2016年12月09日
2016年11月1日、NECマネジメントパートナー社を講師に迎え、BtoBマーケティングの「シナリオ設計」をテーマにセミナーを実施しました。新規顧客開拓のアプローチ先(リード)を継続的に生み出すうえで、成功の鍵を握る「シナリオ設計」について、NECのBtoBリード獲得のプランニングに携わった同社の知見を解説いただきました。また、当社はリード獲得を効率的に行う為のデータベース構築術について解説しました。本記事では、講演の模様をお伝えします。
概 要
【第一部】NECマネジメントパートナー株式会社
リード獲得実践術!! 継続的にリードを生み出す
シナリオ設計フレームワークとは?
【第二部】株式会社ランドスケイプ
リード獲得。効率をあげるデータベース活用術。
~NECマネジメントパートナーの取り組み~
詳 細
NECマネジメントパートナー社からは、本セミナーの主題でもある「シナリオ設計」について講演いただきました。NECのWEBマーケティングに携わった経験から培ったシナリオ設計のノウハウを公開していただきました。前回、アイティメディア社との3社での共催セミナーの際にも同様のお話をいただきました。アイティメディア社との3社セミナー実施記事では省略した部分を掘り下げて記載します。
本記事ではシナリオ設計の元となる「顧客の想定課題」をどのように見つけていくかを紹介します。
(NECマネジメントパートナー社 金井氏)
前回のセミナーの記事で紹介した通り、、シナリオ設計を行う上でもっとも重要な事が「顧客の想定課題の整理」です。そして、「想定課題の粒度を出来る限り細かくしていく」事が重要です。想定課題の粒度をどのようにあげていくか、一例を紹介します。
サンプルとして、以下の条件で「顧客の想定課題」を考えてみます。
●商 材:セキュリティ関連商材
●ターゲット:情報システム部門のセキュリティ担当者
サンプルAです。抽象的なため、配属されたばかりの担当者レベルの課題に感じます。ここから粒度を細かくしていきます。
サンプルBです。若干具体的になりました。1~3年目の担当者レベルの課題に感じます。
サンプルCです。具体性が増してきています。
このように細かくしていった顧客の想定課題に対し、どのようにアプローチするかを考える事がシナリオ設計では大切になります。
想定課題の粒度を細かくしていくと、当然「予算が無い」「人員がいない」「リプレイスが面倒」といった負の課題も出てきます。こうした課題に対して、解決する為のアプローチを一つ一つ考える必要があります。
1.でリストアップした課題を整理していきます。課題の整理の段階で必要な視点が以下の2点です。
(1)検討のモチベーション:(課題に向き合うやる気。温度感)
(2)検討の習熟度:(解決の勉強がどの程度進んでいるか。理解度)
(1)(2)の2軸でマトリックスを作り、課題を整理していきます。
シナリオ設計時にまず優先すべきは「検討のモチベーションが高く、検討の習熟度が高い」④の課題であると判断出来ます。④の課題のコンテンツからのCVは案件に繋がる可能性が高いからです。
具体的なシナリオ設計の進め方についてご興味があれば、以下までお問い合わせください。
問い合わせ先
株式会社NECマネジメントパートナー
http://www.necmp.co.jp/
第二部のランドスケイプ社からは、NECマネジメントパートナー社がランドスケイプと取り組んだ新規開拓について紹介しました。ランドスケイプの提供する顧客データ統合ツール「uSonar」を導入した背景、導入後の効果についてはNECマネジメントパートナー社、マーケットコミュニケーション事業部 マーケティング部 事業戦略グループ 萩原様よりお話いただきました。
(ご登壇いただいたNECマネジメントパートナー社 萩原様)
NECマネジメントパートナーは、NECの子会社であり、NECのスタッフ機能を担う会社として2014年に設立されました。マーケットコミュニケーション事業部はマーケットとのコミュニケーション、販促機能を提供する事業部です。その為、NECグループ企業の業務を行う事が多いのですが、NECグループ以外からの売上を伸ばしていく事がマーケットコミュニケーション事業部のミッションとしてあります。具体的な業務で言えば、NECグループ以外を営業対象として、セミナーなどのイベントやノウハウ提供もののホワイトペーパーのダウンロードを仕掛け、リード獲得を行い、その中から見込み度の高いリードを抽出して、営業にパスする事を行っています。
その過程で、見込み度の高いリードを抽出するために電話をしてニーズを確認するのですが、顧客データ都合ツール「uSonar」を導入する前は、テレコールリストを作るのに手間がかかってしました。例えば、セミナー開催後のテレコールリストを精査する場合、当社の場合、一回のセミナーで約50名の方が申込みされます。この50社を企業規模ごとに仕分けします。具体的には、年商500億円以上は、親会社のNECが既に営業をかけている可能性が高いので、確認を行います。年商500億円以下、30億円のレンジは、NECマネジメントパートナー社単独で営業活動を行います。それ以下の会社は営業対象から除外します。
最初は、月々1万円くらいで、データ提供してくれるサービスを利用してみたのですが、データの信頼性が低くて、データの網羅性も低かったです。網羅性というのは、そのデータデースで検索しても出てこないという事です。
そこで、私どものニーズとマッチしたのがランドスケイプさんです。ランドスケイプさんのデータベースは、網羅性が高く、価格もお手頃でした。
主にテレコールリストを抽出するために、年商、従業員数などの企業規模がわかるデータを抽出するのに利用しています。
その他に当社ではマーケティングオートメーションを活用しています。MAツールの料金体型は、リード数の従量課金です。その為、不要なリードをためすぎると、料金が余計にかかってします。そこで、営業対象ではないリードを見つけて、MAツールから削除するために利用しています。
仕組みとしては、手元のリストをuSonarに入れて、企業名や住所でマッチングさせています。アイデア次第で他にも使いみちがあるかな。と思っています。また、ランドスケイプさんは、専任の営業さんがついてくれるので、分からない事があればすぐに相談でき、追加でしたい事が出てくれば、調査や見積もり作成に動いてくれるので安心です。
我々のuSonarの使い方がまだまだと言う事なのですが、MAツールなどの他のシステムと連携するのは、データを一度システムから取り出す手間をかけています。CSVファイルのアップロード・ダウンロードをしています。
技術的には、手元のCSVファイルを経由しなくても、システム間で勝手にデータをやりとりする仕組みは作ることは出来ます。実現していないのは、我々の場合、対象とするリードの数がBtoCのように大量では無いので、手作業でさばけてしまうという事情があります。
今後、MAツールの活用を進めます。今はセミナー起点で営業活動に繋げているのですが、ウェブサイトを活用したマーケティング施策のウェイトを高めていきます。ウェブサイトの閲覧や資料ダウンロードなどのアクションで見込み客の興味関心を判定して営業にパスする施策です。この場合、少量・多頻度のデータ確認が必要になり、都度の手動確認は現実的ではありません。近い将来、顧客データ統合ツール「uSonar」とCRM・MAのシステム連携を行い、データ確認のプロセスを効率化することになるだろうと思います。