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【簡易診断公開中!】データドリブン成熟度モデル:自社のデータ活用の現在地を測る

更新日: 2026年11月 2日

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展とともに、多くのB2B企業が「データに基づく意思決定」を掲げるようになりました。一方で、ツールを導入しても活用が一部の部門にとどまり、事業成果につながっていないという声も多く聞かれます。

こうした状況で、自社の取り組みを客観的に振り返る手がかりとして注目されているのが「データドリブン成熟度モデル」です。データ活用の進み具合を段階的に定義することで、自社がどこに位置し、次に何に取り組むべきかを整理しやすくなると言われています。

本記事ではデータドリブン成熟度モデルの考え方と5つのレベルの特徴、自己診断の方法、そしてレベルを引き上げるためのプロセスについて解説します。

目次

データドリブン成熟度モデルとは

データドリブン成熟度モデルとは、企業がデータをどの程度収集・統合し、意思決定や業務に活かせているかを段階的に評価するための枠組みです。現状を「レベル」で表現することで、経営層と現場が共通の言葉で課題を議論できるようになります。

成熟度モデルに国際的な統一規格はなく、調査会社やコンサルティング企業がそれぞれ独自のモデルを提示しています。代表例として、米国の調査会社Gartnerは「Basic(基本)」「Opportunistic(機会的)」「Systematic(体系的)」「Differentiating(差別化)」「Transformational(変革的)」の5段階を示しています※1。

国内では、経済産業省と情報処理推進機構(IPA)による「DX推進指標」が、DX全体の成熟度をレベル0〜5で自己診断する仕組みを提供しています。2026年2月には「デジタルガバナンス・コード3.0」に基づいて設問と成熟度レベルが見直され、レベル0〜4は個社内の取り組み、レベル5は個社を超えて社会価値を創出する水準として再定義されました※2。

本記事では、これらの考え方を参考に、B2B企業の顧客データ活用に焦点を当てて弊社が5段階に整理したモデルを用います。データドリブン成熟度モデルの主な特徴は以下の通りです。

  • 段階的な評価軸
    データ活用の状態を5つのレベルで表現し、現在地と目標の差を明確にします。抽象的な「データ活用が進んでいない」という認識を、具体的な改善テーマに置き換えることができます。
  • 複数の観点による診断
    データ基盤、データ品質、分析、組織、意思決定といった複数の観点から評価します。観点ごとにレベルが異なることも多く、どこがボトルネックになっているかを把握しやすくなります。
  • 次の打ち手を導く指針
    各レベルの特徴を知ることで、次の段階に進むために必要な取り組みが見えてきます。投資や体制づくりの優先順位を決める材料としても活用することが可能です。

※1: Gartnerによるデータ・アナリティクス成熟度調査(2018年公表、196組織対象)に関する報道
https://www.helpnetsecurity.com/2018/02/06/data-analytics-maturity/
※2: 経済産業省「『DX推進指標』を改訂しました」(2026年2月13日)
https://www.meti.go.jp/press/2025/02/20260213001/20260213001.html

データドリブン成熟度モデルの5つのレベル

弊社が整理したデータドリブン成熟度モデルの5つのレベルは以下の通りです。

  • レベル1:属人・散在段階
    顧客データがExcelファイルや個人のメール、紙の名刺などに散在している状態です。必要になったときに担当者が都度集計するため、数字の作成に時間がかかります。意思決定は経験と勘に頼る場面が中心となります。
  • レベル2:部分活用段階
    CRM(顧客関係管理)、SFA(営業支援システム)、MA(マーケティングオートメーション)などのツールが部門単位で導入され、定型レポートやダッシュボードが作られている状態です。一方で、部門ごとにデータの定義や管理方法が異なり、会議で数字が合わないといった問題が起こりやすいとされています。
  • レベル3:全社統合段階
    共通の企業コードなどを用いて顧客データの名寄せが行われ、全社で一元管理されている状態です。いわゆる「SSOT(Single Source of Truth)」が実現し、KPI(重要業績評価指標)の定義も全社で統一されます。データガバナンスの責任者や品質管理のルールも明確になります。
  • レベル4:予測・差別化段階
    社内データに外部の企業データやインテントデータを掛け合わせ、需要予測やリードの優先度付けを行っている状態です。分析結果が営業・マーケティング施策に組み込まれ、データ活用そのものが競合との差別化要因になります。
  • レベル5:変革段階
    データが経営戦略や事業モデルの中心に位置づけられている状態です。CDO(Chief Data Officer)などの経営層がデータ戦略を主導し、取引先やパートナーとのデータ連携を通じて新たな価値の創出に取り組みます。

実際には、多くの企業がレベル2〜3の間にとどまっていると言われています。Gartnerが2018年に公表した196組織への調査では、最上位の「Transformational」に達していると回答した組織は9%にとどまり、約6割が下位3レベルに位置していました※1。

国内では、IPAが2026年5月に公表した「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2025年版)」において、提出企業1,164件の平均値の分布は「レベル1以上2未満」が最も多く、次いで「レベル2以上3未満」であり、レベル4以上の企業は全体の3%と報告されています※3。DX推進指標はデータ活用に限定した指標ではありませんが、全社的な取り組みに至る企業がまだ少ないという傾向を読み取ることができます。

※1: Gartnerによるデータ・アナリティクス成熟度調査(2018年公表、196組織対象)に関する報道
https://www.helpnetsecurity.com/2018/02/06/data-analytics-maturity/
※3: 情報処理推進機構(IPA)「DX推進指標の自己診断結果1,164件を分析したレポートを公開」(2026年5月15日)
https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2026/press20260515.html

自己診断:自社のレベルの確認方法

自社がどのレベルに位置するかは、以下の簡易診断で確認することができます。5つの観点それぞれについて、自社の状態に最も近いものを1つ選ぶと、総合レベルとボトルネックの可能性がある観点が自動で表示されます。

データドリブン成熟度 自己診断

5つの観点について、自社の状態に最も近いものを1つずつお選びください(所要時間:約2分)。

0 / 5 回答済み

すべての観点に回答すると診断できます。

総合レベルは5つの観点の平均点(小数点以下切り捨て)で判定しています。診断結果は、以下の視点で読み解くことが推奨されます。

  • 総合レベルで現在地を把握する
    総合レベルは、自社のデータ活用が全体としてどの段階にあるかを示す目安です。前章の各レベルの説明と照らし合わせることで、次の段階に進むために必要な状態を具体的にイメージすることができます。
  • 最も低い観点をボトルネックとして捉える
    観点ごとのばらつきが大きい場合、最も点数の低い観点が全体の足を引っ張っている可能性があります。たとえば分析ツールが充実していても、データ品質がレベル1であれば分析結果の信頼性は高まりにくいと考えられます。
  • 複数の部門・役職で診断する
    経営層、情報システム部門、営業・マーケティング部門では、自社の状態に対する認識が異なることが少なくありません。複数の関係者が同じ診断を行い、結果の差について議論すること自体が、課題の共有に繋がります。

なお、本診断は現状を大まかに把握するための簡易的なものです。より網羅的にDXの取り組み全体を評価したい場合は、経済産業省・IPAが公開している「DX推進指標」の自己診断フォーマットの活用も選択肢となります※2。

※2: 経済産業省「『DX推進指標』を改訂しました」(2026年2月13日)
https://www.meti.go.jp/press/2025/02/20260213001/20260213001.html

成熟度を高めるビジネスメリット

データドリブンの成熟度を高めることで、以下のようなビジネスメリットが得られると言われています。

  • 意思決定の迅速化と精度向上
    信頼できるデータが必要なときに参照できる状態になることで、集計や確認にかかる時間が短縮されます。勘や経験だけに頼らない判断が可能になり、意思決定の再現性も高まります。
  • 部門間の連携強化
    顧客データと指標の定義が全社で統一されることで、営業、マーケティング、カスタマーサクセスなどの部門が同じ顧客像を共有できます。部門間の数字の食い違いを解消する調整作業も削減することが可能です。
  • 営業・マーケティングの生産性向上
    外部データと掛け合わせた優先度付けにより、成約の可能性が高い企業へ限られたリソースを集中させることができます。ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)などの高度な施策にも取り組みやすくなります。
  • 投資判断の優先順位付け
    成熟度を観点ごとに可視化することで、次に投資すべき領域が明確になります。ツールの追加導入ありきではなく、ボトルネックの解消に資源を振り向ける判断がしやすくなります。

成熟度の向上を阻む課題

成熟度を高めることには多くのメリットがある一方で、取り組みの過程ではいくつかの課題が伴います。

  • データのサイロ化
    部門ごとに異なるツールでデータが管理されていると、同じ顧客が別々のレコードとして登録されることがあります。レベル2からレベル3への移行において、最も大きな壁になりやすい課題と言われています。
  • データ品質の劣化
    企業情報は、移転、合併、社名変更、代表者の交代などによって日々変化します。一度データを整備しても、更新の仕組みがなければ鮮度は徐々に失われ、分析や施策の精度が低下します。
  • ツール導入の目的化
    新しいツールを導入すること自体が目的となり、活用の設計が後回しになるケースも見られます。Gartnerも、変革的な成熟度に到達するために新技術の導入が不可欠だと考えるべきではないと指摘しています※1。
  • 成果が社内の効率化にとどまる
    IPAの「DX動向2025」では、日本企業のDXの成果がコスト削減などの社内向けの領域に偏り、約7割の企業が製品・サービス創出などの外向きの成果を出せていないと分析されています※4。データ活用においても、効率化の先にある売上や顧客価値の向上まで視野に入れることが重要です。

※1: Gartnerによるデータ・アナリティクス成熟度調査(2018年公表、196組織対象)に関する報道
https://www.helpnetsecurity.com/2018/02/06/data-analytics-maturity/
※4: 情報処理推進機構(IPA)「DX動向2025」解説資料
https://www.ipa.go.jp/event/2025/tbl5kb0000001rzs-att/dx-trend-2025-Webinar-Handouts.pdf

成熟度を高めるプロセスと必要な役割

成熟度は一足飛びに高められるものではなく、段階を追って取り組むことが有効とされています。一般的には、以下のプロセスで進めることが考えられます。

  • ステップ1:現状の可視化
    前述の自己診断などを用いて、観点ごとの現在地とボトルネックを把握します。あわせて、社内にどのようなデータがどこに存在するかを棚卸しします。
  • ステップ2:統合キーの整備と名寄せ
    部門ごとに散在する顧客データを、共通の企業コードなどの統合キーで紐づけます。レベル3の土台となる工程であり、ここでの精度がその後の分析の信頼性を左右します。
  • ステップ3:品質維持の仕組み化
    データ品質のルールと責任者を定め、入力時のチェックや定期的なクレンジングを運用に組み込みます。外部データの継続的な取得により、鮮度を保つ仕組みも検討します。
  • ステップ4:外部データとの掛け合わせ
    社内データに企業属性やインテントデータなどの外部データを組み合わせ、ターゲティングや優先度付けに活用します。レベル4に向けた予測・差別化の取り組みがこの段階から本格化します。
  • ステップ5:意思決定プロセスへの組み込み
    ダッシュボードや分析結果を会議体や業務フローに組み込み、データに基づく判断を日常の習慣にします。効果を測定しながら、取り組みの範囲を段階的に広げていきます。

これらのプロセスを推進するためには、以下の役割が必要です。

  • 経営層・データ活用の推進責任者
    データ活用の目的と優先順位を示し、部門を横断した取り組みを主導します。予算や人員の配分を判断し、全社としての方針を発信する役割を担います。
  • データアーキテクト・データエンジニア
    統合キーの設計やシステム間の連携、データパイプラインの構築を担います。将来的な拡張も見据えて、データ基盤の全体像を設計します。
  • 事業部門のデータ活用担当者
    営業やマーケティングの現場で、データを施策に落とし込む役割を担います。現場の要件や課題をフィードバックし、基盤や指標の改善に繋げます。

なお、データ活用に関連するテーマについては、弊社ブログのこちらの記事でも解説していますので、あわせてご参照ください。

おわりに

本記事のポイントを3点にまとめます。①データドリブン成熟度モデルは自社のデータ活用の現在地を5段階で捉える枠組み、②多くの企業は部分活用の段階にとどまり、サイロ化や品質劣化が壁になりやすい、③自己診断でボトルネックを特定し、データ統合から段階的に取り組むことが有効、という点です。

データドリブン成熟度モデルは、自社のデータ活用を客観的に見つめ直し、次の一手を考えるための共通言語です。成熟度を高めるためには、統合キーによるデータの一元管理、品質を維持する仕組み、そして意思決定への組み込みが欠かせません。

弊社の顧客データ統合ソリューション「ユーソナー」は、データ活用の課題となりやすい名寄せとデータ統合を支援します。「LBC」という独自のコード体系による顧客情報の管理に加え、独自に収集した企業データを活用頂くことで、鮮度の高い外部情報を継続的に取得することが可能です。さらに、インテントデータや機械学習による自社とのマッチ度・優先度の付与により、予測・優先度付けにも活用頂けます。

自社データ活用の現在地をより詳細なデータを用いて整理したいご担当者の方は、ぜひ弊社のマッチングレポートサービスの活用もご検討ください。「LBCマッチングレポート」の詳細についてはこちらのページから、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

uSonar

ユーソナー編集部

MXグループ・編集長

ユーソナー編集部です。
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