Salesforce連携 顧客データをリッチ化
三菱UFJ銀行、法人営業力強化へユーソナーを導入 ~顧客データの正確性・最新性を担保、お客さまに喜ばれる営業像を実現へ~
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建設DX マスターデータマネジメント
官公庁から地域の協力会社まで網羅性を評価
建設・工事、不動産・住宅、総合小売、企業支援専門サービス
INTERVIEWEE
西松建設株式会社様は、土木事業、建築事業、アセットバリューアッド事業、地域環境ソリューション事業などを行う準大手ゼネコンです。創業150年と歴史は長く、トンネルやダムなどの土木事業や、オフィスビルや倉庫などの建築事業といった建設事業を中心に行ってきましたが、近年はアセットバリューアッド事業(開発・不動産事業)に加えて、バイオマス発電や地熱発電など環境エネルギー分野も手掛けます。今年公表された西松-Vision2030の実現のためDXに取り組む同社ですが、そのDXを支える基盤の一つとなるのがデータ活用基盤の整備です。「データ活用の実践・データ活用の民主化・データドリブン経営への変革」がミッションであるDX戦略室の増田友徳DX企画部長に、お話を伺いました。
導入前の課題
導入の決め手
得られた効果
導入前の課題
会社の成長のカギはデータ活用基盤構築、MDMと確信。しかしデータのサイロ化と経営陣の説得という2つの壁が...
とくに大企業では、部門別や業務別にマスターとなるデータベースが分かれ「サイロ化」していることがあります。これらデータを、全社レベルの分析などデータ活用のために統合管理することを、MDM(マスター・データ・マネジメント)と言います 。増田さんは西松建設においてデータ活用基盤とMDMの必要性をずっと唱えてきた。その原点は何だったのでしょうか。
増田
私は経理部門出身で、全社のデータに関わるようになるのは2013年に経営企画部門に異動したことがきっかけです。経営陣からいろいろと業務データを分析せよと言われるのですが、分析のもととなるデータが手元になく、あちこちの部署に散在していました。各部署にお願いに行って、データを集めるのにとても時間がかかり、これは経営の意思決定スピードにかかわる非常にまずい状態だと痛感しました。
そのため、全社的にデータやシステムをどう整備していくのか、ICT戦略を検討する専門部署が必要だと提案したところ、自分自身が異動して行うことになりました。その後も、データ活用やDX推進など提案するたびに、自分で担当するというキャリアを歩んできました(笑)
社内のデータの状態はどのようなものでしたか?
増田
各部署でデータの管理方法が異なっており、さらにはデータを集めても粒度が異なっていたり、精度が悪かったりと、とても分析できる状態ではありませんでした。そのため、データ分析前のクレンジングなど事前準備が非常に骨の折れる作業でした。
例えば、ある物件について1つの軸で集計しようとしても、部門やシステムによりコード体系から異なっていました。お客様と調達先が同じ会社というケースであってもデータが紐づいていないので関係性が見えてこないのです。効果的なデータ分析をすることは、困難を極めました。
自ら経験した危機感をもとに、データがサイロ化している状況を打破していくためには共通の『データ活用基盤』が必要だ、という構想をまとめられ、会社に提案していったのですね。
同じような危機感・課題感をもつ会社は多いかと思いますが、社内を説得するのは相当な時間や労力が必要です。どのように理解者を増やしていったのでしょうか。
増田
まず、データといっても、どんな場面でどんなデータが、どんなスピードでほしいのか、また、一口にデータ活用といってもステップがあると思いましたので、そのステップを当社の現状と共に示し、最後に目指す方向性とロードマップも描きました。経営陣への説明は、まずは当時の上司である社長室長をふくめた社長室のメンバー全員に対し、DXにはデータ、人財、体制の3つの整備が必要であるとプレゼンしました。
特にデータの重要性については、データ、つまり情報とは何か、経営に必要な情報、業務に必要な情報など、立場によって必要となる情報の違いはなにか、など、根本的なところから話をして、データの必要性を訴えました。これによって社長室長が理解を示し、社長説明時にも、基盤整備を先行して進めることを後押ししてくれました。
導入に向けては、最初に各部署へデータに関する困りごとについて、ヒアリングを実施しました。そして、社内のどこに何のデータがあるかを洗い出す作業(As-Is)から始め、データ保持についてモデル(To-Be)を検討し(図)、アーキテクチャを設計していきました。
■西松建設様におけるデータ活用基盤設計のモデル図。上部が現状(As-Is)、下部が目指す姿(To-Be)
ユーソナーとの関連について伺います。データ活用基盤を具体的に検討するなかで、サイロ化したデータを統合(名寄せ・クレンジング)していく重要性に気づいていったということでしょうか。
増田
共通のデータ活用基盤においては、取引先、従業員、工事のデータをマスターデータとして整備する必要がありました。その中でも取引先については、各システムが保有している取引先データを、統一コード体系でつなげ、正確で信頼できるデータに名寄せクレンジングする必要がありました。そこでユーソナー(LBCコード)の導入を検討することにしたのです(図)
■データ活用基盤の取引先マスターはユーソナーのLBCコードにより名寄せクレンジングを実施
導入の効果
ユーソナーにより信頼性の高い「ゴールデンレコード」整備 経営判断の支援など業務効率化以上の価値
データ活用基盤整備の一環として導入されたユーソナーですが、費用対効果に固執せず経営層に判断を仰いだ、と伺いました。
増田
そもそも、データ基盤整備自体が先行投資だという考え方です。費用対効果が出るかは整備した基盤をどのように活用するか次第なので、経営層にデータ活用基盤整備プロジェクト単体で、費用対効果という切り口から説明し納得させることは難しい、と当初から考えていました。ユーソナーのデータと連携することで、取引先データに関しては『ゴールデンレコード』(真のマスターデータ)が整備され、それによってデータ活用が進められるようになると説得しました。
ユーソナーの導入自体は、データ活用基盤構築のスケジュール内でスムーズに導入できたそうですね。
増田
データ活用基盤の構築自体は10か月ほどかかりましたが、このうちユーソナー導入の部分は、名寄せ作業をのぞけば2カ月余で完了できました。要件定義など前倒しでチェックいただいていたことや、こちらの進行に合わせて柔軟に対応いただけたため、大変スムーズだったと思っています。
ユーソナーの導入により、これまでと比べかなりの業務効率化を実感できているといいます。
増田
定量的な効果は測れていないのですが、必要な時にデータをスムーズに取得することができるようになり、また、新しい視点でデータの可視化や分析ができるようになるなど、業務効率化以上の価値が生み出されていくのを感じています。具体的には、取引先ごとや取引先のグループごとなど、多様な集計軸でデータ分析を行ったり抽出したりすることが容易にできるようになり、提案や判断、経営方針を立てる際に役立っています。企業データの整備と最新化・正確化にかかる必要経費だと思っています。
今後の展望
「データ使おう」へ社内の意識が変化
データ活用の基盤構築は先行投資
目先の費用対効果の議論に陥らず前進を
データ活用基盤がスタートし、データに対する社員の意識が変わりつつありますが、基盤のさらなるアップデートの必要性も感じているそうです。
増田
ヒアリングで分かったのは、何か分析したいと思い立った時にどこにデータがあるかわからない、と困っていたのは自分ひとりだけではない、実はみんな困っていたということでした。データ活用基盤導入によってデータが提供できるようになったので、『ならばデータを使おう』という意識に変わってきたと思います。これまでより網羅的に社内のデータを集めて分析できていますので、議論の精度があがっていると実感しています。
しかし、取引先マスターについては、マッチングして名寄せしデータを活用できるレベルにはなっているものの、業務としてすぐに使えるレベルになるにはさらなるブラッシュアップの必要性を感じています。業務として使えるレベルのデータにしていくためには、マッチさせてクレンジングするのではなく、取引先マスターの登録時にLBCを付与して情報を整備していかなくてはなりません。一部は取り組み始めていますが、それができれば、業務システム内でも使えるデータになると思います。
当社のデータ活用基盤はまだスタートしたばかりですが、他のゼネコンさんはじめ、色々な会社さんから『うちもMDMに取り組みたいから教えてほしい』という話がきており、少しは先進的な取り組みができているかなと感じます。今後もユーソナーさんをはじめ、パートナーさんと協力しながら挑戦し続け、データ活用、さらにはDXを成功させていきたいと思っています。
企業でDXを進めている責任者へのエールをお願いします。
増田
DXにはデータが必須です。導入時の費用対効果の議論で経営層の理解を突破できずに悩んでいる、という方もいるかもしれません。これだけデータが大事な時代になっているので、会社の大切な資産を守るといった観点で、必要経費、先行投資として考えることが必要です。それよりも整備したデータを使ってDXを推進して効果を出していくことのほうが大切です。私たちもまだまだこれからです。一緒にがんばりましょう。
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