項目を情報として管理するかの決定も重要です。
集めたデータはExcelやスプレッドシートなどで整理することもできますが、全社や部門全体など、広く効率化を目指すのであれば、SFAなどのツールの活用も検討していきましょう。
集めたデータをどのように使うか、また継続的にデータを集積するためにどのような作業が必要か(ツールへの入力など)を担当者に周知し、データを活用した営業業務を浸透していきます。
データが集まりツールを導入できたら、運用しながら分析・改善を繰り返してPDCAを回します。
データ活用の導入はデータの集め方・ツールの導入・担当者への周知徹底など、専門的で難しい側面もあります。専門家に相談することも視野に入れると、導入の成功率が上がるでしょう。
SFAなどのDXツールを導入し、データを集めデジタル化して、ツールに入れてみたものの、以下のような失敗をしてしまう企業も多くあります。
集めたデータをどのように抽出(フィルタ)して、どのようにアプローチすればいいか、あらかじめ設計しておくことが肝心です。
そうでなければ、「溜まった顧客データにかたっぱしから電話をかける」といった非効率な営業活動に逆戻りしてしまう可能性もあります。
データ活用においては、データの切り取り方がとても重要です。
膨大なデータのなかから、どんなふうに情報を取り出すか、しっかり決めておきましょう。それを設計することが、属人化しがちな営業プロセスの標準化にもつながります。
顧客の情報は、営業活動に伴い日々アップデートされていきます。「今どのようなステータスか」という情報は特に重要で、この情報がアップデートされずに漏れてしまうと、正しい情報が担当者に伝わらず、無駄な営業活動につながってしまいます。
また、二重入力により重複したり、一部の項目が不足したり・・・など、データの質が下がってしまうとデータへの信頼度が下がり、ツール導入の効果が薄れてしまいます。
顧客データの質を維持することは、営業の効率化にとって、非常に重要な要素です。
これらのポイントを押さえておけば、「新しいツールを導入したのにうまく活用できなかった」という失敗を避けることができるでしょう。
今回は、営業効率をアップするためのデータ活用のポイントや、導入ステップ、陥りがちな失敗とそれを防ぐ方法について解説しました。
今、購買活動は、価格や製品・サービスの内容だけではなく「企業への信頼」で買う時代だと言われます。冒頭でご紹介したHubspotの調査でも、購買意思決定における最重要要素は「信頼できる企業であること」との調査結果がでています。
営業効率を上げる意義は、効率化した時間とコストを、確度の高い見込み客との信頼形成に充てられるという点にあります。また、浮いた時間を「次の効率化への取組み」に充てることもできます。
もちろん、営業担当者の就労時間の健全化やメンタルヘルスにも役立ちます。
ぜひみなさんも、データ活用に取り組んで営業効率をアップし、一歩先の営業スタイルを作っていきましょう。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
ユーソナーは業種・業界問わず
様々な企業において活用いただいております。
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