Salesforce連携 顧客データをリッチ化
三菱UFJ銀行、法人営業力強化へユーソナーを導入 ~顧客データの正確性・最新性を担保、お客さまに喜ばれる営業像を実現へ~
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ABM戦略が加速
IT・SIer・SaaSサービス定着支援
INTERVIEWEE
自らを「デジタルインテグレーター」と定義し、オーソドックスなSIer事業だけでなく、自社開発のSaaSサービス提供、Salesforce各製品の定着支援まで幅広く展開する株式会社セラクグループ(東証スタンダード上場、連結従業員数3480人)。その営業対象はITニーズをもつあらゆる法人であり、営業スタイルはABM(アカウント・ベースド・マーケティング)そのものです。23年5月にユーソナーと名刺ソナー(23年12月に名称変更。以下mソナー)を一括導入して以降、ABM戦略が一気に加速、定めたROI目標に比べ180%の伸びを示し好調といいます。ユーソナーの基本機能からAI(機械学習)などの最新機能まで具体的に使い倒しているセラク様に、目指すABM戦略とユーソナーの活用メリットを、詳しく語っていただきました。
導入前の課題
導入の決め手
得られた効果
まずセラク様の業種やサービス内容について、簡単にご説明ください。
安部
株式会社セラクの事業の柱は、大きく二つあります。一つ目はデジタルインテグレーション事業です。ITシステム・インフラの運用支援を主体としたシステムインテグレーション領域と、専用子会社セラクCCCによるSalesforceを主としたクラウドシステムの定着活用支援という領域から構成されています。二つ目は、農業を主とした一次産業向けのSaaSである「みどりクラウド」と法人向けChatGPTサービスである「NewtonX」によるネットサービス事業となります。
今回のユーソナー製品導入の前提にあるのが、Salesforceの社内活用です。当社は2007年ごろからのSalesforceユーザーです。日々のパイプライン管理や当社で重要となる人材採用の歩留まり管理、面接官ごとのパフォーマンス分析から契約書・会計など、販売管理だけでなく基幹システムのほとんどをSalesforceで動かしており、慣れ親しんでいる社員が多いです。導入の初期段階に自ら触れていくなかでSalesforceを自社で使いこなすことが大変難しい、と感じたことをきっかけに、市場でもこのニーズが存在すると仮説をたて、2013年から定着支援サービスとして事業化しています。
既存のSlerと違い自社開発したSaaSプロダクトを提供しているだけでなく、Salesforceを自社で活用したノウハウをもとに定着支援サービスを展開している点もユニークですね。続いて、ご所属や業務ミッション、ユーソナーとの関係についてお聞かせください。
安部
セラクCCCの事業責任者と「NewtonX」の営業責任者を主たる業務としながら、兼務でセラク本体の営業戦略推進室のマーケティング担当をしています。今回、グループ全体におけるユーソナーの活用・定着、展開を担当しています。ユーソナー導入においてはSalesforceと密連動するため、セラクCCCの担当が主として担っています。
A・J
私はセラク本社の横浜支社、営業部の所属です。日常のミッションとしては、システムインフラに関するエンジニア常駐ニーズなど、マネージドサービスに関する提案活動をしています。今回のサイドソナー、mソナーなどユーソナー製品の導入・自社活用プロジェクトにおいては、現場側の目線での要望とりまとめや、実際に使って成果を出すためのリーダー役です。ユーソナーのサービスを営業メンバーがどのように使えばより効果が出るか、検討ミーティングの設定やファシリテーションをしています。
ありがとうございます。ユーソナー製品は、営業全体や営業の最前線で、どのような目的・役割を果たしているでしょうか。ざっくりした大枠や規模をお聞かせください。
安部
まず新しいお客様を探すいわゆる「新規開拓営業」が、ユーソナーを使う目的です。その上で、当社グループ全体として、まだ入り込みが浅く一部の部署様としか接点がつくれていないといったお客様企業への深耕営業。この2つがメインの用途です。
A・J
活用の規模としては、全国の営業メンバー70~80名に絞って、まず使い始めています。各事業部のなかの課長クラスや若手メンバーを2名ほどずつアサインしています。かなり使い込んでいるメンバーも出ていますし、徐々に全体のアクティブ率を増やしていきたいと考えています。特徴は、グループ横断で全国各地で使っていることです。セラク本体の東京首都圏3事業部、COMPANY事業部、みどりクラウド事業部、NewtonX事業部と全国4地方支社である横浜、名古屋、大阪、福岡、セラクCCCなど10を超える部門・支社で使っているんです。
かなりの規模で使って下さっているんですね。ありがとうございます。
導入前の課題
法人営業においてABM戦略を進めたいが、企業データの粒度に課題があり難航...費用対効果が問われる事態に
ここからは、ユーソナーを知ったきっかけや、そもそもの導入前の課題を、改めてお聞かせください。
安部
2018年に業務提携したご縁があり、ユーソナーについて知っている者はいたんですが、実は、法人営業のABM戦略を進めるうえでは、別の企業データ提供サービスと名刺管理サービスを契約していました。しかし、コストに対して狙っていた効果がなかなか出ないのが課題でした。経営陣からABMはどうなっているんだ?という話が出てしまったのです。
率直に教えていただき、ありがとうございます。ユーソナーの導入・ご利用を決めた経緯について、さらに詳しくお聞かせ下さい。
安部
冒頭で申し上げたとおり、私たちはSalesforceの定着支援サービスをお客様に提供しているわけですが、その一方、自らの営業における新規開拓の質をもっと向上させたいとの課題がありました。またABM戦略をしっかり推進すれば、Salesforceを更に徹底活用していけるという可能性を感じてもいました。ABMとは、顧客を1社ずつの単位でとらえ、部門ごとなどで進捗をみていく営業スタイルのことですが、データの時代にフィットした、効果的な法人営業戦略だと思います。
ABM戦略を進めるには、一般に、次の4つがポイントだと考えられています。
1:外部の企業データ提供サービスとSFAを連結させる
2:SFAに格納してある自社の顧客データに対し、最新の外部企業データを付加する
3:SFA内のデータがクレンジング名寄せされ一元化される
4:営業が名刺交換した情報を管理し、SFAも連携させる
この4つの課題を一気に解決するため、他社製品からユーソナーに入れ替えようと、改めて比較検討しリプレイスさせていただいた、という次第です。
導入の決め手
データ粒度がきめ細かく、全国の法人企業を事業拠点単位で把握できる
経営陣からABM戦略推進のROIを問われていたとは、かなりの重大局面ですね。
安部
はい、経営陣からは、ABM戦略推進のためとはいえユーソナーに入れ替えれば本当にROI、効果が出るのか?と心配されていました。私たちABM戦略の推進側も、もし初年度で初期投資を回収してROIを示せなければ契約続行はできないなとの危機感すら持っていました。
ユーソナーに切り替えればROIが出せると思っていただけたあたりを、もう少し明かしてください。
安部
はい。完全な新規開拓営業での活用はひとまず置き、まずは全国の支社・事業部をまたいだクロスセルを活性化するシーンにおいてユーソナーを徹底活用しようと考えました。そうすれば確実に導入効果が出るであろうと。そう言い切れたのは、ユーソナーのデータは全国の企業を事業拠点の粒度でしっかりコード体系化している、ということを知っていたためです。
具体的には?
安部
ユーソナーのLBCコードを使えば、例えば名古屋と横浜など、当社グループの拠点をまたいだ顧客情報の共有が可能になるとの見通しがありました。それまで使っていた企業データ提供サービスは、本社単位の企業情報しかありませんでした。つまり「セラクはA法人のアカウント(契約口座)を持っているよ」という粒度での把握にとどまっていました。ですが、ユーソナーのデータと当社のデータを重ね合わせれば、「A法人は横浜支店と名古屋工場がある。セラクの横浜支社はアカウントを持っているが、名古屋支社はまだ契約できていない。ここは攻める余地がある」など、事業所という粒度でのお客様の把握が可能になります。このように可視化されれば、セラク横浜とセラク名古屋の間で、お客様情報の共有を進めることができ、アカウントに基づくマーケティング営業、本来のABMが加速するという確信がありました。
ユーソナーを使うことで、理想的なABM戦略が進んだということですね! 名刺管理に関しては、いかがでしょうか?
安部
名刺管理も大手のサービスを使っていましたが、23年5月に同時にmソナーに切り替えました。前のサービスは1~3年使っていた程度でしたので、さほどの混乱は起きないと思いました。むしろ現場に対しては「それぞれスタンドアロンのものを使うより、営業開拓システムに名刺管理がインクルードされたよ」と一括導入メリットが説明できると思いました。
導入を決めてから実際に開始するまで、どれくらい期間がかかりましたか。
安部
私がプロジェクトにジョインしてから3か月ぐらいでした。半年以内での導入・稼働は、企業データを扱うSaaS型サービスとしては非常に早いほうだと思います。
導入の効果
ROIが目標比180%超に、ABM戦略が加速/営業が「民主化」、自律的にリストを作成・活用へ/AI生成リストなど高度に使いこなす例も
いま、ユーソナー製品あわせてどのぐらいの導入効果と言えますか?
安部
ABM用データと名刺管理をあわせて一気に切り替えたことで、従来に比べ4割ほどコスト抑制できました。これは経営陣がまず気にしていたところなので大きなメリットでした。営業現場としてはそれだけでなく、ABM戦略が本格稼働したことにより、定めたROI目標対比ですでに180%を超えています。以前のスキームでSalesforceを使ってABMをしていたのでは、発揮できるSalesforceの力は限定的だったと思います。ユーソナーを入れたことでABMがきちんと顧客開拓として機能し始めたと言えます。細かなところでいうと、入力時の表記ゆれの解消など手間が軽減し、顧客に向き合う時間が増えたのはもちろんのこと、Salesforceに登録されている顧客ターゲット企業数が純粋に増えたことも大きな効果です。
営業戦略を進める立場うえで素晴らしい数値が出ましたね! 営業現場の皆さまの受け止めとしては、よい効果がありましたか?
安部
営業現場でも大きなメリットがありました。「ツールの民主化」とでも言えることが起きたんです。以前使っていたサービスは、コストの問題もあり、一部の上位レイヤーの者しか触れられない状況だったので、上位レイヤーの者が作成したリストをもとに現場が動くといったトップダウン的な情報の流れになっていました。ですがユーソナーさんが提案下さったスキームの場合、同じコストでも数多くの営業パーソンがログインできる環境をつくれることが魅力でした。現場の営業が自分たちでターゲティングリストを自在に作成できる。これにより、民主的といいますか、上から「やれ」と言われたマスターリストに対して営業アプローチしていくのではなく、自律的にアプローチしていく活力が生まれました。みんなが使える環境がそろったことで、「業界特徴」「市場浸透率」など全員で使う用語がそろい、コミュニケーション効率が上がったことも、目に見えにくいメリットです。
A・J
これまでは、マネージャー層は、企業の資本金・年商など与信要素を意識したターゲティングリストを作成する傾向があったのですが、ユーソナーを使うようになってから、業界に関する定義イメージがそろいましたし、ターゲティングリストをつくる手法が少しずつ標準化されてきたと感じます。 営業パーソン自身がアプローチ方法を考え自律性を伸ばす風土になる、という点もユーソナーを使うと「デジタルセールス」が機能していく気がします。
mソナーの特徴についてはどう評価していますか。
安部
前の名刺管理システムでは、交換した名刺を取り込むという最低限の動きはできていたのですが、名刺情報をマーケティング活動に使えていたかというと、そこまでではないです。mソナーはSalesforceを連携させることで、ダイレクトに名刺情報が蓄積されていくため、すぐマーケティングに使えています。
A・J
mソナーはサイドソナーとも連携しているので、サイドソナー側の「名刺将棋」の機能はよく使っています。前の名刺管理サービスでは、取り込んだ名刺の情報しか出てこない印象でしたが、名刺将棋では、同僚の誰がどの部署にアプローチしているかが見えるし、まだ名刺交換できていない役員の情報も出てくるので、すごく便利です。
安部
mソナーは名刺取り込みを中心に活用し、アプローチにはサイドソナーを使っている人が多いですね。取り込んだ名刺と関係なく企業データにつながるのは、ほかの名刺管理サービスと大きく違うところですね。
お使いの様子が生き生きと伝わって来るようでうれしい限りです。ほかにも新規開拓におけるターゲティングなど、どんな使い方をして下さっていますか?
安部
過去の取引顧客データの傾向、例えば年商や社員数といった類似度を機械学習して、未開拓ふくめ類似のターゲット企業リストを出してくれるAIエンジン「Rating2.0」は、すごいですね。当社では、事業部・エリア別に過去の顧客リストをRating2.0にデータ投入し、未来の顧客リストを出させています。すると、これまで見落としていたような企業などが発見できて、顧客リストの網羅性があがりました。
「ライブアクセス」の活用も取り組み中です。当社サイトを見にきてくれている企業を、IPドメイン単位で把握する試みです。リードになる前の潜在顧客はどの企業か、というところが見えてくる。様々な過去の行動データを起点として未来の顧客を見つけに行くデジタルセールスが、始まっています。
ミキサーはいかがですか?
A・J
かなり使い込んでいます。私だけのレアな使い方としては「企業要約」のキーワードで絞り込むこと。こんな企業あったんだ、と発見がある。他のメンバーもまだ回っていない企業にアプローチできたりします。
トランスはいかがですか?会社名しかないようなエクセルリストですら、アップロードいただければ住所や電話番号、会社規模など付与できます。 また、あらかじめ企業リストをプリセットしてある「ストーリー」はいかがですか?現在1500を超える種類があります。
A・J
確かに「トランス」は、Salesforceにまだ登録していない会社リスト、展示会でとってきた名刺のリストなどに正確な企業属性データを付与できますね。「ストーリー」は業種やIR(有価証券報告書)など色々な軸でリストをセグメントできるのも面白いです。当社では「SFA導入企業」「システム子会社」などのストーリーを見ているほか、インテントデータの「エンジニア採用」「データセンターに興味がある」などのリストは活用していますね。
今後の展望
法人営業を「データドリブン」「デジタルセールス」へ/ユーソナー駆使し、より新規開拓に注力へ
思わず根掘り葉掘り聞いてしまいました(笑)。今後の活用ビジョンやご要望はありますか?
安部
機能、使い方のくわしい説明は非常にありがたいです。さらに言えば、活用ケースをもっと知りたいです。他社さんがどのように工夫しているか、トライしてみてうまくいかなかったケースなども含めてTips集を充実させてほしいですし、他のユーザーさんとの情報交換、ユーザーコミュニティの充実、ユーザー会はお願いしたいですね。データ活用には失敗がつきもので、失敗もまた立派なデータなので、データ活用に取り組む者同士、お互い共有しあえればと思います。
ご指摘・ご提案ありがとうございます。最後に、今後はどういった取り組みを行っていくのか、「営業戦略論」をお聞かせください。
安部
これまでの法人営業、特に新規開拓はどうしても、個々人の過去のナレッジ、経験にもとづくという実態がありましたが、ユーソナーの活用がスタートして以来、ずっと当社でやりたかった、ABM戦略をはじめとする「データドリブンな営業」ができ始めています。
「過去の経験に基づいた狙い撃ちで新規が取れる」というのは正直レアケースで、再現性が低いですよね。それが、ABMによって、自分たちのデータに基づいた作戦がつくれる。先ほども述べましたが、その作戦は外れてもいいんです。外れたことも立派なデータなので、それをもとにまた作戦をたてればいい。こういった営業サイクルを、もっと回せればと思っています。
また強い営業組織は、新規開拓において結果を出しているし、新しいツールやシステムに対する受容性が高いように思います。そこはある程度、相関している気がします。実際にいま当社で新規案件をとってきている人たちはユーソナー製品を使いこなし始めた人たち、という傾向がありますね。
もちろん、まだ使えていないエリアもありますし、新規開拓はどうしても効率が悪いので、手をだしたがらない。目標をクリアするために、どうしても深耕営業に依存してしまいがちです。ですが、当社の営業は属人的なスタイルからABMによる「デジタルセールス」へシフトしていく、という方向性が、ユーソナーをいれたことによってはっきり見えて来たという気がします。
最後に、今回の自社でのユーソナー徹底活用を起点として、お客様向けのABMユーソナー×Salesforceの導入・定着支援サービスをリリースしたいと思います。営業活動は年々難易度を増すなか、必要とされるシステムは増え続けています。一方でそれを使いこなすことは日本企業にとって文化・スキルの面からあまりに難しい実態があります。ぜひ今回の自社導入と活用を良い事例として、クライアントに説得力ある提案を通して、日本企業の営業変革に貢献してきたいと考えています。
ぜひ引き続きご支援・連携できればと思います。本日はありがとうございました。
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