このところ、IT業界関係者や投資家の間で「SaaSの死:SaaS is Dead」「SaaS is Weak」といった議論が活発です。
生成AIの急速な普及をきっかけとして、SaaS企業の株価が一時、大幅に下落するなどしたため注目されています。
本ブログでは、これらの議論の見方を説明するとともに、ユーソナー自身のSaaSビジネスモデルとの関係性について述べていきたいと思います。
更新日: 2026年2月20日
このところ、IT業界関係者や投資家の間で「SaaSの死:SaaS is Dead」「SaaS is Weak」といった議論が活発です。
生成AIの急速な普及をきっかけとして、SaaS企業の株価が一時、大幅に下落するなどしたため注目されています。
本ブログでは、これらの議論の見方を説明するとともに、ユーソナー自身のSaaSビジネスモデルとの関係性について述べていきたいと思います。
目次
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この議論の発端を探すと、2024年末にマイクロソフトのサティア・ナデラCEOが、SaaSなどの業務ツールはAI時代を迎えて変貌するといった発言が発端だとの説が有力なようです。
以後、様々な意見が一部SaaS業界内を中心に交わされます。実際にこの潮流を踏まえてビジネスに変化を加える動きもありましたが、議論としてはその後、沈静化していました。
ところが2026年に入り、1月30日に米国の生成AIベンチャーのAnthoropic(アンソロピック)社が、業務用AI 「Claude Cowork」に関する革新的な実装を発表。これが様々なオフィス業務の効率を一気に上げるものとして注目され、日米ともSaaS株が一気に下がる現象が起きました。
「いよいよ本格的な業務AIが出てきた」「SaaS市場はAIに代替されるのではないか」との連想が広がったわけです。しかし、より詳しく冷静に見ていくと、AI時代に「淘汰されるSaaS」と「生き残るSaaS」の違いがありそうです。それはいったい何なのでしょうか?
ここではSaaS(Software as a Service)企業を以下のように定義します。
・インターネット経由で利用: インストールや物理的なパッケージ購入が不要
・サブスクリプション方式: 従量課金や月額/年額の契約制
・ベンダーによる管理・更新: 保守・管理・最新アップデートはサービス事業者が実施
・マルチテナント構造: 1つのシステムを複数の顧客で共有する形式
・クラウドベース:データはネットを介したクラウドに保存され社外からもアクセス可能
・メリット: 導入コスト低、保守不要、複数人で同時作業可能、迅速な導入
・デメリット: カスタマイズ性が低い、インターネット環境必須、セキュリティリスク
・業務効率化 、コミュニケーション、顧客管理・営業支援、HR・バックオフィス
では、このなかのどういった特徴が「Dead」や「Weak」だと見られているのでしょうか。
交わされている議論を丹念に見ていくと、AIの影響をこうむるのは、次の3つの特徴だと思われます。それは、「ID課金」「UI接点」「システム内製」です。
「導入した企業内のユーザー人数が増えれば増えるほど、顧客企業はSaaS企業に料金を払う」という構図でした。しかし、生成AIの登場によってこの構図が崩れていく。AIが人間の仕事を肩代わりするようになれば必要な「人間の数」が減り、契約ID数は減少していく。効率化が進むほどSaaSビジネスは減収するのではないかというわけです。
「さまざまな機能を使いやすいUI(ユーザーインターフェイス)経由で提供する」のもSaaSの価値です。ここがAIの進化に伴って急速に陳腐化していくとの主張です。
人間むけのUIデザインかどうかに関わらず、どんなLLM(大規模言語モデル)も、データを投入しさえすれば業務に必要なアウトプットが可能だからです。優れたUIというだけでは契約を続ける理由が消滅しかかっている、というわけです。
SaaSベンダーが提供するサービス、システムそのものが、便利なAIで内製できるので、代替されてしまうのではないか、という論点です。ソフトウェアエンジニアの代わりに素早くコーディングしてくれるAIも出てきており、自社流のカスタマイズも自在にできるため、SaaS企業に定額コストを払い続ける意欲が失われてゆく、というわけです。
こうして見ていくと、SaaS企業が持つ強みのうちのいくつかがAIにより打ち消されつつある、というのが議論の実態です。SaaSのもつ特徴のすべてが弱くなった、というわけではありません。「SaaSの死」論争は、「機能提供型SaaSの相対的な衰退」を意味していることがわかります。
ユーソナーは、企業のお客様に対しクラウド型で価値提供をしています。その点ではSaaSと言える部分もありますが、提供している価値は、当社固有のデータです。そのため、他のSaaSとは立ち位置が異なります。
私たちの強みは、私たちが保有する法人企業データベース「LBC(Linkage Business Code)」を、企業のお客様に提供することです。LBCは1250万件の事業拠点を網羅した企業マスターデータです。インターネット上にある企業情報の収集や分類はもちろん、1990年の設立以来、35年以上にわたって独自に構築してきた、代替不可能で、再現困難なデータ資産で構成されています。
以下に、AI時代に高まるユーソナーの強みを、3つ述べます。
今から私たちと同規模のデータベースを構築しようとすれば、やはり長い時間と膨大なコスト投下が必要です。AIの登場によって「機能開発」の壁は低くなりつつありますが「オリジナルなデータ蓄積」の価値は変わっていません。
生成AIやAIエージェントが企業の意思決定支援に本格的に参入する時代、精度の高い企業データを握っている企業は、AIサプライチェーンの起点や基盤に位置します。どのようなAIも、具体的なデータなしには、力を最大限に発揮することができないためです。
基幹システムに関わる法人データベースは、いったん導入されるとスイッチングコストが高いです。実際に、当社の離反率(チャーンレート)は極端に低い(0.21%)のが特徴です。
いかがだったでしょうか?
ユーソナーもそうですが、データを保持するビジネスモデルは、AI企業に対しても、SaaS企業に対しても、堅牢なポジションにいることから、そのどちらも活かすことができる、という立ち位置にあることがご理解いただけたのではないでしょうか。
「SaaS is Dead/Weak」の議論の推移を見守りつつも、ユーソナーは、企業データの網羅性、鮮度と精度にこだわり、引き続き企業のお客様への価値提供に努めてまいります。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
ユーソナーは業種・業界問わず
様々な企業において活用いただいております。


























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