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法人データは「集めて終わり」ではない――使い続けられる価値を支える更新と整備

更新日: 2026年10月14日

取引先の住所が変わる。同じ企業が別々の名前で登録される。顧客を分析しようとしても、必要な属性情報が足りない。法人データは、一度集めれば、そのままずっと使えるものではありません。

大切なのは、企業の変化を反映する「更新」と、情報がどの企業・拠点を指すのかをそろえる「整備」です。この二つが、営業や分析、AI活用に使うデータの前提を支えます。

本記事では、ユーソナーが公開するLBCのメンテナンス実績とfreeeの導入事例をもとに、法人データを使い続けるための考え方を解説します。あわせて、更新と整備を日々の業務につなげる4つの運用ポイントを紹介します。

目次

昨日までの企業情報が、今日の判断に合わなくなることがある

法人データを使い続けるには、企業の変化を反映する更新と、同一企業・拠点を正しく捉える整備の両方が必要です。

例えば、取引先が移転した後も旧住所のデータが残り、別の担当者が新住所で同じ企業を登録したとします。郵送物が戻ったり、顧客リストで同じ企業が別々の取引先として集計されたりすることがあります。

この場合、必要なのは住所の書き換えだけではありません。同じ企業かどうかを確かめ、分かれた情報をどう扱うか判断し、その後の業務でも整合性を保つことです。

法人データの価値は、収録した情報量だけでなく、企業の変化に対応し、業務で使い続けられる状態を保てるかにも左右されます。ユーソナーが目指す「法人データインフラ企業」にとって、継続的な更新と整備はその土台となる仕事です。

約110万拠点の項目更新。その数字が示す、収録後の仕事

ユーソナーは、法人企業データベース「LBC」のメンテナンス状況を公式サイトで公開しています。2026年9月の実績は次のとおりです。※1

  • 項目更新拠点数:1,096,948拠点
    項目更新拠点数として公表されている実績です。
  • 新規発番拠点数:39,461拠点
    新規発番拠点数として公表されている実績です。
  • 削除拠点数:3,612拠点
    削除拠点数として公表されている実績です。

これらは、企業数ではなく、本社・事業所を含む「拠点数」として公表されている数字です。「項目更新拠点数」も、更新された項目の総数ではなく、拠点数として掲載されています。

新しい情報を加えるだけでなく、既存情報を見直し、必要に応じて削除する。そこには、データベースは一度構築すれば完成するものではなく、収録後も維持していく必要があるという性質が表れています。

ただし、この月次実績から、全拠点の全項目を同じ頻度で確認していると読み取ることはできません。更新数の大きさだけでなく、何を数えた数字で、どこまでを示すのかを理解することも、データを評価する上で大切です。

更新は「変化を反映すること」、整備は「同じ相手を正しく捉えること」

企業情報が新しくなっていても、その情報がどの企業・拠点に属するのか分からなければ、営業活動や分析には生かしにくくなります。

同じ名称でも別の会社であることがあります。反対に、旧社名や略称など、異なる名称が同じ企業を指していることもあります。本社と支店、営業所、工場をどの単位で扱うかによっても、集計結果は変わります。

そのため、文字の表記をそろえるだけでなく、情報が指している相手を見極め、企業と拠点の関係を踏まえて整理する必要があります。

ユーソナーの名寄せ・クレンジングでは、LBCを照合の辞書として活用し、顧客データの重複整理、古い情報の更新、不足項目の補完を行います。また、LBCのコードを用いて、同一拠点や本社・支社などの関係を紐付け、情報を整理します。※2

「情報を新しくすること」と「どの企業の情報かをそろえること」。この二つを合わせて考えることが、データを判断の材料にするための出発点です。

freeeの事例に見る、データ整備と顧客理解のつながり

更新や整備は、データをきれいにすること自体が目的ではありません。その先にある、顧客を理解し、施策を考えるための仕事につながってこそ意味があります。

2026年6月15日に公表されたfreeeのプランソナー導入事例では、中小規模の法人に対する属性情報の不足と、Salesforce内の取引先データを法人番号・拠点単位で十分に特定できていないことが、課題として挙げられていました。※3

同事例では、LBCを搭載するプランソナーの導入により、Salesforce内の取引先データへの企業属性情報の補完と、LBCを共通キーとしたデータ整理を進めたことが報告されています。※3

企業属性の補完とは、社内データだけでは不足していた業種や規模などの情報を加え、顧客像を捉える材料を増やすことです。誰に、どのような切り口でアプローチするのかを考える際、その前提となる情報を整える役割を担います。

なお、同事例で示されているコンバージョン率の向上や、データメンテナンスの費用・時間の削減は、期待される効果として説明されています。実現したデータ整備と、今後期待する事業成果は分けて捉える必要があります。※3

AI活用でも、まず確かめたいのは入力するデータ

企業情報をAIへの入力に使う場合も、更新と整備の考え方は変わりません。

以下は、データの状態が判断材料にどう影響するかを説明するための想定例です。企業規模に応じて提案先の候補を選ぶ場合、規模を示す情報が欠けていれば、候補選定の材料が不足します。旧情報と新情報が混在していたり、同じ企業が重複していたりすれば、出力を確認する担当者が元のデータまでさかのぼって調べることもあり得ます。

AIへの入力を準備する際は、少なくとも次の三つを確認しておきたいところです。

  • どの時点の情報か
    情報の確認時点や更新時点を把握し、用途に照らして古すぎないかを確かめます。
  • どの企業・拠点の情報か
    同名の別企業や、本社と支店の取り違えがないかを確認します。
  • 判断に必要な項目がそろっているか
    業種や規模など、処理に必要な情報の不足を把握します。

データを整えれば、AIの出力が必ず正しくなるわけではありません。それでも、入力の前提を確かめられる状態にしておくことは、出力を検証し、実務で利用するための支えになります。

更新と整備を業務につなげる、4つの運用ポイント

外部の法人データを取り込むだけで、自社の運用が決まるわけではありません。更新・整備の結果を業務に生かすために、次の4つを整理しておくことをおすすめします。

  1. 管理する単位を決める
    取引先を法人単位で管理するのか、支店・営業所・工場などの拠点まで分けるのかを明確にします。営業活動と経営分析で必要な単位が異なる場合は、その関係も整理します。
  2. 更新する項目と確認のタイミングを決める
    住所、社名、業種、企業規模など、業務で使う項目を洗い出します。どのタイミングで更新結果を確認するかも、利用目的に合わせて決めます。
  3. 照合できないデータの確認担当を決める
    すべてのデータが、そのまま照合できるとは限りません。判断がつかない情報を誰が確認し、どこに記録するかを定め、未確認のまま放置しない流れをつくります。
  4. 更新結果の反映先と扱い方を決める
    どのシステムへ反映するのか、自社で入力した情報と外部データが異なる場合にどう扱うのかを整理します。取引履歴や担当者情報との関係にも注意が必要です。

最初からすべてを整えようとするより、まずは一つの業務を選び、「その判断に必要な情報は何か」から始めると、整備の目的を具体化しやすくなります。

情報を確かめる時間から、その先を判断する時間へ

法人データは、長く使うほど企業の変化とのずれが生まれ得ます。そのずれに対応する更新と、企業・拠点を正しく捉える整備は、データを使い続けるための仕事です。

営業担当者が商談の準備をするときも、分析担当者が顧客を集計するときも、目指したいのは「どの情報が正しいのか」を確かめる作業に追われる状態ではありません。信頼できる前提をもとに、次の提案や施策を考えられる状態です。

ユーソナーは、法人データインフラ企業を目指し、継続的な更新と整備を通じて、顧客が法人情報を使い続けられる基盤を支えていきます。

自社の顧客データに重複や旧情報、属性情報の不足がある場合は、まず管理単位と利用目的を整理してみてください。名寄せ・データ統合の仕組みを詳しく知りたい方は、ユーソナーの名寄せ・データ統合の解説ページをご覧ください。


出典・参照資料
※1 ユーソナー「法人企業データベースLBCのメンテナンス状況」(2026年10月1日現在、2026年9月の実績)
https://origin.usonar.co.jp/service/lbc-realtime/
※2 ユーソナー「各システム間のデータ統合を実現する名寄せとは」
https://origin.usonar.co.jp/howto/identify/
※3 ユーソナー株式会社「freee、Salesforceデータ基盤の精度向上へ『プランソナー』導入」(2026年6月15日公表)
https://usonar.co.jp/case/20260615_1796.html

この記事を書いた人

uSonar

ユーソナー編集部

MXグループ・編集長

ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。

ユーソナーは業種・業界問わず
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