
- データ活用
AIを活用した企業活動の効率化には高いデータ品質が必要不可欠
更新日: 2025年2月14日
デジタル時代において、企業が持つデータは膨大で多様化しています。しかし、そのデータが異なるシステムや場所に分散しているため、活用することが難しいという課題があります。このような状況を解決するためのアプローチの一つが「データフェデレーション」です。
本記事では、データフェデレーションとは何か、そのビジネスメリットや課題、そして実行プロセスについて解説します。
目次
こちらの記事もおすすめ!
データフェデレーションとは、異なるシステムや同一システム内の異なる場所に保存されたデータを統合せずに、データ利用に関する共通ルールを設けた上で閲覧できる仮想環境を用意して利用可能にする技術や方法論を指します。データを中央に集約することなく、分散した状態のまま各種データに対してアクセスし、統合された状態と同様に扱うことができるのが特徴です。
データフェデレーションの例としては、CRM、ERP、そしてデータレイクに保存されている情報を、それぞれの場所に保持したまま統一的なダッシュボードで可視化することなどが該当します。
データフェデレーションを活用することで、以下のようなビジネスメリットが得られます。
データフェデレーションは、より最新の情報をリアルタイムに近い状態で取得することが可能です。例えば、異なる地域の販売データに関する統一的な閲覧環境を作成することは、売上のトレンドを即座に把握することに役立ちます。
データを一元化する場合は大量のデータ移行作業が必要となりますが、データフェデレーションでは移行作業が不要のため、システム面でかかるリソースや時間といったコストの捻出を省略することができます。
データフェデレーションは既存のストレージやアプリケーションをそのまま利用しながらデータ連携を可能とする方策のため、既存システムへの影響を最小限に抑えつつ、新たなデータ活用方法を実現します。
データフェデレーションにより、データは元の場所に留まったまま活用されるため、従来のセキュリティポリシーを維持したまま統合が可能です。新たなガバナンスのルールを策定する必要がないため、時間をかけすぎずに実践に移すことが可能となります。
異なるデータソースを一元的に利用できる環境で表示することで、部門間の連携や新たなビジネスインサイトの発見が促進されます。例えば、マーケティングデータと営業データを組み合わせた分析により、効果的なキャンペーン設計が可能になります。
データフェデレーションは多くのメリットをもたらしますが、以下の課題もあります。
異なる形式やプロトコルで保存されたデータソースを統一的に扱うためには、高度な技術が必要です。例えば、SQLデータベースと非構造化データ(JSONやログデータ)を同時に扱う際の難易度が挙げられます。
リアルタイムアクセスを要する環境を構築することになるため、データ量が多い場合やネットワーク帯域が不足している場合の処理速度の向上対策が求められます。
複数のデータソースに同時アクセスする場合、それぞれのデータに適したセキュリティやプライバシー対策を適用する必要があります。
データフェデレーションを成功させるには、適切なツールや技術を持つ人材が必要ですが、これらが不足している企業も少なくありません。
データフェデレーションは以下のプロセスで進められます。
CRM、ERP、データレイクなどの既存データソースを洗い出します。
APIやコネクタを使用してデータソースを接続します。アクセス権限や認証方法を設定し、安全性を確保します。
各データソースから必要なデータを集約し、統一された仮想ビューを作成します。
異なる形式のデータを標準化し、統一的に利用できるようにします。
使用状況を追跡し、パフォーマンスやエラーを監視して改善します。
データフェデレーションを成功させるには、以下の役割が必要です。
データソース間の共通ルールの策定や接続方法、統一方法の設計を担当します。
データ接続、変換、統一的な閲覧環境の実装を実行します。
データアクセスに関する認証環境の整備やセキュリティ対策を管理します。
統合されたデータを基にインサイトを抽出し、ビジネス活用の方法を提案します。
上記のような役割はあくまで一例で、ステークホルダー同士が連携しながらデータ利用の要件を提供し、実際の運用に関わっていくことになります。
データフェデレーションは、企業が分散したデータを効率的かつ柔軟に活用するための革新的な手法です。しかし、その導入には課題も伴います。適切な技術選定とプロセス設計、そして専門的なスキルを持つチームの協力が不可欠です。
弊社の顧客データ統合ソリューション「ユーソナー」は、独自のコード体系の提供により顧客情報の統合を実現しています。データフェデレーションを推進する際に必要となる「データの共通利用ルールの策定」という工程を省力化することが可能です。
また、ユーソナーのコード体系に紐付けて提供される独自のデータを自社データと掛け合わせ、重複データや不正確な情報を特定・修正することにより、ターゲットアカウントに対する最新のデータを保持することを可能とします。統一的な顧客情報の基盤を構築することで、顧客動向の分析や予測による精度の高いリスト生成を可能としております。
詳細についてはぜひこちらのページから、お気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
ユーソナーは業種・業界問わず
様々な企業において活用いただいております。
ITreview Grid Award 2025 Winter
リーダー認定4部門