- デジタルマーケティング
インテントデータとは?行動データから顧客の興味関心を可視化する
更新日: 2024年6月27日
株式会社セレブリックスとユーソナー株式会社が共催したオンラインセミナー「AIとデータの活用で営業はここまで進化する!」(5月30日)のイベントレポートを公開します。
セレブリックス社のセールスカンパニー執行役員で、AIと営業に関する新著『he Intelligent Sales』を出版したばかりの今井晶也氏と、データドリブンな営業マーケティング支援を進めるユーソナー代表取締役社長の長竹克仁が、「AIとデータを使うと営業がどう変わるのか?」という最新テーマを鮮やかに解剖したセミナーとなりました。営業プロセスごとに、新旧の営業スタイルを比べながら議論が進む大変わかりやすい構成です。大盛況だったセミナーの様子をできる限り再現しました。
また、8月16日(金)まで、本セミナーのアーカイブ動画を視聴できます。より詳しく知りたい方はこちらからお申し込み下さい。
▼アーカイブ動画の申し込みはこちらまで
https://yeale-by-cerebrix.com/whitepaper_contents/xsqr1oh64x26/preview
目次
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まず、今回のセミナー概要を振り返ります。以下の内容でお送りしました。
AIとデータの活用で営業はここまで進化する!~営業プロセスごとにご紹介~
2024年5月30日(木) 11:00~12:00
株式会社セレブリックス 執行役員 カンパニーCMO/営業総合研究所 所長/セールスエバンジェリスト
今井晶也
ユーソナー株式会社 代表取締役共同社長
長竹 克仁
オンライン形式
このセミナーでは、一般的な営業プロセスである「リストアップ」→「接点構築」→「商談準備」→「商談」のそれぞれのシーンにおいて、「AIやデータを活用する前の営業スタイル(意識や業務)って、こうだったよね」「AIやデータを活用すると、営業スタイル(意識や業務)はガラッとこう変わるよね」と、長竹、今井氏それぞれの立場からコメントし合いながら進行していきました。
まず二人の議論は、自己紹介や視聴者からのコメントや質問をまじえながらスタート。
生成AIを使ったデモ録画など、最先端の営業スタイルの一端が披露され、熱量あふれる議論が展開。これから普及するであろうAIとデータを駆使した営業スタイルについて、もっと詳しく知りたくなるようなエンディングとなりました。
以下、「AI・データ活用前」と「AI・データ活用後」でどう変わったか?二人の議論の一端をご紹介していきます。
新規開拓営業の際、どのような基準で相手企業をリストアップしているでしょうか。
旧型の営業スタイルにおけるリストアップについて、ユーソナー社長の長竹は、「企業の業種、地域、売上、利益を基準としたリストアップではないでしょうか。これだと、競合も同じようなリストになるので、アプローチ先はレッドオーシャン化してしまいますよね」と話します。
セレブリックスの今井氏も「過去の名刺情報やリードを集めるリストアップ方法では、リード情報で優劣をつけることが難しいですよね」とコメント。このようなリストアップ方法では、ほんとうに自社が注力すべき企業が明確化せず、総当たり的なアプローチとなり、時間が無駄になってしまうということで意見が一致しました。
対して、AIやデータを活用する新しい営業スタイルでは、リストアップ作業はどう変化するのか。
まず、長竹が提言したのは、インテントデータや与信データといった、ライバルに対し競争力となり得る企業データを活用することです。
「旧型営業で用いた基本属性に加え、こうしたデータを組み合わせることで、より企業の特徴を深堀りすることができます。それにより1to1のアプローチが可能になります」と長竹は言います。
特に昨今注目が集まっている「インテントデータ」ですが、どのターゲット企業が自社サイトのどのページに来訪しているかを可視化したり、どのようなキーワードに興味を持ち検索しているかを特定したりするなど、デジタル上の行動履歴をもとにしたデータのことです。
このインテントデータを活用するメリットとして、長竹は「営業において重要な『ニーズ』と『タイミング』を把握した状態でアプローチが出来るため、商談化率を高めることが出来る。相手が欲しい情報を、相手が営業して欲しいタイミングで提案できるから、営業が喜ばれるものになるんです」と強調しました。
一方、今井氏はリストアップ作業時点での生成AIの活用について提言。「例えばクロージング対象となった企業を数十社ピックアップし、生成AIに読み込ませる。すると、受注に強く影響する要素を明確化することができ、アプローチしようとしている企業リストに優先順をつけることができます」と述べました。
インテントデータの詳細はこちらから!:
次に話題となったのが「接点構築」プロセスにおける新旧比較です。
まず旧型の営業方法は、どのようなものでしょうか。
長竹は「空いている時間、つまり商談の合間にコールをするため、効率が悪かった」と振り返ります。
今井氏も「リスト内の企業の優劣をつけることが出来ないため、やみくもに電話をかける営業になりがちで、テンプレートトークになることも多かったと思います」と述べます。
これに対しデータを活用する新しい営業スタイルはどうか。長竹は、ここでもインテントデータの活用をおすすめし、「インテントデータを使うことで、キーパーソンに会えてからの商談設定率も大きく伸びるんです」と語りました。
今井氏は、相手業界の理解を深め、「この営業とは話す意味がありそうだ」と感じてもらえるようなエキスパート感を出すことが大切だと説きました。生成AIを活用することで、相手と同じ専門的な情報を効率的に収集することが可能になります。セミナーではその具体的な手法を詳しく語りました。
3つめのトピックは「商談準備」です。
「商談準備」では、かなり時間をかけて情報収集する必要があります。しかし、旧型の営業スタイルでは、相手との過去の商談経緯やネット上の情報など上澄みの情報しか収集できず、「出たとこ勝負」になってしまいがち、ということが多かったように思う、と両氏は振り返りました。
これに対し新しい営業スタイルでは、商談準備について長竹は「企業・業界情報、事例や過去の受注・失注理由までを一本化、つまりデータベース化しておくことがまず重要だ」と語りました。
今井氏は、生成AIを活用し、大局観をもってから商談準備することが重要だと強調。生成AIを商談企業の担当者に見立てて、商談ロールプレイングをする方法を紹介しました。業種や企業名、役職など商談をする相手の条件、さらにサービス導入へのモチベーションについても条件をつけ、難易度を調整しながら使用することがポイントだと説明しました。
【参考記事】AIを活用したBtoBマーケティング「6つ」のシーン▶︎
最後のトピックは「商談」そのものです。古い営業におけるこのプロセスについて、長竹は「ニーズを探りながら、その場で提案を構築する」。今井氏は「商品の強みや機能の訴求オンパレードで、課題解決もどきになっている」と述べ合いました。
新しい営業スタイルにおける商談はどうか。長竹は「データをもとに、ターゲット選定から一貫してニーズとタイミングが分かっている状況だから、すぐにクロージングのフェーズに持っていくことができる」。今井氏は「生成AIをもとに仮説を壁打ちしておけるので、相手のインサイトを捉えることができる」とそれぞれ話しました。
締めくくりとして今井氏は「いつの時代も購買環境は変化する。そして、購買環境が変化するということは、営業のあり方も変化しなければならず、私たちは学び続けなければならない。そして、本日紹介したAIやデータ活用を流行にしてはならない。実務として身につけ、自社にあう使い方を研究していくことが必要」と語りました。
視聴者からの終了後アンケートでは、
「インテントデータは聞いたことがあっただけで、実際の効果は知らなかったためとても参考になりました」
「生成AIを活用しないと、時代に置き去りにされてしまうなぁ、と、良い意味での危機感を持つことができました」「生成AIを使ったロールプレイングの実例など新たな活用法について知ることができました」
など、評価するコメントを数多くいただきました。(視聴いただいた皆様、ありがとうございました!)
この記事を書いた人
ユーソナー編集部
MXグループ・編集長
ユーソナー編集部です。
主にBtoB事業を営む企業様に向け、これからの業務のあり方を考える上で有用なデータ活用やデジタル技術に関する情報を発信しています。
ユーソナーは業種・業界問わず
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